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2016.01.31

エルミタージュ美が所蔵する極上のゴーギャンコレクション!

Img_0003     ‘果実を持つ女’(1893年)

Img_0001     ‘噂話’(1891年)

Img     ‘丸木船’(1896年)

Img_0002     ‘椅子の上のひまわり’(1901年)

20日から国立新美ではじまった‘大原美展’(4/4まで)、広島にいたときはよく足を運び名画一点々に思い出のつまった美術館なので、その作品をまたみれる機会がやって来たのはとても嬉しい。今、関心の高いゴーギャン(1848~1903)のあの名画‘かぐわしき大地’ももちろん展示されている。もう少しすると対面できそう。

ゴーギャンが特別好きでない美術ファンでも‘かぐわしき大地’がゴーギャンの画集を発行するとなると欠かせない作品であること承知しているだろう。2011年、テートモダンのあとワシントンのショナルギャラリーでも開催された‘ゴーギャン展’にはこの絵ははかの傑作と一緒に展示された。そんな重要な絵が日本にあるのはちょっと誇らしい気分。

名画をみるときのわくわく感が連続しておきるのがエルミタージュにあるゴーギャンコレクション。1999年はじめてここを訪れたとき強い衝撃をうけたのが‘果実を持つ女’、この絵がゴーギャンに最接近させる一枚になった。人物を巧みに配置する秀逸な構図、赤と橙色を基調とした印象的な色使い、もう完璧な絵といっていい。

この絵にあまりに満足してしまって、じつは部屋に飾ってあったゴーギャンの作品の半分は記憶から消えている。全部で10点くらいでていたなかに画集に載っている‘噂話’、‘丸木船’、‘椅子の上のひまわり’も含まれていたはずだがみたという実感がない。

だから、再度エルミタージュを訪れることになったらこうした絵をしっかり目に焼きつけるつもり。西洋絵画ではこことプーシキン、そしてコペンハーゲンでゴーギャンをみるのが当面の目標、ミューズが早く微笑んでくれるよう祈っている。

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2016.01.30

鑑賞欲を掻き立てるプーシキンの印象派コレクション!

Img     ゴーギャンの‘アルルのカフェ’(1888年)

Img_0003     ゴーギャンの‘マンゴーとタヒチの女’(1896年)

Img_0002 セザンヌの‘レ・ローヴからみたサント・ヴィクトワール山’(1906年)

Img_0001     モネの‘キャピュシーヌ大通り’(1873年)

誰だってできることなら好きなことに没頭したい。今は美術鑑賞に生きるエネルギーの大半を注ぎこんでいるので、ゴッホの絵は次はこれ、ゴーギャンはあの絵と鑑賞の算段だけはつぎつぎと浮かんでくる。でも、実際の行動計画となると思い通りには進まない。

こういうとき心でこうつぶやく、‘美術とのつきあいは長期戦、健康で長生きできることをミューズにお願いしておこう’、わが家のワールドミュージアムツアーは第四コーナーをまわったところ。かつては遠い存在だったフィラデルフィア美をここ数年のうちに運よく2回も訪問できセザンヌやダリ、デュシャンの作品も予定通りリカバリーした。

さて最後の直線コースにあるビッグな美術館はモスクワにあるプーシキン美、ここはアメリカのブランド美術館同様、好きな印象派やポスト印象派の名画をたくさん所蔵している。その世界的に有名なシチューキンとモロゾフが蒐集した名画の数々の一部はこれまで日本で2回公開された。そのなかで最も印象深いのがゴーギャン(1848~1903)、2013年横浜美にやって来た‘働くなかれ’を立ち尽くしてみていた。

プーシキンにはゴーギャンのいい作品がまだ数点残っている。みたくてたまらないのは‘アルルのカフェ’と‘マンゴーとタヒチの女’、アルルで一緒に住んでいたゴッホとゴーギャンはともにカフェの女主人、ジヌーを描いている。ジヌーは一人なのに別人のような印象を受けるのがおもしろい。

そして、目力がすごい女に思わず体がフリーズしてしまう‘マンゴとタヒチの女’も魅力いっぱい。このところゴーギャンの画集をみるたびに史上最高額の360億円で落札された‘いつ結婚するの’が頭にチラついてくる。このタヒチの女も傑作、もし売りに出されたらならこの金額をこえるだろか?そんなことを想像しながら1点〃みている。

ゴーギャンのほかにも狙っている作品がぞろぞろある。モネ(1840~1926)の‘キャピュシーヌ通り’やセザンヌ(1839~1906)のサンク・ヴィクトワール山シリーズの一枚と‘マルデイ・グラ’、展示室のイメージとしては画集に載っていない絵が部屋をまわるたびにでてくる感じ。フィラデルフィアの次はプーシキンということは隣の方も大筋了承している。あとは順番待ち。

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2016.01.29

ヘルシンキ、ストックホルムにある気になる絵!

Img  シャガールの‘横顔のダヴィッド’(1914年 フィンランド国立美)

Img_0002     クールベの‘ジョーの肖像’(1866年 ストックホルム国立美)

Img_0001ルノワールの‘ラ・グルヌイエール’(1869年 ストックホルム国立美)

海外旅行はほとんど旅行会社の団体ツアー、美術館を訪問することに狙いを絞るなら個人でプランを立てて出かけるほうがより楽しめるのかもしれないが、今は団体ツアーを選択している。理由は単純で添乗員さんにガイダンスをしてもらって動くほうがなにかと楽だから。

旅行会社が企画する周遊プランのなかには自由行動がくみこまれているものもある。われわれのように美術鑑賞をメインの楽しみにしている者にとって、この自由時間が多くあるコースは大きな魅力。北欧周遊プランに参加するのはノルウエーのフィヨルドをみて、オスロでムンクの‘叫び’と対面するため。この願いはこのコースに集まる旅行好きとだいたいのところ共通しているかもしれない。

旅行期間中、動き方に違いがでるのは自由行動のとき、われわれはストックホルム、ヘルシンキ、オスロ、コペンハーゲン全部についている自由行動では名所観光に出かけたりやショッピングはせず、ひたすら美術館をめざす。

フィンランドのヘルシンキへは一度行ったことがある。ただしそれは短時間いただけ。サンクトペテルブルクから日本へ帰るときトランジットの時間が相当あったので添乗員さんが空港を離れ海の近くのマーケットへ連れて行ってくれた。

ツアーでまわる街のひとつヘルシンキ、どんな観光になるのかまだイメージできないが、自由行動で期待しているのはフィンランド国立美にあるシャガール(1887~1985)の‘横顔のダヴィッド’、肺病の弟がマンドリンを爪弾く姿がマティス風の色使いで描かれている。この絵の存在を知って10数年経つが、鑑賞の時が近づいてきた。

作品の情報が少ないフィンランド国立美に対し、ストックホルム国立美のコレクションは美術本にいくつか載っている。ここにはお目にかかったことのあるクールベ(1819~1877)の‘ジョーの肖像’やモネの作品と一緒に並べられることの多いルノワール(1841~1919)の‘ラ・グルヌイエール’、そしてセザンヌ、ロココ絵画のブーシェなど。

新しい美術館の扉を開けるのはいつだって楽しい。サプライズの絵が現われるにちがいない。

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2016.01.28

コペンハーゲンにあるゴーギャン!

