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2016.04.16

近代日本美術の煌き! 1950年(昭和25) その二

Img     伊東深水の‘聞香’(東近美)

Img_0001     中村岳陵の‘気球揚る’(東近美)

Img_0003     山下清の‘長岡の花火’

伊東深水(1898~1972)の描いた香道の絵‘聞香’にはちょっとした思い出がある。趣味で油絵を描いている友人が家の近くに住んでいるある俳優と懇意にしていた。その人物はもう8年くらい前に亡くなった渥美國泰、そして奥さんは香道をやっておられた。

ある年友人の絵画グループが銀座の画廊で恒例の展示会を開いたとき渥美さんと奥さんがやって来られた。話が弾みなにかの拍子で深水の‘聞香’のことを話題にしたら、奥さんは‘あなたこの絵知っているの、絵がお好きなのね’とおっしゃった。80歳をこえた品のある方だったが、すぐ若い頃は男性にもてたのだろうなと想像した。

渥美國泰さんは知る人ぞ知る江戸絵画の蒐集家でとくに亀田鵬斎は日本では一番のコレクターといわれている。ご自宅にお邪魔したときは谷文晁や酒井抱一などもみせてもらった。

東近美にモダン感覚にあふれる日本画がある。中村岳陵(1890~1969)の‘気球揚る’、この絵はおもしろい構図になっている。洋装で着飾ったお嬢さんはオペラグラスをもっているのに気球の方をみていない。なにかとりすました感じ。一方、後ろの着物を来た女性は手に持った扇子をあげどんどん上がっていく気球にワイワイはしゃいでいる。この人物対比が画家の狙いなのだろう。

放浪の画家山下清(1922~1971)の回顧展を一度みたことがある。細かくちぎった色紙を貼って風景や草花を驚くほど緻密に表現する貼絵を存分に楽しんだ。とくに心に響いたのが画集に必ず載っている代表作の‘長岡の花火’、スーラの点描画のようにあまり絵の前に近づかないで離れてみたが、大勢の人のなかにまじってこの立派な花火をみている気分になった。スーラがこの花火をみたら裸足で逃げるにちがいない。

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コメント

いづつやさん、こんにちは。
山下清は、長岡花火と放浪のイメージが強いのですが、下町出身で上野東照宮なども描いてますね。

上野動物園 出入口、こども遊園地の横にある、甘味処 新鶯亭には、カタツムリの色紙が飾られていますよ。お団子を食べながら眺めるのが、密かな楽しみです。

投稿: みどりがめ。 | 2016.04.18 07:09

to みどりがめさん
山下清は本当に絵心がありますよね、ゴッホの絵の
模写なんてすごいです。上野動物園の近くの甘味処に
絵がありますか! いつも情報ありがとうございます。
隣の方を誘ってみます。

投稿: いづつや | 2016.04.18 23:54

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