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2016.04.18

近代日本美術の煌き! 1951年(昭和26) その一

Img_0001     橋本明治の‘赤い椅子’(東近美)

Img     伊東深水の‘三千歳’

Img_0003     小杉放菴の‘天のうづめの命’(出光美)

Img_0004     岡鹿之助の‘遊蝶花’(下関市美)

今年、東北楽天の監督に就任した梨田、現役のときは近鉄バッファローズの捕手として活躍したがその打撃スタイルはコンニャク打法といわれた。この新監督の出身は島根県の浜田市、歴史の時間軸を長くとればとるほど全国各地どこでも活躍の舞台はちがっても豊かな才能を発揮した人を輩出している。

この浜田からは日本画のビッグネームが出ている。文化勲章も受賞している橋本明治(1904~1991)、広島にいるとき幸運なことに松江の島根県美で橋本明治の生誕100年を記念した回顧展に遭遇した。そこで目を奪われたのが‘赤い椅子’、これをみて西洋画が好きな人はマティスの絵を連想するかもしれない。

モデルは新橋の有名な名妓、座っているのが椅子というのもおもしろいが強烈な印象を残すのがその色、赤い椅子というのはあまりみない。橋本は装飾的な肖像画に仕上げようと名妓が着た着物の緑の柄を引き立たせる赤を使い、モデルの美しさを見事に浮かび上がらせている。この絵は東近美が所蔵しているが、2004年にお目にかかった後、竹橋では一度もみたことはない。だから、この回顧展は貴重な体験だった。

伊東深水(1898~1972)は戦後、魅力的な美人画を次々と描きだした。モデルは同時代の女性だけでなく、想像で描いた人物もいる。三千歳(みちとせ)は江戸時代後半の遊女、これは2回みたがものすごく惹きこまれた。色の白い女性は赤がとても映えるが、横をむく遊女の姿が目にやきついている。

鏑木清方や伊東深水のような美人画を得意とした画家のほかにも女性を上手に描く画家はいる。小杉放菴(1881~1964)には魅力いっぱいの‘天のうづめの命’がある。これは漫画っぽい絵。岩に隠れた天照大御神に出てきてもらおうと楽しく踊る天のうづめの命、モデルは知っている人は知っているブギの女王、笠置しづ子。あの軽快なブギの音楽が聴こえてくる。

岡鹿之助(1898~1978)のイメージはスーラの印象と似ている。とにかく音がない感じ。灯台や館がモチーフになったものでもそう感じるのだから、雪の積もった光景はなおさら静寂さにつつまれる。‘遊蝶花’はぱっとみるとディズニーのファンタジー映画を思わせるが、手前に大きく描かれた三色菫はいたって静かに美しい花を咲かせている。

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コメント

以前にも書かせていただきましたが、私には岡鹿之助が素朴派(アンリ・ルソーは別として)と重なって見えてしまいます。

確かに点描はスーラを思わせますが、風景の雰囲気が優しく、和やかな感じがするのです。色彩も私が非常に惹かれるものがあります。

将来アートスクールに行って、素朴に(笑)油絵を描いてみたいと思っているのですが、岡鹿之助や山本丘人のような作風をまねてみたくなります。

投稿: ケンスケ | 2016.04.22 20:42

to ケンスケさん
岡鹿之助がスーラとつながるのは灯台や雪の発電所
のイメージが強いためかもしれません。素朴派の
視点は新鮮です。

友人は今、来月銀座の画廊で開く個展の準備で大忙し
です。ケンスケさんの描かれる絵を将来みさせてもら
います。

投稿: いづつや | 2016.04.23 00:38

油絵はこれまで何度か我流で試している(最後は16年くらい前)のですが、趣味になりませんでした。

前回は静物画にトライしたのですが、美術館で見る作品と比べてしまい、フラストレーションばかりが溜まりました。(笑)自分の好きなシャルダンのすばらしい色調の世界やメレンデスなどの技巧と比べてしまい、楽しめなかったのです。

将来は、ただ楽しんで描きたいと思っています。ルノワールみたいに壁に掛けて、喜びを感じられるような絵を下手でも描いてみたいです。(笑)

観賞眼のあるいづつやさんにお見せできるような絵になるかはわかりません。(笑)

投稿: ケンスケ | 2016.04.23 07:56

to ケンスケさん
私には絵を描く能力はまったくありませんから、
絵を描く人にはあこがれます。友人も長く描いている
こともありますが、だんだん画家らしくなってます。
ケンスケさんもきっといい絵が描けますよ。がんばって
下さい。

投稿: いづつや | 2016.04.24 00:54

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