Img      ‘花を持つ女’(1891年 ヌ・カルスバーグ美)

Img_0002     ‘くつろぐタヒチの女’(1894年 ヌ・カルスバーグ美)

Img_0003     ‘若い婦人の肖像’(1896年 国立オードロップゴー美)

海外の美術館をみてまわったあとは西洋絵画が数ヶ月にわたって心のなかにどーんと入りこんでくる。お気に入りの画家で今関心の波のサイクルが上向きのステージにあるのがゴーギャン(1848~1903)。

そのきっかけとなっているのはメトロポリタンで新規の作品を3点みたこととワシントンのフィリップスコレクションで昨年5月360億円で落札された‘いつ結婚するの’(1892年)が1/10まで出品されていたという情報。とくに360億円の値段がついた話はマグニチュード7くらいの衝撃波となって心を揺さぶっている。

そのため、ゴーギャンの追っかけに火がついた。狙っている都市は北欧のコペンハーゲンとモスクワ、コペンハーゲンはゴーギャンが結婚した女性の出身地、そのためこの街の美術館にはゴーギャンの作品がいくつもある。そのひとつが昨年汐留ミュージアムに所蔵コレクションが出品されたヌ・カルスバーグ美。画集によく載っている‘花を持つ女’や2010年テートモダンで開かれたゴーギャン展で展示された‘くつろぐタヒチの女’などがある。

そして、国立オードロップゴー美にはこれをゴーギャンが描いたの?と思ってしまうほどの魅力的な作品がある。日本に20年くらい前やって来た‘若い婦人の肖像’、この絵の前で立ち尽くしてみたのを今でもよく覚えている。
具体的に目星をつけているA社の‘北欧4ヵ国周遊’に参加するとコペンハーゲンで1時間の自由行動がある。このときヌ・カルスバーグ美へ飛び込み‘花を持つ女’と対面するという作戦。

もう一つ、2度目となるモスクワ旅行でお楽しみはプーシキン美、印象派やポスト印象派の質の高いコレクションで有名なプーシキンは最後に残ったブランド美術館。ここには鑑賞欲を強く刺激するゴーギャン、セザンヌがある。なんとしても実現したい。

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2016.01.27

日本で開催されるのを夢見ている‘ボルチモア美展’!

Img    ゴーギャンの‘マンゴーを持つ女’(1892年 ボルチモア美)

Img_0001     ゴーギャンの‘チェロ奏者’(1894年 ボルチモア美)

Img_0003     ゴーギャンの‘マリー・デリアンの肖像’(1890年 シカゴ美)

昨日ふれたようにデトロイト美の絵画コレクションが秋に公開される。以前古本屋で‘デトロイト美展’とタイトルのついた図録をみたことがあるから、この美術館の所蔵品が披露されるのは2度目かもしれない。

これまで体験したアメリカの美術館展をざっとあげてみると(日本美術や浮世絵展は除く)、
ボストン美(5回)、メトロポリタン美(3回)、MoMA(3回)、ワシントンナショナルギャラリー(2回)、フィリップスコレクション(2回)、バーンズコレクション、シカゴ美、フィラデルフィア美、フォッグ美、オールブライト・ノックス・アート・ギャラリー、クリーブランド美、クラークコレクション、グッゲンハイム美、ホイットニー美

ここに今秋デトロイト美が加わる。このほかに展覧会の図録を神田でみたサンフランシスコ美も開催されている。海外の美術館展というとルーヴル、オルセー、プラドといったヨーロッパの美術館に目がいくが、アメリカの美術館も10年とか20年のタイムスパンでみると結構開かれている。

デトロイト美展はまだ先なのに、その次の美術館まで思いが向かっている。最も期待しているのがボルチモア美、ここにはみたくてしょうがないゴーギャン(1848~1903)の傑作が2点ある。‘マンゴーを持つ女’と‘チェロ奏者’、どちらも画面いっぱいに人物が描かれた堂々たる肖像画。

MET、ワシントンナショナルギャラリー、そしてボストンが所蔵するゴーギャンの珠玉のコレクションはほとんどお目にかかったので、残るはこの2点とシカゴ美にある‘マリー・デリアンの肖像’。だから、ボルチモア美展の開催を強く夢みている。この美術館尉にはもう一点、マティスの有名な絵‘桃色の裸婦’がある。

勝手な妄想だがこのボルチモア展を開催してくれないかと期待しているのはズバリ、国立新美と東京都美!ゴーギャンを目玉にした特別展を是非実現して欲しい。

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2016.01.26

アメリカにあるゴッホ、次のターゲットはこれ!

Img       ‘自画像’(1887年 デトロイト美)

Img_0001     ‘夜のカフェ’(1888年 ニューヘイブン イエール大美)

Img_0002     ‘アイリス’(1889年 LA J.ポール・ゲッティ美)

アメリカの美術館を訪問して驚かされるのは印象派およびポスト印象派のコレクションの質の高さ、美術本に載っている作品がここにもあそこにもあるという感じで本当に目を楽しませてくれる。

昨年12月のアメリカ旅行ではフィラデルフィア美にあるセザンヌの‘大水浴図’が鑑賞計画全体のハイライトだったので、メトロポリタン、ボストンが所蔵するマネ、モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャンらの名画はあまり足をとめてみなかった。

‘大水浴’が目の中に入ったのでメトロポリタン、フィラデルフィア、シカゴ、ボストン、ワシントンナショナル・ギャラリーにある印象派でみたい作品はだいたい済みマークがついた。セザンヌの大事なピースがやっと埋まったのでなんだか大仕事をしたような感じ。

大きな美術館についてはもう行かなくていいところまできたが、アメリカは広いので印象派のいい作品はこのほかの美術館にもごろごろしている。そのなかでターゲットにしている絵が多いのがゴッホとゴーギャン、ゴッホについては手元にある‘ゴッホ全油彩画’(2010年)をみてどこの美術館がいい絵をもっているかおおよそ把握している。

この秋にその一枚が日本にやって来る。それは上野の森美で開催される‘デトロイト美展’(10/7~1/21)に出品される‘自画像’、この絵はTASCHEN本の表紙に使われており目にやきついている。デトロイトでお目にかかることはまずないから日本でみられるのは有難い。チラシにはルノワールとモネも紹介されているので印象派は心がはずみそう。

あと2点、なんとしてもみたいのがある。イエール大にある‘夜のカフェ’とLAのポール・ゲッティ美が所蔵している‘アイリス’。イエールへ行く算段は一応できている。NYに一週間くらい滞在して、ここから高速バスでボルチモアへ行ったりニューヘブンへ出かけたりする。

先にみる可能性が高いのは‘アイリス’のほう。アメリカ旅行はこれからは西海岸を中心にすることを決めており、LAやサンフランシスコにある美術館めぐりを計画している。その目玉がポール・ゲッティ、人気の高い美術館のようなのでゴッホだけでなくほかにも名画がたくさんありそう。

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2016.01.25

NYでいっぺんに嵌ったシェイクシャックのハンバーガー!

