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2016.03.12

‘洛中洛外図屏風(舟木本)’が国宝に!

Img_0003       ‘洛中洛外図屏風(舟木本)’(部分 17世紀前半 東博)

Img_0001     ‘遊女たちの踊り’

Img     福田平八郎の‘漣’(1932年 大阪新美建設準備室)

東博で定期的に展示される‘洛中洛外図屏風(舟木本)’が重文から国宝に格上げされることになった。これを描いた岩佐又兵衛(1578~1650)の作品が国宝に指定されるのははじめてのこと。

この決定はちょっと意外だった。いくつかある洛中洛外図では米沢市にある狩野永徳が描いた‘上杉本’が国宝としてでんと存在しているので、新たに‘舟木本’が国宝になることは頭のどこにもなかった。でも、考えてみればこれが国宝とよばれてもなんら違和感はない。上杉本同様、画面には都に暮らす人々の様子が生き生きと描かれており、時代の空気や都の喧噪を伝える風俗画の魅力が十二分に味わえる。

10年くらい前、東博にこの屏風が展示されたとき3回くらい通って、描かれている場面と格闘した。手に持っているのは小学館から刊行されている‘アートセレクション 洛中洛外図屏風(舟木本)’(奥平俊六著 2001年)、この本で解説されている箇所を全部つきとめようというのである。

これ、じっさいやってみると大変、画面全体が明るくないのとなにしろ2728人が登場するので場面々をひとつひとつみていくのは本当にくたびれる。粘り強く単眼鏡で屏風の端から端までなめまわして吹き出しのついた場面をひとつ残らず確認した。時間がかかった分だけ、この洛中洛外図屏風を徹底的に楽しみ腹の底から笑った。これは一生忘れられない鑑賞体験。なかでも一番魅了されるのが遊女が踊っている場面、この軽さ、明るさ、ライブ感覚、まさにこれぞ風俗画!という感じ。

新たに重文に指定されたもののなかに福田平八郎(1892~1974)の‘漣(さざなみ)’があった。これからはこの年代の画家たちの作品にスポットが当たってくるのかもしれない。

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コメント

いまいち自分の鑑賞基準が決められない時、頼りになるのは、国宝・重文などの指定です。とにかく多くの審査に耐え抜いた何かが、あると信じて不勉強と時間節約を意識して 無駄なく、無理なく、むらあり でなるべく拝観するようにしておりますが・・・・、指定前に2728人を単眼鏡での御観察!・・・・。オーバーでごめんなさい、御尊敬に値します・・・。

投稿: Baroque | 2016.03.13 02:25

to Baroqueさん
洛中洛外図にはこんな体験がありますので、今は
詳細にみることはありません。風俗画はおもしろ
いのですが、洛中洛外図になると画面が小さい
ため疲れるという思いが先に立ちパスすることが
多くなりました。

舟木本が国宝になっても以前の鑑賞の仕方には
戻りません。お気に入りの場面をピックアップして
楽しみつもりです。

投稿: いづつや | 2016.03.13 20:43

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