近代日本美術の煌き! 1960年(昭和35) その二
やきものの絵付けには器面をキャンバスに見立て絵のように花や鳥をえがくものや精緻にデザイン化された模様を連続させて装飾的な美しさを生み出すものがある。富本憲吉(1886~1963)の最大の魅力は小さな模様を寸分の狂いもなく完璧に配置するところ。
羊歯文とともによく使われた模様が四弁花、これをきれいに縦横に繰り返し並べていくのはかなりシンドイ作業、陶芸家や彫刻家には絵描き以上に力仕事の部分があるから頑丈な体でないとプロの作品として要求される高いレベルのものに仕上がらない。富本憲吉の絵付けをみるたびにすごい集中力だなと思う。
加藤土師萌(1900~1968)の飾壺はのびのびと花を描いている部分と同じ模様をリズミカルに反復させるところが半々。蓋や胴は中国の技法金襴手が使われており、見栄えのする牡丹はこういう華やかな感じのやきものにはうってつけのモチーフ。見事な一品。
バーナード・リーチ(1887~1979)は陶画の名手、鳥を描かせれば軽やかに空を飛んでいくし、獅子は体をぶるぶると震わせる。そして、シルエットになった巡礼者。余分なものは一切なく描かれているのはただ黙々と前に進む巡礼者の姿だけ。詩集の挿絵をみているよう。
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