Img      シャックバーガー

肉料理で最も好きなのは牛肉、ふたつくらい離れて豚肉、その次がチキン。このうち隣の方はチキンがダメ、好きな牛肉はステーキが一番でハンバーグも結構食べたいくち。

そのハンバーガーは例えば銀座の‘牛庵’とか外食レストランチェーンなどで食べたことはあるが、マグドナルドやモスバーガーといった店へ入って注文したことはほとんどない。なぜこういう店で食べないかというと、ハンバーガーのなかにピクルスが入っていたり、ケチャップやマスタードがドバっとぬられているから。

ケチャップは少量だと苦手ではないが、ピクルス、黄色のマスタードは全然ダメ。とにかくこの舌の拒絶反応があるため、若いころからマグドナルドとは縁がない。だから、ハンバーガー店にはこれからも行くことはないと思っていた。ところが、昨年12月NYを訪問したとき異変が起こった。

2013年のNY旅行で添乗員さんからNYで人気が沸騰しているハンバーガー店を教えてもらった。シェイクシャックというグルメバーガーだという。場所は滞在したホテルからそんなに遠くない8番街の44通りあたり。アバウトな情報だが自由行動のとき行ってみるつもりだったが、ほかをまわって疲れたため結局やめにしてホテルへ早めに引き上げた。

あとで出かけたという人に味の具合を聞いてみるとすごく美味しかったという話だった。そういういきさつがあったので、今回は是非出かけようということになった。グッゲンハイム美を見終わって美術館の人に正確な場所を聞いてみた。

すると、8番街まで行かなくてもグッゲンハイムから一つ下の87通りをずっと進んでいくとレキシントン街あたりにあると教えてくれた。歩くこと15分ほど。ありました、ありました!隣の方がずっと言っていたシェイクシャックが。

店をみつけるのに一生懸命で店の外観や注文したシャックバーガー(シングル、6ドルくらい)の写真を撮るのをすっかり忘れていた。店内は盛況で大勢の人が食べていた。なかにはいっているのはレタス、トマト、チーズ、100%オールナチュラルなアンガスビーフのハンバーグ、心配していたケチャップとマスタードはなし、これをつけたい人は席に着く前に自分でつけるようになっている。

こういうタイプのハンバーガーなら気持ちよく食べられる。このオーストラリア産のアンガスビーフにはホルモン剤が一切使われてない。パンの生地とアンガスビーフ、そしてチーズがうまくかみ合わさって食べ心地はとてもよく美味しい。いっぺんに嵌ってしまった。

日本に帰ってシェイクシャックが日本にもあるかどうかチェックしたら、昨年の11月13日、外苑いちょう並木に1号店がオープンしていた。これは朗報、待ち時間があまりない曜日、時間帯に出かけようと思っている。そのときはダブルを注文するつもり。

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2016.01.24

祝 琴奨菊 初優勝!

Img     豪栄道を突き落としで下して優勝を決めた琴奨菊

Img_0002     10年ぶりの日本出身力士の賜杯

大相撲初場所は大関琴奨菊が14勝1敗の成績で初優勝を飾った。拍手々! 13日に小さいころからのライバル豊ノ島にとったりで敗れ連勝がストップし残り2日の相撲が注目されたが、昨日は栃煌山、そして千秋楽は豪栄道を一方的な相撲で撃破し、見事優勝にのぼりつめた。

琴奨菊の相撲は前の2場所でだいぶ変わってきた。なにか吹っ切れたように前へ出るようになった。その前までは押しの勢いが長く続かず、相手力士にちょっとでも左右に動かれるとついていけずばたっと倒れるシーンが多かった。怪我が完治しないこともあり、いつも負け越しの不安につきまとわれている感じ。

そんな姿がここ数場所は大関にあがったときのようながぶり寄りの復活で一変してきた。そして、今場所、その押す力が全開、3横綱を連日力で圧倒した。これは見事というほかない。日馬富士に勝ったときは思わず手をたたいた。

日本出身力士が10年ぶりに優勝したことに心の昂ぶりが増すということはないが、琴奨菊のあの馬力が戻ったことが何より嬉しい。今の琴奨菊の相撲はまさに心と体が一体となった理想的な形。好調の原因はいろいろありそうだが、いいトレーナーを見つけたらしく体のコンディションづくりを科学的にやってきるようだ。体をいい状態へもっていくルーチンを欠かさず実行しこれに心をリラックスさせるルーチンも合せてやる。

試行錯誤の末たどりついた相撲必勝のルーチンを来場所も継続できれば、安定していい相撲をとり続けることができる。白鵬に力のかげりが見えてきたから2場所連続優勝だって可能性は十分ある。とにかく今前へでるパワーは関取中一番。綱取りへむかって全力で進んで欲しい。がんばれ!琴奨菊

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2016.01.23

ゴッホの‘タンギー爺さん’!

Img      ‘タンギー爺さん’(1887年 パリ ロダン美)

Img_0002     ‘郵便配達夫ルーラン’(1888年 ボストン美)

Img_0001     ‘ルーラン夫人’(1889年 ボストン美)

今月TV東京の人気番組‘美の巨人たち’にゴッホ(1853~1890)の‘タンギー爺さん’が登場した。ゴッホにはいい肖像画が何点もあるが、このタンギー爺さんはお気に入りのひとつなので、どんな切り口で番組が構成されるのか興味津々だった。

大きな収穫はタンギー爺さんの話、これまでタンギーにいだいていたイメージは売れない画家たちを支援する気にいい爺さん、かみさんからはやいのやいの言われながらゴッホに絵と引き換えに絵具を渡してやるというくだりはいつもほろっとくる。ここまではゴッホ物語にはよくでてくる話。

今回、タンギーの人生まで深く掘り下げていた。タンギーは1871年3月、自治政府パリコミューンが結成されたとき、これに参加していた。こんな正義感の強い骨のある人物だったとは!だから弱い者、恵まれない者に優しいのである。

ゴッホは世話になった人の肖像画には気持ちがはいるのかこの‘タンギー爺さん’はとてもいい出来映え。ロダン美を訪問したときじかに向き合ったが、日本にもやって来た。今から15年前、山口県萩美・浦上記念館で開催された特別展‘ゴッホと浮世絵 タンギー爺さん’、ちょうどその頃広島にいたので、クルマで萩をめざした。

ゴッホがパリに滞在していたとき描いた最もいい肖像画がこの絵、そしてパリから移ったアルルでもいい肖像画が生まれる。アルルでうまがあった郵便配達夫ルーランと夫人の肖像、それぞれ複数枚描かれたが、ボストン美にある2点は傑作。これもタンギー爺さん同様、My‘好きなゴッホの肖像画’に登録している。

昨年12月にでかけたボストン美では再会を楽しみにしていたルーラン夫婦だったが、不運にも旦那のほうは姿をみせてくれなかった。残念!

今年は秋に東京都美で‘ゴッホとゴーギャン展’(10/8~12/18)がある。どんな作品がでてくるのか情報がないが、ヒットを連発している東京都美のことだからきっと目を楽しませてくれるだろう。期待して待ちたい。

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2016.01.22

心を奪われる十三代今右衛門!

Img_0004     ‘色絵吹墨薔薇文花瓶’(1976年 佐賀県立九州陶磁文化館)

Img_0001     ‘色絵薄墨紫蘭文鉢’(1985年)

Img     ‘色絵薄墨珠樹文蓋付瓶’(1987年)

Img_0002     ‘色絵吹重ね珠樹草花文鉢’(2001年)

足を運んだ展覧会はいつもは会期中に感想をアップするのに、日本橋三越で1/11まで行われていた‘十三代今右衛門 × 十四代柿右衛門展’については展覧会が終了してから10日もあとになってしまった。

この展覧会で期待していたのは十三代今右衛門(1926~2001)のほうで十四代柿右衛門についてはオマケという思いがあるのでのめりこんでみていない。だから、とりあげるのは十三代今右衛門のみ。

若いころからやきものに興味をもちNHKで放送される陶磁器関係の美術番組は見逃さずみてビデオに収録していたが、十三代はよく登場し鍋島の魅力や自分が生み出した吹墨や薄墨の話をしてくれた。そこでみた作品にいっぺんに魅せられ十三代の回顧展に遭遇することを強く望むようになった。

ところが、その機会がなかなかやって来ない。やっとみれたのが5,6年前ホテルオークラの隣にある智美術館で行われた‘十三代&十四代今右衛門展’、だがこれは十三代の作品が想定外に少なく消化不良に終わった。

今年は1616年に有田の地に日本ではじめて磁器が誕生してから400年になる。昨年の琳派400年のように有田焼も大いに盛り上がりそう。その節目の年を祝う一弾が三越で開かれる展覧会。となると、当然期待値は高くなる。十三代の作品は全部で45点くらい、これだけみれれば言うことなし。大満足!

