近代日本美術の煌き! 1956年(昭和31) その二
現在、増築のため休館している八重洲のブリジストン美、ここで2008年岡鹿之助(1898~1978)の回顧展が行われた。美術館が一人の作家の回顧展をする気持ちになるのはその作家の有名な作品を所蔵していることもひとつの理由、岡鹿之助の場合、その絵は‘雪の発電所’。
絵に関心があるものでも発電所を描いてどこがおもしろいのか?と正直思うかもしれない。以前東京湾に面する工場地帯のライトアップをみてまわるバスツアーのことがTVで紹介されていた。山にある発電所に注目した岡鹿之助の美意識とこのツアーに参加する人の建造物に対する感じ方は根っこのところでつながっている。
いい絵というのは画面のなかに個々の造形がバランスよく組み合わさっていることが多い。‘雪の発電所’は安定感のある三角の山が真ん中にあってその下にはこれまた安定よく横に広がる四角の発電所施設、そして建物の前に奥行きをつくるように電柱がぽんぽんと並ぶ。このシンプルな構図が山の光景にとけ込む発電所の存在感を浮き彫りにしている。
京焼陶工の村田陶菀(1905~2002)の‘東山人形 太子様’はキューピーちゃんにそっくり。2004年日本橋の高島屋であった回顧展のときはこのイメージだったが、お笑い女芸人の柳原可奈子が活躍するようになるとこの子がキューピーにとってかわった。
小さいころ竹とんぼをつくって遊んだから、竹への愛着が強い。だから、生野祥雲齋(1904~1974)の竹工芸に大変魅了されている。その代表作が東近美の工芸館でよくみかける‘竹華器 怒濤’、シャープに曲げられた細い竹ひごがつくるユニークな造形は一度みたら忘れられない。
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コメント
『雪の発電所』、いいですよね! 発電所は産業の象徴でしょうが実に詩的で、絵画的世界そのものとして描かれていると思います。
岡鹿之助の回顧展があったら、私もすぐに行きたいです。
ところでブリジストン美術館の再オープンは、いつになるのでしょう。再オープンをずっと待ち望んでいます。
投稿: ケンスケ | 2016.05.19 22:30
to ケンスケさん
‘雪の発電所’は美術専門家、識者が選んだ
‘昭和の洋画100選’(1989年 朝日新聞社主催)
でベスト1になっています。ブリジストン美のお宝
ですね。
投稿: いづつや | 2016.05.20 01:22