近代日本美術の煌き! 1944年(昭和19)
10年前、松田権六(1896~1986)の回顧展が東近美の工芸館で開催された。漆芸の世界で松田権六は神様みたいな存在、次から次と目の前の現れる名作にしびれっぱなしだった。そのなかで心をとらえて離さないのが‘蓬莱之棚’。
この作品には琳派の雰囲気が満ち満ちており、その華麗な装飾美はワシントンのフリーア美で昨年12月みた尾形光琳の‘群鶴図屏風’に通じるところがある。権六は宗達や光琳が描いた意匠化された鶴を意識したのかもしれない。過去3度お目にかかったが、この鶴たちにまた会えると嬉しいのだが。
北大路魯山人(1883~1959)のやきのもで見ごたえのある大鉢がある。それは桜と楓をモチーフにした雲錦鉢とよばれるもの。‘朝桜夕楓鉢’はそのひとつ、ながめていると尾形乾山の.‘色絵紅葉図透彫反鉢’が自然とダブってくる。
国吉康雄(1889~1953)は岡山出身の画家だが17歳のときに渡ったアメリカで認められた画家。一度は回顧展に遭遇したいと願っているがまだ縁がない。そのためこれまでみた作品は片手くらいしかない。‘夜明けが来る’は絵の解説を読まなければパスキンの絵かなとつい思ってしまう。背景がないので女性の存在感を強く感じてしまう。
靉光(1907~1964)は平山郁夫や奥田元宋など高い人気を誇る日本画家がでた広島県の出身。広島にいたとき県立美術館で東近美にある肖像画とは別ヴァージョンの自画像をよくみていた。反骨精神をイメージさせる顔つきが目に焼きついている。
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