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2016.05.25

近代日本美術の煌き! 1961年(昭和36) その一

Img_0001     中村岳陵の‘残照’(静岡県美)

Img     陳進の‘果実摘み’

Img_0003     徳岡神泉の‘仔鹿’(東近美)

画家が精魂込めて描いた作品が心を打つ要素はいくつかある。絵画をみるときはいつも色の組み合わせ、色彩の輝きを中心にみている。印象派に魅せられているのは色彩の力にくらくらしているから。日本画でも画面が澄みきった色でみたされているものには大きな感動をおぼえる。

そして、日本画にはもうひとつ見どころがある。線の美しさ、この線をひくくというのはとても難しい、小さな丸を描くのだって練習しないと上手に描けない。だから、太い線、細い線をさらさら自在に引ける人は大変な技量の持ち主。中村岳陵(1890~1969)はそんな凄腕画家のひとり。静岡県美で‘残照’をみたとき、木々の精緻な描写の声が出なかった。夕日に照らされて極細の木の枝が繊細に絡みあう光景がなんとも美しい。

台湾出身の女流画家陳進(1907~1998)が描く人物画はどこか小倉遊亀を彷彿とさせる。二人に共通するのは女性ならでは優しい表現。果物をとる女性の手には実った果物への感謝の気持ちがあらわれている。

東近美は徳岡神泉(1896~1972)のいい絵を揃えているが、‘刈田’とともに強く印象に残るのが‘仔鹿’、うまい演出だなと思うのはこの可愛い仔鹿の顔をみせないところ、じっとみているとふいとこちらに振り向くのではないかと次の動きを想像する。鹿は止まってなく動いているのである。

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