そのなかで長くみていたのが初期の吹墨‘薔薇文花瓶’、これまでお目にかかったことのある薄墨の2点、‘紫蘭文鉢’と‘珠樹文蓋付瓶’、そして亡くなる年につくられた‘吹重ね珠樹草花文鉢’。現代感覚に富む文様と鮮やかな色彩美が魅力の十三代今右衛門の世界、腹の底から楽しんだ。

なお、この展覧会はこのあと次の会場でも行われる。
・広島三越 7/5~7/18
・福岡三越 10/5~10/10

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2016.01.21

松濤美の‘石黒宗麿展’!

Img_0001     ‘彩瓷柿文壺’(1959~61年 東近美)

Img     ‘赤絵水指’(1966~67年 愛知県陶磁美)

Img_0002     ‘鉄絵荒蕪文平鉢’(1967年 愛知県陶磁美)

Img_0004     ‘黒釉褐斑鳥文壺’(1958年)

やきものが好きなので陶芸家の回顧展には目をひからせている。現在、渋谷の松濤美で20年ぶりという‘石黒宗麿展’が開かれている。会期は残り一週間で31日まで。

昭和30年(1955)に人間国宝の制度ができたとき、富本健吉、濱田庄司、荒川豊蔵とともに認定をうけた石黒宗麿(1893~1968)、いつか代表作を集めた回顧展に遭遇しないかと思ってきたが漸くその願いが叶えられた。松濤美は小さな美術館だが、質のいいやきもの展をときどき開催してくれるので好きな美術館のひとつとなっている。

作品は全部で120点ほど、お気に入りはすっきりした絵付けと形のいい壺の姿が心をひきつける‘彩瓷柿文壺’、赤茶色でぽんぽんと描かれているのは吊るし柿、黒の横線は柿をつっている縄、小さいころ田舎の家ではこんな風に柿がつるされていた。郷愁をそそる絵画を見ているよう。

一瞬、濱田庄司の作品が頭をよぎったのが‘赤絵水指’、胴部に幅のひろい竹を使って斜めに勢いよくつけた赤の斑文とリズミカルにたらされた緑の点々が爽快な印象をあたえている。とてもモダンな文様だから、居間におくとほかの置物との親和性もすこぶるいいだろう。

この二つの壺が気分を晴れやかにする作品であるのに対し、‘鉄絵荒蕪文平鉢’と‘黒釉褐斑鳥文壺’は荒々しくて重厚なイメージが強い。こういう作品をみると宗麿の陶芸にたいする深い思いがもてる高い技術によって自在に生み出されている感じ。

黒釉の壺に描かれているのは燕、その形は古代中国の殷の遺跡から発掘された亀の甲羅や牛の骨に刻まれた甲骨文字を連想させる。宗麿は中国の古陶磁の研究に没頭したから、甲骨文字から刺激を受けたのかもしれない。

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2016.01.20

昨年 訪日客1973万人 過去最多!

Img_0001     1/20付 朝日新聞の記事より

2015年に日本にやって来た外国人旅行者は過去最多の1973万人だった。2014年が1341万人だったのでなんと632万人も増えたことになる。政府が目標に掲げていた数字は2020年で2000万人、これを5年も前倒ししてほぼ達成したかたち。

TVのニュースやバラエティ番組で中国人の爆買いの様子などが何度もとりあげられるので、人数がかなり増加すると予想していたが、今年これほどの伸びになるとは思ってなかった。国別では中国が一番多く499万人、欧米諸国ではアメリカが103万人とはじめて100万人を超えた。

さて今年は2000万をこえてどのくらいのところまで増えていくだろうか。朝日新聞の記事に世界の国の外国人旅行者の順番が載っている。2014年の数字でみると、日本の2015年の外国人客は16番目くらいに位置づけられる。

仮に今後毎年300万人くらいのペースで増えていくと2018年あたりには3000万人に到達する。ここまで増えるとベスト10に入れるし、イギリスやドイツと肩を並べられる。毎年3000万人もの外国人が日本に来るという風景はどんな感じだろうか、

今でも銀座へ行くと中国人をはじめ大勢の外国人をみかけるが、こういう光景がもう自然に思えるようになるのではないか。ラーメン屋に入るとアメリカ人やフランス人が2,3人いたりとか、また、コンビニへ入ればレジの前に食べ物をもった外国人が並んでいたり、コーヒーを注文したりしているとか、

観光業に携わっている人々にとってはこれから大きなビジネスチャンスが広がってくる。今地方の街や村だって外国人客の誘致に知恵を絞っていることだろう。ネットで使って情報発信をすれば思わぬ効果が期待できるかもしれない。

外国人が求めているものを人より早く見つけてネットでわかりやすく訴求する、アメリカやヨーロッパの人たちでもアジアの人たちでもネットで情報を得たがっているから情報提供のデザイン設計をうまくやることが商売繁盛の必要条件。多くのお店やホテル、旅館が手ごたえを感じていることだろう。

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2016.01.19

収穫はオキーフとプラスツー!

Img      オキーフの‘鹿の頭蓋骨とペダーナル’(1936年)

Img_0002     オキーフの‘白バラとヒエン草’(1927年)

Img_0001     ヨーゼフ・ステラの‘古いブルックリン橋’(1941年)

Img_0003     デイヴィスの‘熱い都市の風景’(1940年)

2008年シカゴ美を訪問したときビッグな特別展に遭遇した。それはこの美術館が所蔵する自慢の絵‘夜ふかしをする人たち’を描いたホッパーの大回顧展、これによりホッパーがぐんと近くなった。やはり画家の回顧展には大きな楽しみがある。

今、期待して待っているのは女流画家オキーフ(1887~1986)の回顧展、勝手に頼りにしているのはBunkamura、何年か前レンピッカの作品をたくさん集めてくれたから、この次はオキーフと決めている。アメリカの美術館でオキーフを数多くみたのはメトロポリタン美、そして、シカゴ美、ワシントンのナショナルギャラリー、フィラデルフィア美でも1,2点みることができた。

今回ボストン美でお目にかかったのは4点、そのなかに引き込まれるのがあった。‘鹿の頭蓋骨とペダーナル’、前の日にMETで定番の牛の頭蓋骨を描いた‘赤、白、青’をみたばかりだから、この絵に敏感に反応。鹿の頭蓋骨いうとまだ縁がないが、ホイットニー美にいい絵がある。この絵をみたのでホイットニーにある作品がみれなくてもいいかなと思えてきた。

花の形を画面いっぱいに写実的に描いた抽象画シリーズの一枚である‘白いバラとヒエン草’は美術館の図録で紹介されており、日本にもやって来た。現地でみるのははじめて。この作品をみるとモチーフを巨大に描くと抽象的な画風になることがよくわかる。

ヨーゼフ・ステラ(1877~1941)の‘古いブルックリン橋’はとてもインパクトのある作品、スペースチックで不気味な未来空間がここに出現している感じ。タイトルから受けるイメージとはかなりギャップがあるが、意図してズレの緊張感を狙ったのかもしれない。

METで必ずお目にかかるのがデイヴィス(1894~1964)の明るい色彩を使って街の光景を記号的に表現した作品、ボストン美にもミロの絵をぐっとモダンにしたかのように思わせる‘熱い都市の風景’があった。図版では目に焼きつけていたが、本物はずっと明るく都市の活気やテンポの速さを感じさせるものだった。

これで今回のアメリカ美術館めぐりの感想記は終了です。お楽しみいただけたでしょうか。

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2016.01.18

印象深いコプリー、セイヤー!

