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2016.05.22

近代日本美術の煌き! 1959年(昭和34) 

Img_0001     奥村土牛の‘鳴門’(山種美)

Img_0003     川端龍子の‘筏流し’(部分 大田区龍子美)

Img     平山郁夫の‘仏教伝来’(佐久市立近美)

Img_0002     富本憲吉の‘色絵金銀彩羊歯模様八角飾筥’(東近美)

画家の描く風景がそこへ実際足を運んだことがある場所だったら目に力が入る。渦潮で有名な徳島の鳴門海峡は一度行ったことがある。ところが、広島からクルマを走らせやっと鳴門に着いたのに、お目当ての渦潮はもうほとんど最後の段階で穏やかな波に戻りつつあった。

時間管理がちょっと甘くもう一時間早く出発しておれば、奥村土牛(1889~1990)の‘鳴門’のような光景が眼前に現れたはず、惜しいことをした。今となっては徳島旅行が実現する可能性はかなり小さい。だから、土牛の傑作で渦潮はみたことにしている。現地にも一応行ったことだし。

大田区にある川端龍子(1885~1966)の美術館は一時期よく通い、図録に載っている作品はほとんどみた。ここを訪れるのが楽しいのは作品がびっくりするくらい大きいから。こうした大作を一枚仕上げるだけでも大変なエネルギーを要するのに龍子はテーマやモチーフを変え次々を描きあげていく。

お気に入りの‘筏流し’は縦2.4m、横7.3m、圧倒されるほどの画面の広さのため、ちょうど上流から下ってきたこの筏を手前の岩の上から眺めているような気になる。激流のなかうまく舵をとりながら材木を運んでいくのは熟練の技をもってしても簡単なことではない。ぼやっとしていると命を落しかねない危険な仕事、岩にぶつかり飛び散る白いしぶきがを男たちの緊迫した精神状態を伝えている。

7年前に亡くなった平山郁夫(1931~2009)の出世作が‘仏教伝来’、広島に9年住んでいたから、広島出身の日本画家は身近な感じがする。奥田元宋も平山郁夫も回顧展が開催されると必ず足を運ぶことにしている。1997年、平山の故郷の瀬戸田町に平山郁夫美が開館した。そのとき行われた記念展でお目にかかったのがこの‘仏教伝来’。普段は長野県の佐久市にある作品だから、瀬戸内海に浮かぶ島にできた美術館でみれたの幸運だった。

富本憲吉(1886~1963)の羊歯模様に大変魅了されている。金と銀で彩られデザイン化されだ羊歯がリズミカルに配置され器面全体をおおっている。ボリュームを感じる八角の形はお宝箱にはうってつけかもしれない。この筥は特別な時にしか開けられないのだろう。

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