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2016.02.25

予想を大きく上回る‘ボッテイチェリ展’!

Img  ‘書物の聖母’(1482~83年 ミラノ ポリデイ・ベッツォーリ美)

Img_0001     ‘美しきシモネッタの肖像’(1480~45年 丸紅)

Img_0002  ‘ラーマ家の東方三博士の礼拝’(1475~76年 ウフィツイ美)

Img_0003  ‘オリーブ園の祈り’(1495~1500年 グラナダ 王室礼拝堂)

現在、上野の東京都美で開催中の‘ボッティチェリ展’(1/16~4/3)をみてきた。昨年3月、Bunkamuraで充実した内容のボッテイチェリ展が行われてまだ1年も経っていないのに、またまたボッテイチェリ(1444~1510)、これほどルネサンスのビッグネームの作品が集中して公開されるのだからたまらない。

今回東京都美に集結したボッテイチェリは予想を大きく上回った。美術本に載っている作品がここにもあそこにもあるという感じ。このラインナップならルーヴルやロンドンのナショナルギャラリーなどで開かれる一級のルネサンス展と較べても見劣りしない、ヒットを打ち続ける東京都美のどや顔が目に浮かぶ大ホームランといったところ。

ボッテイチェリの真筆は17点、そのなかで群を抜いてすばらしいのがミラノのポリデイ・ベッツォーリ美からやって来た‘書物の聖母’、絵のサイズは意外にもあまり大きくない。聖母子像の完成度でいえばウフィツイにある‘柘榴の聖母’、‘マ二フィカトの聖母’と同じクラス、チラシの‘待望の初来日’のキャッチコピーは見た瞬間納得、深い青の衣装と惜しげもなく使われた金を立ち尽くしてみていた。

男女の肖像画で魅了されるのが丸紅が所蔵する‘美しきシモネッタの肖像’、お目にかかるのはたしか2度目、これは日本にある古典画では大原にあるグレコの‘受胎告知’同様、お宝扱いの作品。ほかにもフィレンツェのピティ宮殿蔵の左向きのシミネッタと‘マッツォッキオをかぶった若い男の肖像’、そしてワシントンのナショナルギャラリーから出品された‘胸に手をあてた若い男の肖像’(展示は25日で終了)も飾られている。もう,頭がクラクラしそう。

フィレンツからよくこんないい絵がやって来たなと思うのが、ボッテイチェリ本には必ず絵のなかに描きこまれた自画像のことが解説されている‘ラーマ家の東方三博士の礼拝’、絵解きが興味をそそる晩年の作‘アペレスの誹謗’、そしてオンニ・サンテイ聖堂に飾られている大作‘書斎の聖アウグステイヌス’。よくぞお出ましいただきました!

今回未見の作品で収穫だったのが衣服の赤と緑の草木の鮮やかなコントラストが目にしみる‘オリーブ園の祈り’、スペインのグラナダにあるのでどうみても縁がないと思っていたら、目の前にひょいと現れた。なんという幸運。

見どころはボッテイチェリだが、師匠のリッピやその息子のフィリッピーノの作品にも目を惹くのがあり、本当に贅沢な展覧会、東京都美に拍手々!

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コメント

いづつやさん、おはようございます。

先日の『ぶらぶら美術博物館』を録画し忘れて、ショックだったのですが。
まさか、限定公開があったなんて。更にダメージです。(涙)
前売りは買っているので、観に行ったら改めて書き込みしますね。

投稿: みどりがめ。 | 2016.02.26 05:18

to みどりがめさん
これほどボッティチェリが来ているとは想定し
てませんでした。日本で開催されたルネサンス展
ではまちがいなく一番です。

ウフィッツイ、ルーヴル、オルセーは本当に太っ腹
ですね、名画を次々と公開してくれます。ウフィ
ッツイは3/1からはじまるカラヴァッジョ展にも
バッカスを出品してくれます。展覧会は量より質で
すからこういうブランド美術館の作品が集まると
ワクワクします。どうかお楽しみ下さい。

投稿: いづつや | 2016.02.26 09:37

実は、もう二度行ってしまいました。イタリアの国際ゴシック様式と初期ルネサンス絵画は、私には盛期ルネサンス絵画以上に魅力的です。

欧米から作品を借りると日本の美術館はレンタル料を相当払うそうですが、『ラ―マ家の東方三博士の礼拝』や『アぺレスの誹謗』など重要な作品を日本で見られる機会は本当にありがたいです。

『書物の聖母』は初めて見ましたが息をのみました。高価なラピスラズリの青とふんだんな金箔の使用は、重要な注文の証だそうです。おっしゃるように『マニフィカートの聖母』や『柘榴の聖母』級のすばらしさだと思います。

『美しきシモネッタの肖像』は、日本にあるのが奇跡のような一枚ですね。線描の美しさに感嘆しました。

グラナダには30年前に一度行って、王室礼拝堂で『オリーブ園の祈り』を見ましたが、その当時は色がくすんでいました。最近、洗浄修復を受けたようで、色の美しさ、そして遠近法の点で前時代に逆戻りしてしまったようなプリミティブな雰囲気に大変魅力を感じます。

投稿: ケンスケ | 2016.02.26 20:52

to ケンスケさん
豪華な作品を前にちょっと興奮しました。フィレ
ンツェの美術館や聖堂にあるボッティチェリは
今回の展示でかなりの数が日本で公開されたとこ
になるのではないでしょうか。

なかでもボッティチェリの聖地でもあるウフィツイ
美蔵の作品は絶対外には貸し出されない‘ヴィーナス
の誕生’、‘春’、‘柘榴の聖母’、‘マニフィカトの
聖母’のビッグ4以外はほとんどやって来たような気
がします。ありがたいですね。

グラナダで‘オリーブ園の祈り’をみられましたか!
それはすごいですね。色が明るいのでびっくりしま
した。大きな収穫です。

投稿: いづつや | 2016.02.27 00:58

いづつやさん、こんにちは。やっと観てきました。

大混雑で、作品に近付くのも苦労しましたが「書物の聖母」の鮮やかな青と金、それはそれは美しい色でした。

作品をまとめて観られたので、ボッティチェリ独特の真似が出来ない描き方を知ることが出来ました。来日が叶わない作品も、今回観た作品も いつか現地で観ることが出来たらな、と思います。

投稿: みどりがめ。 | 2016.04.04 02:42

to みどりがめさん
書物の聖母がびっくりするほどのいいですね。
こんなすばらしいボッティチェリが日本でみれる
のですから夢のようです。ボッテイチェリの美の
世界がいい気持にさせてくれる、なんとも幸せな
ことですね。もっともっと見たくなります。

投稿: いづつや | 2016.04.05 00:03

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