Img     コプリーの‘少年とリス’(1765年)

Img_0002     コプリーの‘ワトソンと鮫’(1778年)

Img_0003     セイヤーの‘カリタス’(1894~95年)

Img_0001     ホッパーの‘ドラッグ・ストア’(1927年)

アメリカの美術館へ足を運ぶ回数が増えるにつれて、アメリカ人画家の名前をおぼえその作品にも目が慣れてくる。だが、ヨーロッパの美術館で出会う画家たちにくらべると作品に対する親近感はまだうすい。

ボストン美に所蔵されているアメリカ絵画については、図録に載っているものでお目にかかったのはサージェントやホッパー、オキーフなど限られた画家だけ。今回は図版では目のなかにはいっている作品と何点出会えるかというのが鑑賞前にもっていた期待。果たして結果はどうだったか。

アメリカ館をずらっとみて気になる画家が何人かいた。その筆頭がボストン生まれのジョン・シングルトン・コプリー(1738~1815)、長くみていたのが‘少年とリス’と‘ワトソンと鮫’、28歳の作‘少年とリス’は一見シャルダンの肖像画をみているような感じ。髪の毛や肌の自然な質感描写が見事!

思わずのけぞりそうになる‘ワトソンと鮫’は同じ画家が描いたとは想像できないくらい緊張感に満ちた作品。この鮫が人を襲う絵は1749年ハバナ湾で実際に起きた出来事にもとづいて描かれている。片足を失ったのは若い英国人。2013年、ワシントンナショナルギャラリーへ行ったとき、これと同じ絵が飾ってあった。ということはコプリーはこの画題を2枚制作したのかもしれない。

もうひとつ魅了された作品があった。古典画の聖母子像が現代によみがえったイメージの‘カリタス’、描いたのはほかのアメリカの美術館でみたという実感がないアボット・セイヤー(1849~1921)、またアメリカへいくことがあったらこの画家の名前を胸に刻んでおこうと思う。

メトロポリタン美では3点遭遇したホッパー(1882~1967)、ボストンでは‘ドラッグ・ストア’が姿を現してくれた。通りの角っこにあるドラッグ・ストア、客が描かれてないのでよけいに都会の孤独と寂寥感を感じてしまう。

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2016.01.17

アメリカ絵画の傑作!

Img_0001     ホーマーの‘見張り’(1896年)

Img_0003     ホーマーの‘濃霧警報’(1885年)

Img_0004     トマス・コールの‘楽園追放’(1828年)

Img_0002     ビーアスタットの‘バッファローの移動’(1867年)

ボストン美にある作品で必見リストの真っ先に載せていたのがホーマー(1836~1910)の‘見張り’、ホーマーの作品をヨーロッパの美術館でみる機会は極めて少なく過去にみたのは数点しかない。だから、ホーマーを楽しもうと思うとアメリカの美術館をまわるしかない。

1993年はじめてボストン美を訪れたとき、美術館が製作した分厚いカタログ(英文、カタログ)を手に入れた。ここに‘見張り’は載っているが、このときはモネやルノワール、ゴッホ、ゴーギャンたちの名画をみるのに忙しくてホーマーの絵は頭のどこにもなかった。そのリカバリーのチャンスが2008年にめぐってきたが、運悪くアメリカ館を建設している時期にぶつかり、対面は叶わなかった。

今回はその仕切り直し。ホーマーは全部で6点、見張り役の猟師が‘万事よし’といっているところを描いた‘見張り’は意外にも小さい部類の絵だった。図録では全体的にもう少し明るい画面になっているが、実際には猟師の顔がはっきりしないくらいの暗さ。大声をだしている猟師の精悍な顔つきを目に焼きつけた。

もう一点画面に惹きこまれる作品があった。とてもリアルに描かれた海洋画‘濃霧警報’、ホーマーは波が大きくうねり迫りくる海の脅威と必死に闘う人物の姿を描いた作品が多い。大きな魚を釣り上げた猟師は遠くにいる母船に無事に帰り着けるだろうか。息を吞んでみていた。

2013年、ワシントンのコーコラン美、フィラデルフィア美、そしてメトロポリタン美でハドソンリバー派の作品を存分に楽しんだ。今回はMETでトマス・コール(1801~1848)やエドウイン・チャーチ(1826~1900)の雄大な風景画をみる時間がなかったが、ボストン美でコール2点、チャーチ1点、ビーアスタット2点に遭遇。事前の情報は1点しかなかったのでをワクワクしながらみた。

そのなかでとくに魅せられのはコールの‘楽園追放’とビーアスタットの‘バッファローの移動’、絵のサイズはMETにある傑作より一回り小さいものだったが、細部まで精緻に描き込んだ表現には声がでないほど惹きこまれる。見ごたえのあるハドソンリバー派にますますのめりこんでいく。

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2016.01.16

心を奪われるサージェント、カサット!

Img_0004   サージェントの‘エドワード・D・ボイドの娘たち’(1882年)

Img_0002     サージェントの‘ヘレン・シアーズ’(1895年)

Img_0001     サージェントの‘チャールズ・インチェ夫人’(1887年)

Img     カサットの‘オペラ座の黒衣の婦人’(1879年)

2013年にアメリカの美術館をまわったとき、サージェント(1856~1925)のいい女性肖像画をたくさん見た。ワシントンでははじめて訪問したコーコラン美、ナショナルギャラリー、次がフィラデルフィア美、そしてNYのメトロポリタン美、その数全部で15点、アメリカ人画家ではオキーフと並んで最も多かった。

今回はフィラデルフィアとメトロポリタンではアメリカ絵画の展示室をパスしたので、サージェントを楽しめたのはボストン美のみ。入館して、集合場所と時間を確認すると急いで5年前にできたアメリカ館にむかった。サージェントの代表作で美術館案内図の表紙にも使われている‘エドワード・D・ボイドの娘たち’が飾ってあるのは2階の232室。

ありました、ありました!2008年はアメリカ館を建設中のため会えなかったので1993年以来の対面。とても大きな絵で2.21mの正方形の画面、絵の前はちょっとした演出がされている。絵のなかに巨大な中国陶磁の壺が2つ描き込まれているが、絵の左右に同じくらいの大きさの壺が置いてある。

スペイン絵画が好きな人ならこの絵をみてぴんとくるものがあるかもしれない。そう、サージェントは23歳のときマドリードのプラド美を訪問し、あの有名なベラスケスの‘ラス・メニーナス’を模写している。2年後に‘ラス・メニーナス’の構成を意識して描いたのがこの作品。

4人の娘のなかで愛らしいのが人形をもって座っている4歳のジュリア、この子が‘ラス・メニーナス’の主役王女マルガリータに見立てられている。大人になったらどれほどの美貌になるのかと思わせるのが左に立っているメアリー、この子は8歳。左から入ってくる光はこの2人を強く照らしているので、後ろにいる2人のお姉ちゃんはぶが悪く印象がうすい。またこの傑作に会えたことを心から喜んでいる。

今回サプライズの絵が2点あった。濃いえんじ色のドレスが白い肌をひきたてている‘チャールズ・インチェ夫人’と女の子が着ている服と部屋に飾られた花の白が発光体のように輝いている‘ヘレン・シアーズ’、このヘレンちゃんには思わず、‘うわー、こんないい絵があったのか!’と唸ってしまった。

もうひとつの感動はカサット(1844~1926)の‘オペラ座の黒衣の婦人’、絵の存在を知ってからずいぶんな時が経つがやっとみれた。これは想像以上の傑作、これまでワシントンのナショナルギャラリー、フィラデルフィア美、シカゴ美、オルセーなどでカサットの絵を見たが、絵の魅力はこれが一番。この絵がカサットの代表作であることはまちがいない。

日本でボストン美展は何回も開かれているのにこの絵がどうしてもやって来なかった理由が今わかった。いい絵だから出したくないのである。サージェントの‘娘たち’、ゴッホの‘郵便配達夫ルーラン’と同様別格扱いになっているのだろう。だが、今年ようやく日本に貸し出される。横浜美で行われる‘カサット展’(6/25~9/11)、再会するのが楽しみ。

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2016.01.15

ロセッティ、バーン=ジョーンズの揃い踏み!

