7年ぶりのボストン美!
グエルチーノの‘バビロンの反乱を知らされるセミラミス女王’(1624年)
7年ぶりに訪問したボストン美、今回は2010年秋に完成したガラス張りの新館、アメリカ館に展示してある作品をみるのは一番の目的だった。館内にいる時間は1時間半、まずここをしっかりみて残った時間を古典絵画や印象派にあてた。目を楽しませてくれた作品を古い時代のものから紹介したい。
2階の古代美術コーナーで熱心に探したのが大理石彫刻の‘アフロディテ’、この胸像の存在を知ったのは2008年4月に発行された‘芸術新潮 ヴィーナス100選’。プラクシテレスか弟子が制作したとされる貴重なオリジナル彫刻と解説されているので、いつかボストンで対面しようと思っていた。
たしかこの雑誌がでる前に名古屋のボストン美で展示されたが、これほど有名な彫刻とは知らなかったので名古屋へ出向くこともなかった。そのリカバリーがやっと実現した。100選の寸評に‘ヴィーナスを顔で選べばこれが世界一!’とあるので目をかっと開いてみたが、期待通りの美しいヴィーナスだった。
ルネッサンス絵画が並んでいる部屋を軽くみながら進んでいたらボッティチェリ(1445~1510)の‘聖母子と洗礼者聖ヨハネ’は突然現れた。これは美術館の図録(英文 ハードカバー)に載ってないのでびっくりした。なにか得した気分。
事前につくった必見リストにあげていたグエルチーノ(1591~1666)の‘バビロンの反乱を知らされるセミラミス女王’は運よくみることができた。この絵が飾ってある大きな部屋は過去2回ぐるっとみたが、グエルチーノはかすりもしなかった。だが、今回は昨年回顧展を体験したから見逃さないようにした。この‘セミラミス女王’はメトロポリタン美でみたサムソン同様、カラヴァッジョ的な描き方が強く見られぐっときた。グエルチーノはアメリカで評価をちょっと戻した感じ。
マーチン(1789~1854)の‘エジプトの7番目の呪い’は思わず見入ってしまう絵。前回も心を奪われたその壮大な光景を息を呑んでみていた。
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