« 近代日本美術の煌き! 1955年(昭和30) その二 | トップページ | 近代日本美術の煌き! 1956年(昭和31) その二 »

2016.05.16

近代日本美術の煌き! 1956年(昭和31) その一

Img_0002     伊東深水の‘赤と白A’

Img_0001     奥村土牛の‘踊り子’(山種美)

Img     中村貞以の‘爽涼’(東近美)

Img_0003     安田靫彦の‘伏見の茶亭’(東近美)

日本画家の描く女性画にときどき映画スターがでてくる。伊東深水(1898~1972)の場合、木暮美千代(知っている人は知っている)をモデルにして‘婦人像’を描いた。また、青学在学中からファッションモデルとして活躍していた大内順子(ファッション・ジャーナリスト)も‘黒いドレス’のタイトルで登場する。

こういう誰もが振り返るような華のある女性だと絵の魅力は一段とます。‘赤と白A’のモデルは世間に知られた女性ではないが、おしゃれに敏感でピチピチしたその顔は現在原宿などでみかける若い女性となんら変わりない。はじめてみたとき瞬時に思い浮かんだのは目がくりくりっとした‘マー姉ちゃん’の熊谷真実。

奥村土牛(1889~1990)の‘踊り子’のモデルはあの有名なバレリーナ谷桃子、土牛はこんなことを言っている‘谷桃子さんのお宅へ数えられないくらい写生に通って、純粋従順な人柄が分った。絵描きは感情が強くモデルとの間でも気持ちがぴったりしないと、その人は描けない。すっかり頭に入ったので、写生に捕らわれずに描いてみた’

中村貞以(1900~1982)は大阪船場の生まれで現代的な美人画を得意とした。これまで沢山の作品に縁があったわけではないが、出会った女性はしっかり記憶に残っている。‘爽涼’は東近美でお目にかかった。西洋画で人物を描くときは背景も一緒に描かれる。ところが、日本画では女性だけが描かれる、この横向きの女性は畳の上の座っているのだろうが、その畳はない。このためうす土色の色面に浮かび上がる女性の姿が強く印象づけられる。この女性はきりっとした性格にちがいない。

今日で閉幕した‘安田靫彦展’(東近美)、日曜美術館で取り上げられたから終盤は入館者がぐんと増えたことだろう。東近美が所蔵するものでは‘黄瀬川陣’同様、いつもみとれてしまうのが茶人秀吉を描いた‘伏見の茶亭’、絵の大きさ、明るい色調の澄み切った画面が心をとらえて離さない。

|

« 近代日本美術の煌き! 1955年(昭和30) その二 | トップページ | 近代日本美術の煌き! 1956年(昭和31) その二 »

コメント

日本画で西洋風の題材を描くのは、新鮮な取り合わせで、よくハッとします。伊東深水の『赤と白A』は、ドレスと同じ口紅の赤が映えていますね。背景も、当時としてはとても「モダン」に見えたのではないでしょうか。

奥村土牛は、山種美術館で開催中の『奥村土牛展』で見てきました。こちらは白が画面で存在感を持っていますね。

『安田ユキ(漢字変換できません)彦展』は後期も見てきましたが、本当に充実していました。『伏見の茶亭』は、おっしゃるように清澄な画面で、淡い色にも惹かれます。

投稿: ケンスケ | 2016.05.17 07:39

to ケンスケさん
深水の‘赤と白A’には参りました。すごくポップな感じ
もしますから、ずっと忘れられません。

安田靫彦展はいい回顧展でしたね。流石、東近美です。
この調子でこれからもビッグネームの回顧展を続けて
ほしいですね。

投稿: いづつや | 2016.05.17 21:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 近代日本美術の煌き! 1956年(昭和31) その一:

« 近代日本美術の煌き! 1955年(昭和30) その二 | トップページ | 近代日本美術の煌き! 1956年(昭和31) その二 »