Img     ロセッティの‘ボッカ・バチアータ’(1859年)

Img_0001          バーン=ジョーンズの‘希望’(1896年)

Img_0003     ベックリーンの‘オデュッセウスとポリュフェモス’(1896年)

Img_0002     クールベの‘分け前’(1857年)

ボストン美に所蔵されている美術品はメトロポリタン美と同じようにギリシャ彫刻、エジプト美術から古典絵画、印象派、」現代アート、そして自慢の日本美術まで広い範囲に及んでいる。そのため、じっくりみるには2時間くらいほしいところだが、ツアーの場合滞在するのはMax1時間半。

そのため、みるところを絞らないと印象に残る鑑賞とならない。そこで今回は印象派は横目にみてどんどん進んでいった。そうして足がとまる作品が現れたのはラファエロ前派、ロセッティ(1828~882)の‘ボッカ・バチアータ’、モデルはロセッティの長年の愛人だった娼婦ファニー・コーンフォース、この絵は話題を呼んだが、ロセッティは翌年32歳のとき10年前に会ったリジーと結婚する。

この絵の隣にあったのが7年前にも出会ったバーン=ジョーンズ(1833~1898)の‘希望’、縦長の画面いっぱいに描かれた女性、右手に花のもち左手を顔の上のほうにのばすポーズは一度みたら強く心に刻まれる。お気に入りのバーン=ジョーンズ作品なのでしばらくながめていた。

今回サプライズの作品があった。ベックリーン(1827~1901)が描いた神話画、‘オデュッセウスとポリュフェモス’、この絵は1996年に日本の美術館でお目にかかった。そのときはスイスの個人コレクターの所蔵。2008年には展示されてなかったから、そのあとボストン美が購入したのだろう。ギリシャ神話とくると血が騒ぐ、すぐ見るぞ!モードにスイッチが入った。

クールベ(1819~1877)の‘分け前’にも思わず足がとまった。クールベは狩りの絵を何点も描いているが、この縦2.1m、横1.86mあるこの大作は完成度の高い作品。パリのグラン・パレとメトロポリタンであった大回顧展(2007~08年)でみたときの感動がよみがえってきた。

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2016.01.14

7年ぶりのボストン美!

Img      ‘アフロディテ’(紀元前325~前300年頃)

Img_0002     ボッティチェリの‘聖母子と洗礼者聖ヨハネ’(1500年)

Img_0003グエルチーノの‘バビロンの反乱を知らされるセミラミス女王’(1624年)

Img_0001     マーチンの‘エジプトの7番目の呪い’(1823年)

7年ぶりに訪問したボストン美、今回は2010年秋に完成したガラス張りの新館、アメリカ館に展示してある作品をみるのは一番の目的だった。館内にいる時間は1時間半、まずここをしっかりみて残った時間を古典絵画や印象派にあてた。目を楽しませてくれた作品を古い時代のものから紹介したい。

2階の古代美術コーナーで熱心に探したのが大理石彫刻の‘アフロディテ’、この胸像の存在を知ったのは2008年4月に発行された‘芸術新潮 ヴィーナス100選’。プラクシテレスか弟子が制作したとされる貴重なオリジナル彫刻と解説されているので、いつかボストンで対面しようと思っていた。

たしかこの雑誌がでる前に名古屋のボストン美で展示されたが、これほど有名な彫刻とは知らなかったので名古屋へ出向くこともなかった。そのリカバリーがやっと実現した。100選の寸評に‘ヴィーナスを顔で選べばこれが世界一!’とあるので目をかっと開いてみたが、期待通りの美しいヴィーナスだった。

ルネッサンス絵画が並んでいる部屋を軽くみながら進んでいたらボッティチェリ(1445~1510)の‘聖母子と洗礼者聖ヨハネ’は突然現れた。これは美術館の図録(英文 ハードカバー)に載ってないのでびっくりした。なにか得した気分。

事前につくった必見リストにあげていたグエルチーノ(1591~1666)の‘バビロンの反乱を知らされるセミラミス女王’は運よくみることができた。この絵が飾ってある大きな部屋は過去2回ぐるっとみたが、グエルチーノはかすりもしなかった。だが、今回は昨年回顧展を体験したから見逃さないようにした。この‘セミラミス女王’はメトロポリタン美でみたサムソン同様、カラヴァッジョ的な描き方が強く見られぐっときた。グエルチーノはアメリカで評価をちょっと戻した感じ。

マーチン(1789~1854)の‘エジプトの7番目の呪い’は思わず見入ってしまう絵。前回も心を奪われたその壮大な光景を息を呑んでみていた。

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2016.01.13

グッゲンハイム美の展示スタイル!

Img_0004     ピカソの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’(1900年)

Img     アンリ・ルソーの‘砲兵たち’(1893~95年)

Img_0003     マネの‘鏡の前’(1876年)

Img_0002     カンディンスキーの‘黒の線’(1913年)

メトロポリタン美から北に15分くらい歩いたところにあるグッゲンハイム美、2013年に訪問したときは特別展が終了した直後で螺旋状の回廊がクローズされており、一部の部屋に展示されている作品だけしかみれなかった。

そのため、今回はそのときの消化不良を解消しようと意気込んで入館した。ところが、今回も展示のイメージが異なっていた。6階分ある螺旋状の回廊には一人の作家の作品で埋め尽くされていた。この展示スペースはどうやら回顧展などの企画展のために使われているようだ。そのため、ここに展示されていると思ってつくった必見作品は全部空振り。この美術館とはどうも相性がよくない。

いわゆる常設展示といえるものは回廊の横につくられている2つの部屋だけ。ひとつはグッゲンハイム自慢のコレクションであるカンディンスキー(1866~1944)、これまでにみたことのある作品が6点くらいでていた。そのなかでお気に入りは‘黒の線’。

もうひとつの部屋は3年前にもたくさん飾ってあったところ。ここにあげたピカソ、アンリ・ルソー、マネの絵は1993年にみて以来だから、22年ぶりの対面。足が思わずとまったのがピカソ(1881~1973)が19歳のときに描いた‘ムーラン・ド・ラギャレット’、左端でドキッとするほど妖艶な笑いをみせている女性に目が釘づけになった。

ルソー(1844~1910)は3年前幸運にもリストに二重丸をつけていた‘フットボールをする人々’と遭遇し、今回は久しぶりの‘砲兵たち’、ルソーに強く心を寄せているのでミューズがまた会わせてくれたのだろう。感謝!

マネ(1832~1883)は女性の姿をいろんな角度から描いている。正面、横向き、斜め横、そして後ろ向きと、後ろ向きは3点ある。‘鏡の前’を‘鉄道’(ワシントン ナショナルギャラリー)にでてくる女の子、そして、‘フォリー=ベルジェールの劇場のバー’(ロンドン コートールド美)に描かれた女給の鏡に映った後ろ姿を思い浮かべながらみていた。

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2016.01.12

今年最初の展覧会は肉筆浮世絵!

