ボスの没後500年を記念した大規模回顧展!
‘守銭奴の死’(1500~10年 ワシントンナショナルギャラリー)
‘この人を見よ’(1486~1505年、フィラデルフィア美)
昨年12月、フィラデルフィア美でボス(1453~1516)の絵を‘この人を見よ’など3点みた。このとき目に力を入れてみたのは今年の2月からボスの生まれたオランダ南部、スヘルトーヘンボス市で没後500年を記念した大回顧展(2/13~5/8)が開催されることを知っていたから。今回はローマであったカラヴァッジョ展のときのような特別鑑賞旅行は叶わないのでここでボスの世界を楽しもうという思いだった。
このボス展には1/31まで三菱一号館美で展示されていた‘愚者の石の切除’(プラド美)、‘愚者の船’(ルーヴル美)、‘守銭奴の死’(ワシントンナショナルギャラリー)などボス本に載っている有名な作品が数多く出品されるようだ。会期中は大勢のボスファンがこの街に押し寄せるにちがいない。
2014年10月に発行された‘芸術新潮’のボス特集号で最新のボス研究の成果や作品が掲載されている。この本によるとボスの真筆は20点という。また、興味深い話もでてくる。アメリカにある‘守銭奴の死’と‘快楽と大食の寓意’、そして‘愚者の船’は今は別々の美術館にあるが、もともとは同じ祭壇画を構成する作品だったらしい。
このことは2003年の2月に放送された日曜美術館のなかで平岡いう女性のボス研究者が解説してくれた。そこでは中央のパネルの‘カナの婚礼’(ロッテルダム ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美)については真筆かどうかはふれられていなかったが、‘芸術新潮’ではボスのオリジナル作品は現存せず後世の画家による模写とされている。
‘快楽と大食の寓意’を所蔵するイエール大美にはゴッホの‘夜のカフェ’もある。ニューヘブンはNYからだと簡単に行けそうなのでまた東海岸を旅行することがあったら、真っ先にめざしたい。
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コメント
芸術新潮では、ボスの真作が20点とされていましたが、今オランダの研究者たちがボスの真作をさらに絞っているようです。
2点が真作リストから外される可能性があるそうです。そのうち1点はなんと『七つの大罪(プラド)』だそうです!
もう1点は、ベルギー、ヘント(ゲント)の美術館にある『十字架を担うキリスト』だそうです。
しかしボスの真作がどんどん絞られていくと希少価値はレオナルド・ダ・ヴィンチ並みになってしまいますね。なんだか寂しい気もしないではありません。
なお今年は、プラドでもボスの主要作が集結する大回顧展があるようですよ。
投稿: ケンスケ | 2016.02.05 22:46
to ケンスケさん
コメントがスパムのところに隠れていました。
ボスの回顧展をみたいのですが、ワシントンにまた
連れていきました隣の方が次はここと言ってる
ものですからスヘルトーへンボスはあきらめざる
をえません。
真作の数はまだ減りますか、フィラデルフィア美
の‘この人を見よ’もそうですが、人物表現が激し
いものはどうも工房作か追随者の手になるような気
がします。
プラドで回顧展があるのはビッグニュースですね。
‘快楽の園’がありますから大変な賑わいになりそう
ですね。行きたくなります。
投稿: いづつや | 2016.02.07 11:45
ネットで見つけたのですが、今月アメリカでボスの真作が発見されたそうです!! こちらは真贋を厳しく選定している専門の鑑定チームが認めたらしいので、信憑性があります。大ニュースですね。
http://nykawa.blogspot.jp/2016/02/blog-post.html
いづつやさんのおっしゃる通り人物表現の地味な作品ですが、派手でない、こういう作品の方が真作なのでしょう。
投稿: ケンスケ | 2016.02.07 12:24
失礼しました。
以下のURLをご覧ください。
http://nykanwa.blogspot.jp/2016/02/blog-post.html
投稿: ケンスケ | 2016.02.07 12:27
to ケンスケさん
ボスの真筆がアメリカの美術館にあるとは驚きます。
アメリカは広いし、資金力のあるコレクターがたく
さんいますから人気の画家の作品が集まりますね。
みたくなりました。情報ありがとうございます。
投稿: いづつや | 2016.02.07 21:04