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2016.02.13

近代日本美術の煌き! 1936年(昭和11) その二

Img_0001     山本丘人の‘海の微風’(豊田市美)

Img_0003     高山辰雄の‘砂丘’(東芸大美)

Img_0002     松本竣介の‘都会’

Img     福沢一郎の‘牛’(東近美)

明治以降の日本画においては西洋画の表現方法が入り込んでくるため、日本画にもいろんなヴァリエーションがでてくる。まるで西洋画とかわらない作品が生まれ、典型的な日本画というのは数が少なくなる。

山本丘人(1900~1986)は初期のころは琳派風で装飾的な作風が多いが、画業を重ねていくうちに絵のイメージが一変し鋭角的な山肌や荒々しい海の景色など画面に緊張感をはらんだ西洋画的な作品に変化していく。‘海の微風’は丘人36歳のときの作品でタイトルそのままの穏やかで日本画らしい
作品。

高山辰雄(1912~2007)も日本画の枠におさまりきらない画家のひとり。東芸大にある‘砂丘’は肖像画としては意表をつく視点で描かれている。女学生を砂丘に座らせて自分は工事用のクレーンかなにかに乗ってそこから見下ろすかたちで全身を描く。こいういう発想はなかなか思いつかない。何にヒントを得たのだろうか?

36歳の若さで夭逝した松本竣介(1912~1948)には気になる作品が2,3枚ある。‘都会’は一度みたら忘れられない作品、目にやきつくのが背景の青から浮かび出る赤一色で描かれた女性、この色使いはシャガールを思い起こさせ人物や建物の角々した描写はドイツのグロスの画風と重なる。

東近美で福沢一郎(1898~1992)の‘牛’は定番の作品。はじめてお目にかかったときはすぐスペインの闘牛が頭に浮かんだ。狩野永徳の‘唐獅子図’もちらっと眼の前をよぎるが、やはりパワフルな闘う牛のイメージ。福沢は闘牛をモチーフにして描いたピカソを意識したのだろうか。

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コメント

山本丘人の『海の微風』、一目見て虜になりました。山本丘人の作品は東京国立近代美術館で数点しか見たことがありません。それも『夕焼山水』のような装飾的なものだけなので、『海の微風』のようなしっとりした情景は初めてでした。

青や緑の支配的な色調の中に薄い紫や白が映えていますね! 私は絵を見る時、構図よりもまず色彩に目が行くので、色のハーモニーのある、こうした作品にもっとも惹かれます。

おっしゃるように高山辰雄の高みからの視点は、面白いです。同時に砂丘の波模様が強い印象を残します。右上と左上の草の描写も絵を額のように縁取っていて、効果的だと思います。

投稿: ケンスケ | 2016.02.14 22:10

to ケンスケさん
山本丘人は画風の幅が広い画家ですね。若い頃は
とてもやわらかくて装飾的です。‘海の微風’は
リラックスして楽しめるところに惹かれます。

高山辰雄の絵は砂の模様が絵にリズムを与えて
ますね。写真だとこういうアングルではとりに
くいですが、絵画ではしっかり作品になります。

投稿: いづつや | 2016.02.15 01:08

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