Img_0004     葛飾北斎の‘美人愛猫図’(1801~18年)

Img_0002     河鍋暁斎の‘一休禅師地獄太夫図’(1885~89年)

Img     菱川師宣の‘江戸風俗図巻’(部分 1688~1704年)

Img_0001     宮川長春の‘路上風俗図巻’(部分 1716~36年)

上野の森美で会期の終盤に入った‘肉筆浮世絵 美の競艶’(11/20~1/17)をみてきた。公開されているのは全部、肉筆画。その大半が美人画の肉筆浮世絵はシカゴのコレクター、ロジャー・ウエストン氏が蒐集したもの。日本には初登場で最初は4月大阪の市立美でお披露目された。

お目当ては5月に人気の美術番組‘美の巨人たち’でとりあげられた葛飾北斎(1760~1849)の‘美人愛猫図’、この絵が会期中ずっとでていたのでついつい出動が遅れた。怖い顔をした猫を手にもっている女性の描き方が誰かによく似ている。そう、師匠の勝川春章。だから、この美人画にはしっかり嵌る。

出口近くに飾ってあったのが河鍋暁斎(1831~1889)の骸骨がたくさんでてくる‘一休禅師地獄太夫図’、この絵で主役は太夫なのだろうが、視線が集中するのは太夫より骸骨の頭の上に片足をのせて踊っている一休、脇役が主役を食うことがときどきある。どうでもいいことだが、この一休の馬鹿踊りをみて、森繁久彌の‘社長シリーズ’によくでてくる宴会芸で笑いをとる三木のり平の演技を思い出した。

今回大きな収穫は菱川師宣(?~1694)と宮川長春(1682~1752)のみてて楽しい風俗画の巻物に出会ったこと。何年か前ボストン美から二人の風俗画が里帰りしたが、そのとき同様、画面のはじまりから終わりまでじっくりみた。

とくに熱心にみてしまうのが女性が身につけた着物とその柄。多種多様な柄があり、これだけをみてても飽きない。風俗画を華やかなもので仕立てている着物の数々、脈々と受け継がれてきた日本の着物文化のもつ豊かさにあらためて魅せられた。

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2016.01.11

図録販売で許しがたい対応をする森美術館!

Img      ‘村上隆 五百羅漢図展’の図録

先週の8日、今年最初の展覧会巡りをした。足を運んだのは上野の森美で行われている‘肉筆浮世絵 美の競艶’(1/17まで)と本日終了した‘十三代今右衛門 × 十四代柿右衛門’(日本橋三越)。そして、そのあと昨年11月5日にみた‘村上隆 五百羅漢図展’(森美)の図録を購入するため六本木ヒルズへ向かった。

そこで大変不愉快な目にあった。一階のチケット売り場の横にある案内ブースで12/29にようやく出来上がったという図録を購入したいと伝えると、この女性から信じられないことをいわれた。‘図録は展覧会の入場料1600円を払ってミュージアムショップで手に入れてください!’、図録を買うためだけにわざわざやってきたのに、もう一度チケットを買えという。

これは納得できない。声を荒げると美術館の人間がとんできた。そしてこの女性も同じことをいう。理由はいわないが、彼女たちの考えていることはわかる。図録を売っているミュージアムショップは展覧会をやっている部屋のあとに設けられている。このため図録だけを購入する人をいれると展覧会をみられてしまう。だから、チケットをまた買えというのである。

展覧会をみないで図録だけを購入するのはNGというのは図録が出来上がっている現在は別に問題はない。しかし、この展覧会では通常なら10/31に開幕したときにできているはずの図録が2か月近くもなかったのだから、この間に入館した人たちが図録購入のために来館したときはその対応をしなければいけない。

例えばそういう人がきたら、1階にあるショップで売るとか、それができないのであれば係りの人が横についてくれて上の53階にあるミュージアムショックを案内する。こんなことは当たり前の対応だと思うが、この森という美術館は1600円をまた支払わせようとする。まったくひどい対応で許しがたい!

女性に‘上司を呼んできない’というとようやく男性が現れ、謝罪して‘私がミュージアムショップへご案内します’という。はじめからそういう対応ができていればこちらも怒りはしない。想定外の怒りのクレームのあと待ちぼうけを食らわされた図録が手に入った。

森美の館長は確か南條という人だったが、この人物、館長失格である。図録をちゃんと開幕前に用意するのが当たり前なのに、製作が遅れたことへのお詫びの言葉もなく、余分な地下鉄代を払っていそいそと訪問したのに1600円を払わないと図録を売らないという。不愉快きわまりない。

どこの組織でもトップがダメなところはだいたい社員の対応もなってない。前々から感じていたが森美は森ビルの経営の体質なのか権威主義的でお客のほうに顔がむいていない。今回の対応はその体質丸出し。‘悪事は千里を走る’ということわざをお忘れなく!

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2016.01.10

寄贈されたバークコレクションの展示!

Img_0002     伊藤若冲の‘月下白梅図’(1755年)

Img           曽我蕭白の‘石橋図’(1779年)

Img_0003       円山応挙の‘鮎図’(部分 1785年)

Img_0001     尾形光琳の‘布袋図’(1704年以降)

昨年の秋、新聞に興味深い記事がのった。日本美術の愛好家だったメアリー・バークさん(2014年死去)が蒐集したバークコレクションがメトロポリタン美に寄贈されたという。その数300点、その一部が2006年東京都美でも公開され多くの日本美術ファンの目を楽しませてくれた。

そのコレクションが昨年の10月20日から2階の日本美術の部屋に展示されている(2月に展示替えをし7月31日まで)。この情報を事前に得ていたので、館内にいる間寄ってみようと思っていた。隣の方はお疲れの様子だったので椅子に座って待っててもらい一人でざっとまわった。

期待していたプラスαはあまりなく大半が日本で出品されたもの。だから、質の高いバークコレクションをもう一度楽しむことになった。圧巻は向かい合わせに飾られている伊藤若冲(1716~1800)の‘月下白梅図’と曽我蕭白(1730~1781)の‘石橋図’。東京都美ではどちらも興奮状態でみたが、今度もだんだんいい気分になってきた。こんないい作品が流失したのはなんとも残念!

ワシントンのフリーアで尾形光琳(1658~1716)の鶴の絵や松島図をみたばかりだから、日本にやってきた‘布袋図’にも敏感に反応する。愛嬌のある布袋さんがのびのびとした筆使いで描かれている。模写なら10点満点で3点くらいとれそうだが、この絵を最初から描くとなるともうお手上げ。光琳の描写力はやはり群を抜いている。

初見で足がとまったのは円山応挙(1733~1795)の‘鮎図’、左右二つの掛け軸からなり画像は左のほう。水流の動的表現とぴちぴち跳ねる鮎の姿が強く印象に残った。

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2016.01.09

お目当てのホックニーにカッツがオマケでついてきた!

