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2016.05.20

近代日本美術の煌き! 1958年(昭和33) その一

Img        伊東深水の‘姿見’

Img_0001     上村松篁の‘星五位’(東近美)

Img_0003     東山魁夷の‘秋翳’(東近美)

日ごろ気になっている画家との距離が一気に縮まるのは心のなかで二重丸をつけていた作品との対面が叶ったとき。伊東深水(1898~1972)の場合、その瞬間ははじめての回顧展で姿を現してくれた‘姿見’、おおげさにいうと体が200%フリーズした。

とびっきり美形の女性が鏡に姿を映し帯あげを手で整えている。深水の美人画は上村松園や鏑木清方とちがってモデルが全身をみせることは少なく、たいてい腰から上あたりを画面いっぱいに描いている。そのため、この絵のように美貌が際立つときはもうくらくらするほどの衝撃をうける。これは個人のコレクション、毎日でもみれるのが羨ましくてならない。

上村松篁(しょうこう、1902~2001)は上村松園の息子で母親と同じく文化勲章を受章した。その松篁の子どもが淳(あつし)で今年83歳になる日本画家、そろそろ文化勲章の声がかかってもいいころなのだが、もしそうなると三代続けて文化勲章受章となる。

松篁の代表作が東近美にある五井鷺を描いた‘星五位’、これは現代感覚のただよう花鳥画、数羽の五井鷺を縦のラインに配置するという発想が意表を突く。そのため一見平板な描写にみえるが奥行きのある空間でそれぞれ違うポーズをとる五井鷺は一羽々が等しく存在感を主張しているように思える。

東山魁夷(1908~1999)の‘秋翳(しゅうえい)’は秋の頃、東近美に出かけるとよくお目にかかる。三角形の山は下のほうから朱色の濃さがだんだん薄くなっていく、このグラデーションの妙が心を打つ。デザイン的な印象を与えるが、じっくりみると筆使いはおどろくほど精緻。自然の美しさが深ーく感じられるところが魁夷芸術の真髄。

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