近代日本美術の煌き! 1935年(昭和10) その二
藤島武二(1867~1943)が晩年に描いた風景画、これまでみたのはブリジストン美のコレクションが多いが、好みは半分々といったところ。それはモネの‘印象 日の出’風のところがあるから。筆致がモネに似ているのなら、モネで十分という気持ちがあるため武二の海景画に心はあまり動かない。
だが、例外が一枚ある。それは泉屋博古館分館でお目にかかった‘室戸遠望’、じぐざく線をひきながら上のほうにむかっていく褐色の岩と輝く白い波を浮かび上がらせる紺碧の海が目にとびこんできて画面にぐぐっと引き込まれた。
岡鹿之助(1898~1978)の作品からうけるイメージは点描画のスーラ、たくさん描いた雪の絵からは音が聞こえてこず静寂な世界によって心が浄化されていくような気になる。2008年、ブリジストン美で行われた回顧展を体験するまで、岡鹿之助にはあまり縁がなかった。だから、ひろしま美でみた‘積雪’が鹿之助への興味の扉を開いてくれた。
昨年は幸運なことに赤坂の迎賓館のなかに入ることができた。このツキに乗じて今度は皇居の一般公開に応募しようと思っている。果たして? まったく不慣れな迎賓館、そのまま館を出て藤田嗣治が銀座の洋菓子店コロンバンのために描いた壁画‘母と子’、‘天使と女性’を見逃すところだった。足が止まったのはミューズのはからいのおかげ。そうそう、ここに藤田の絵があったんだ、と思い出ししばらくみていた。
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コメント
岡鹿之助の『積雪』、すごくいいですね。私には馴染みのない画家ですが、点描というだけでなく、グランマ―モーゼスを彷彿とさせるような素朴派的な風景描写にとても惹かれます!
次回回顧展があったらぜひ見てみたいと思います。
迎賓館にある藤田嗣治の『銀座コロンバン壁画 母と子』は、ややヴァトー風ですね。藤田嗣治は幅広い作風ですが、ロココ絵画にも関心があったのでしょうか。
投稿: ケンスケ | 2016.02.13 22:54
to ケンスケさん
岡鹿之助にグランマモーゼスを感じますか。それは
気がつきませんでした。鹿之助は灯台などをよく
描いてますからホッパーとも重なります。やはり
ビッグな存在ですね。
藤田はルーブルへ通って名画をじっくりみたといい
ますから、ヴァトーの雅宴画やブーシェ、フラゴ
ナールを意識してこの壁画を描いたのでしょうね。
投稿: いづつや | 2016.02.13 23:53