« ‘洛中洛外図屏風(舟木本)’が国宝に! | トップページ | カラヴァッジョ VS ラ・トゥール! いかさま »

2016.03.13

近代日本美術の煌き! 1945年(昭和20)

Img_0001     川合玉堂の‘早乙女’(山種美)

Img     川端龍子の‘臥龍’(大田区立龍子記念館)

Img_0004     榊原紫峰の‘白鷹’(足立美)

Img_0002    富本憲吉の‘色絵竹と菱更紗模様瓢形大壺’(富本憲吉記念館)

1945年は終戦の年、戦時中一般庶民は苦しみが多くと不安のつのる暮らしを強いられたが、芸術家にとっても創作活動は思うようにいかず経済的にも精神的にも不安定な日々を送らざるをえなかった。その戦争がようやく終わった。

川合玉堂(1873~1957)はこの年72歳、山種美にいい絵がある。それは田植えの光景を描いた‘早乙女’、今ではこういう田植えのやり方をみることはないのですごくノスタルジックな気持ちになる。手を止めて立ち姿になり疲れた腰をすこし休めている農婦の姿がじつにいい。西洋画に同じような感情をいだかせる絵がある。そう、ブリューゲル、この絵をみるたび川合玉堂は日本のブリューゲルに思えてくる。

川端龍子(1885~1966)が主宰する青龍社は敗戦の年も活動を続けており、‘臥龍’は敗戦のあと新たに構想を練って描いたもの。龍によって新しい時代を生き抜こうとする龍子の心のうちを表現したのだろうか。

島根県安来市にある足立美は山陰観光では欠かせない有名で美術館で駐車場はいつも大型バスが数多く並んでいる。その絵画コレクションで一番の自慢は横山大観、そしてほかにも目を奪われる名作がいくつもある。榊原紫峰(1887~1971)の‘白鷹’もその一枚。鋭い目をした鷹の存在をひときわ浮かび上がらせる巧みな構図に強く魅了される。

富本憲吉(1886~1963)がこの年に制作した瓢箪型の壺は絶品。その明るい色合いで空をリズミカルに飛翔するような模様の流れが心をぐーんと軽くしてくれる。いつもいい気持でながめている。

|

« ‘洛中洛外図屏風(舟木本)’が国宝に! | トップページ | カラヴァッジョ VS ラ・トゥール! いかさま »

コメント

山種美術館は、私には便利な場所にあるのでよく行きます。数々の川合玉堂の所蔵作品の中でも、風景よりも人間が主役の『早乙女』は、他の玉堂作品にはない魅力がありますね!

色づかいも清澄で、玉堂がよく描いた、靄がかかったような湿気のある大気とはまた違う清々しさがいいです。かなり高い位置からの視点も新鮮ですね。

投稿: ケンスケ | 2016.03.15 21:30

to ケンスケさん
終戦の年に、川合玉堂のこんなのどかな絵があり
ました。こういう俯瞰の視点から画面を構成する
アイデアが並の画家とは一味も二味もちがうところ
ですね。

色使いと構図は天性のものだとよくいいますが、
この絵をみるとよくわかります。

投稿: いづつや | 2016.03.16 00:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 近代日本美術の煌き! 1945年(昭和20):

« ‘洛中洛外図屏風(舟木本)’が国宝に! | トップページ | カラヴァッジョ VS ラ・トゥール! いかさま »