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2016.01.16

心を奪われるサージェント、カサット!

Img_0004   サージェントの‘エドワード・D・ボイドの娘たち’(1882年)

Img_0002     サージェントの‘ヘレン・シアーズ’(1895年)

Img_0001     サージェントの‘チャールズ・インチェ夫人’(1887年)

Img     カサットの‘オペラ座の黒衣の婦人’(1879年)

2013年にアメリカの美術館をまわったとき、サージェント(1856~1925)のいい女性肖像画をたくさん見た。ワシントンでははじめて訪問したコーコラン美、ナショナルギャラリー、次がフィラデルフィア美、そしてNYのメトロポリタン美、その数全部で15点、アメリカ人画家ではオキーフと並んで最も多かった。

今回はフィラデルフィアとメトロポリタンではアメリカ絵画の展示室をパスしたので、サージェントを楽しめたのはボストン美のみ。入館して、集合場所と時間を確認すると急いで5年前にできたアメリカ館にむかった。サージェントの代表作で美術館案内図の表紙にも使われている‘エドワード・D・ボイドの娘たち’が飾ってあるのは2階の232室。

ありました、ありました!2008年はアメリカ館を建設中のため会えなかったので1993年以来の対面。とても大きな絵で2.21mの正方形の画面、絵の前はちょっとした演出がされている。絵のなかに巨大な中国陶磁の壺が2つ描き込まれているが、絵の左右に同じくらいの大きさの壺が置いてある。

スペイン絵画が好きな人ならこの絵をみてぴんとくるものがあるかもしれない。そう、サージェントは23歳のときマドリードのプラド美を訪問し、あの有名なベラスケスの‘ラス・メニーナス’を模写している。2年後に‘ラス・メニーナス’の構成を意識して描いたのがこの作品。

4人の娘のなかで愛らしいのが人形をもって座っている4歳のジュリア、この子が‘ラス・メニーナス’の主役王女マルガリータに見立てられている。大人になったらどれほどの美貌になるのかと思わせるのが左に立っているメアリー、この子は8歳。左から入ってくる光はこの2人を強く照らしているので、後ろにいる2人のお姉ちゃんはぶが悪く印象がうすい。またこの傑作に会えたことを心から喜んでいる。

今回サプライズの絵が2点あった。濃いえんじ色のドレスが白い肌をひきたてている‘チャールズ・インチェ夫人’と女の子が着ている服と部屋に飾られた花の白が発光体のように輝いている‘ヘレン・シアーズ’、このヘレンちゃんには思わず、‘うわー、こんないい絵があったのか!’と唸ってしまった。

もうひとつの感動はカサット(1844~1926)の‘オペラ座の黒衣の婦人’、絵の存在を知ってからずいぶんな時が経つがやっとみれた。これは想像以上の傑作、これまでワシントンのナショナルギャラリー、フィラデルフィア美、シカゴ美、オルセーなどでカサットの絵を見たが、絵の魅力はこれが一番。この絵がカサットの代表作であることはまちがいない。

日本でボストン美展は何回も開かれているのにこの絵がどうしてもやって来なかった理由が今わかった。いい絵だから出したくないのである。サージェントの‘娘たち’、ゴッホの‘郵便配達夫ルーラン’と同様別格扱いになっているのだろう。だが、今年ようやく日本に貸し出される。横浜美で行われる‘カサット展’(6/25~9/11)、再会するのが楽しみ。

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