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2016.05.11

日本のラ・トウール、葛飾応為とルーベンス!

Img_0001       葛飾応為の‘夜桜美人図’(19世紀中頃 メナード美)

Img_0003  ルーベンスの‘月明かりの景色’(部分 1637年 コートールド美)

Img          近藤浩一路の‘十三夜’(1936年 東京都現美)

テレビ東京の人気番組‘美の巨人たち’が今、西洋美で回顧展(6/12まで)が行われているカラヴァッジョを取り上げるのではないかと期待していたが、どうも制作される気配がない。2本つくったNHKほどの厚いスタッフをかかえられずで贅沢な予算もないテレビ東京ではカラヴァッジョにまで手がまわらないのだろう。過去に2回いいものをつくっただけに残念!

そのかわりいい絵にスポットをあててくれた。それは先月に放送された葛飾応為の‘夜桜美人図’、ご存知のように応為は北斎の娘、この女流絵師はいうなれば日本のラ・トウールのような存在、目を見張らされるのはその光の描写。

この‘夜桜美人図’は幸運なことに2年前江戸東博で行われた‘大浮世絵展’でお目にかかった。これは浮世絵のオールスターゲームのようなビッグな展覧会だったので、この絵に足がとまった人も多くいるのではなかろうか。絵の見どころはなんといっても灯篭の明かりとその光がうつしだす女性の姿、そして夜空の星。

夜の情景をこれほど強い陰影をきかせて描いた絵はほかにない。こんなすごい絵をあの北斎の娘が描いていたのである。番組の中で詳しく解説していたが、星の描写がじつにリアル。北斎の鋭い観察力はしっかり娘にひき継がれている。

つい見惚れてしまう星の描き方をみてある絵を思い出した。2010年、ロンドンにあるコートールド美でみたルーベンス(1577~1640)の‘月明りの景色’、西洋絵画でも星がこのように繊細に描かれることはほとんどないのでその美しい星の輝きが強く記憶に刻まれている。

もうひとつ、近藤浩一路(1884~1962)の‘十三夜’に描かれた星々も心を打つ。‘美の巨人たち’が応為に光をあててくれたおかげでルーベンス、葛飾応為、近藤浩一路による星のコラボレーションが生まれた。しばらく楽しんでいたい。

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コメント

素敵な星のコラボレーションありがとうございます!

『美の巨人たち』で取り上げた葛飾応為を、私も興味深く見ました。

『夜桜美人図』で星の光度まで描き分けているという説明に感嘆しつつ見ました。そして裏彩色による着物の色の微妙な表現。2年前の大江戸博物館での浮世絵展に私も行きましたが、前期しか行かなかったので『夜桜美人図』を見逃したようです。

『吉原夜景図』も取り上げられていましたが、これは手元の美術本に載っていて、改めて見ました。

応為の夜景図は女性らしい繊細さがありますね!父北斎の死後、画家は消えてしまったとのことですが、今後新たな作品が発見されることを期待したくなります。

投稿: ケンスケ | 2016.05.12 22:23

to ケンスケさん
応為の作品はどのくらいあるのでしょうね、ほかの
絵もみな斬新な光の描写が印象深いものであれば
もっとみたくなります。

こんなに美しい星があったのか、という感じです。
いままでルーベンスの絵が最も心に響いていましたの
でこの絵に敏感に反応しました。

投稿: いづつや | 2016.05.13 01:50

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