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2016.03.21

お楽しみ ‘ファンタスティック 江戸絵画の夢と空想 ’!

Img         与謝蕪村の‘虎図’(1761年 府中市美)

Img_0003       英一蝶の‘かぐや姫図’(18世紀前半)

Img_0001     河鍋暁斎の‘蛙の大名行列図’(19世紀後半)

Img_0002     歌川国芳の‘道外化もの百物がたり’(19世紀前半)

府中市美でここ5年くらい毎年行われている江戸絵画展、今年の切り口は‘ファンタスティック’、ファンタスティックという言葉の響きは夢をみたり気ままに空想することそのものがエンターテイメントである、という感じ。この視点から江戸期に描かれた絵画をあらためてみてみるとどうなるか、一緒に楽しみませんかと誘ってくれるので早速足を運んだ。

この江戸絵画シリーズでいつも感心するのはどこから探してくるのかと、思わず画面に釘づけになる作品が登場すること。そのひとつが与謝蕪村(1716~1783)の‘虎図’、昨年サントリーであった‘若冲、蕪村展’にも蕪村の虎の絵が出品されたが、これはそれよりもっといい。

縦長の掛け軸にとがった岩に絡みつくような姿で現れた虎が描かれている。尻尾の形が岩の間から流れ下る渓流にそうように曲がっているのがおもしろいし、川のところどころにみられる薄青や虎の顔をアクセント的に彩るうすい朱も目に心地いい。こういう絵をみるとますます蕪村に惹かれていく。

英一蝶(1652~1724)が描いたかぐや姫にも思わず足がとまる。太い竹のそばからきれいな衣装を着たかぐや姫が昇天していく。この竹から出た吹き出しのなかに成人したかぐや姫がいるというのが意表をつく。生まれたときからすでに天に飛んでいくことが想定されているかのように一蝶は物語のはじまりと終わりを同時にみせている。

今回一番ながくみていたのが河鍋暁斎(1831~1889)の‘蛙の大名行列図’、暁斎流鳥獣戯画は原画よりもっとファンタスティック、まず魅了されるのは構図、蛙たちはむこうから大きくカーブしながらこちらにやって来る、殿様が乗った駕篭はなんと柿、なかには小さい蛙がいる。どうやら若い殿様のようだ。長槍がガマの穂だったり、担いでいる道具箱が蓮の花だったり、腹の底から笑える大名行列。これは大収穫だった。

歌川国芳(1797~1861)の展覧会が3/19からBunkamuraではじまったが、その前のちょうどいい目馴らしになったのが‘道外化もの百物がたり’、大きなつくりものの怪物‘金平’に妖怪たちは怖がって一斉に逃げようとしている。その慌てぶりのとらえかたがじつに愉快。

この展覧会はいつものように前期(3/12~4/10)と後期(4/12~5/8)で作品が全部入れ替わる。後期にも気になる絵が登場するのでまた出かけるつもり。

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