Img_0004     ホックニーの‘富士山と花’(1972年)

Img_0001     アレックス・カッツの‘レッド コート’(1982年)

Img     ケリーの‘スペクトル Ⅴ’(1965年)

Img_0002     ロスコの‘No.3’(1953年)

メトロポリタン美がつくったカタログは3冊あり、これをもとに必見リストを準備する。これまで縁がなかったホックニー(1937~)は2点、ひとつはホックニーが34歳(現在79歳)のときやって来た日本の体験に想を得て制作した‘富士山と花’、そしてもう一点は室内空間を気ままに明るい色調で表現した‘大きな室内、ロスアンジェルス’(1988年)、今回ようやく2点とも姿を現してくれた。夢中になってみた。

‘富士山と花’はくっきり写実的に描かれた竹筒に生けられた白い花とうっすらとぼかしのはいった背景の富士山のコントラストが強く印象に残る。数年前、ロンドンのロイヤルアカデミーでホックニーの大回顧展があったが、タイミングが合わず見逃した。こういうときにすがりたいのがBunkamuraの卓越した企画力。日本でもホックニー展を実現してもらいたい。

印象派の作品をみていい気分になり20世紀美術のほうへ移動したら、いきなりアレックス・カッツ(1927~)のポップアート調の肖像画作品に遭遇した。作品の数は全部で6点、ミニ・カッツ展といったところ。心を奪われたのはクローズアップで画面からはみ出さんばかりに描かれた女性像‘レッド コート’、単色と平面性を強調する描写はとても魅せられる。以前から気になっていた画家だったので心が弾んだ。

2階に展示されている現代アートはビッグネームがずらずらとでてくる。ポロック、デ・クーニング、スティル、ロスコ、ケリー、、、2013年のときと違った作品がみれたのがロスコ(1903~1970)の‘No.3’とケリー(1923~)のすっきりカラーが楽しい‘スペクトル Ⅴ’。ニューマンもみたかったが、今回は見当たらなかった。

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2016.01.08

ダリ、バルテュスがあって定番のホッパーも!

Img_0001     ダリの‘超立方体:磔刑のキリスト’(1954年)

Img_0003    バルテュスの‘窓辺の少女’(1957年)

Img_0002     ホッパーの‘婦人のテーブル’(1930年)

Img     ワイエスの‘酒類密輸入者’(1945年)

今年の秋、国立新美でダリの回顧展が開催される。フィラデルフィア美で念願のダリ(1904~1989)の‘隠元豆’に出会ったとはいえダリの追っかけはまだ終わらないので、この情報は元気が出る。

‘隠元豆’をみて肩の荷が下りたような気分になり、後半に出かける美術館でダリに会うことはないと思っていたら、メトロポリタンで大きな絵‘超立方体:磔刑のキリスト’が目の前に現れた。この絵のことをまったく忘れていた。息を吞んで絵に描かれたガラのようにキリストをみていたのは7年前のこと。

ワシントンのナショナルギャラリーには‘最後の晩餐’(1955年)があり、ここには‘磔刑のキリスト’、アメリカのコレクターは印象派だけでなくこうしたシュルレアリスムも熱心に蒐集していた。ダリはスペイン人だがNYの高級ホテルに住みアート界の寵児だったから半分はアメリカ人みたいなもの。だから、ダリの作品がアメリカにたくさんあっても不思議ではないが、それにしても傑作がぞろぞろあるのには驚かされる。

2014年に日本で大きな回顧展があったバルテュス(1908~2001)。METからは‘夢見るテレーズ’が出品されたが、幸運にもまた会った。そして、その横に回顧展の図録に載っていた‘窓辺の少女’が、これは大きな収穫。ほかにも紹介した‘暖炉の前の人物’、有名な‘山’などがあり全部で5点。こんなに多くバルテュスと会うのははじめて、人気が高くなっているのだろうか。

ホッパー(1882~1967)の‘婦人のテーブル’は定番の作品。館の図録にも載っており、MET自慢のホッパー、今回はもう2点でていた。そのひとつは日本にもやって来た‘トゥーライツの灯台’。ボストン美でも2点みたのでこの度の美術館巡りでホッパー熱がまたでてきた。いつかシカゴ美にある最高傑作‘夜ふかしをする人たち’と再会したい。

日本に帰って来て忘年会をやったとき友人から‘ワイエスはあった?’と聞かれた。フィラデルフィア美ではワイエス(1917~2009)にかすりもしなかった。この画家の作品情報がまったくなく、どこの美術館が作品を所蔵しているのかわからない。METでワイエスと遭遇したのは想定外、‘酒類密輸入者’をしばらくながめていた。

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2016.01.07

メトロポリタン美でマルク、デルヴォーに会えるとは!

Img_0002    バーン=ジョーンズの‘愛の歌’(1868~77年)

Img_0001     マルクの‘牛の戦い’(1911年)

Img_0003     デルヴォーの‘セイレーン’(1947年)

Img     ベックマンの‘始まり’(1949年)

メトロポリタン美で一番人気があるのが2階の左手にある19世紀ローロッパ絵画、目がくらむばかりの名作がここにもあそこにもあるという感じだが、2008年と2013年、目に気合を入れてみたので今回は気持ちに余裕がある。それでもぽつぽつと新規の作品が現われるので気は抜けない。ドニとホドラーのいい絵があった。

またみれて素直に嬉しいのがバーン=ジョーンズ(1833~1898)の‘愛の歌’、ロセッティとバーン=ジョーンズは一点でも多くみたいお気に入りの画家なのでこの絵の前に立つと毎度カメラのシャッターを押している。METのあとボストン美でも‘希望’と再会したから機嫌がいい。

収穫が多かったのは19世紀ヨーロッパ絵画のむこうとその下の1階にある20世紀美術。駆け足に近い鑑賞スタイルだが、足がとまる作品がいくつもでてきた。ここはグッゲンハイム美?と一瞬思ったのはマルク(1880~1916)の‘牛の戦い’、ここにこんないい牛の絵があったなんて、2頭の牛の赤の強烈なこと、マルク万歳!と心のなかで叫んだ。

もう一点サプライズの作品があった。デルヴォー(1897~1994)の‘セイレーン’、マルク同様、ここでデルヴォーに遭遇するとはまったく想定外。こういうときは道端で宝物を拾ったような気持ちになる。そして思った、メトロポリタンにはなんでもあるんだと。

ベックマン(1884~1950)の‘始まり’はずっと追っかけていた作品、ようやく姿を現わしてくれた。これは10点ある3連画の一枚で子供のころの思い出が主題になっている。右のパネルからじっくり見るとおもしろい。先生が威厳をつくって上から見おろすように生徒たちをみつめている。中央で目を惹くのはシャボン玉を吹いているマネキン人形。

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2016.01.06

名画揃いの印象派コレクション!

Img     セザンヌの‘トランプをする人々’(1890~92年)

Img_0001  スーラの‘灰色の天気のグランド・ジャット島’(1886~88年)

Img_0003     ルノワールの‘ピアノの前の少女たち’(1892年)

Img_0002     ゴーギャンの‘二人の女’(1902年)

海外の美術館をまわるとそのつど心のなかにどーんと居座る作家がいる。今回、印象派ではセザンヌ(1839~1906)、フィラデルフィア美で念願の‘大水浴図’と対面できたのは生涯の思い出になりそう。この絵との出会いがメトロポリタンにある傑作にも心をむかわせた。それはMETにあるセザンヌでは飛びぬけていい‘トランプをする人々’。

この風俗画はざわざわしたところがない、農夫たちは静かにトランプ遊びに興じており対面している二人は息をしているのだろうかと思ってしまう。でも、案外ゲームに集中しているときはこんな雰囲気、若いころ夢中になってやっていた麻雀も真剣になればなるほど息を呑んで牌をつもっていた。

2013年のときはスーラ(1859~1891)は有名な‘サーカスの客寄せ’の1点だけだったが、今回は7年前にであった‘灰色の天気のグランド・ジャット島’と運よく遭遇。音の消えたスーラの点描画には強く惹きつけられる。大きな画集を一冊購入しようかとも考えている。

画面からでてくる色彩の磁力がかなり強かったのがルノワール(1841~1919)の‘ピアノの前の少女たち’とゴーギャン(1848~1903)の‘二人の女’、‘ピアノの前の少女たち’はリーマンコレクションの一枚で7年ぶりの対面。4月国立新美で開催される‘ルノワール展’に同名の作品がオルセーとオランジュリーからやって来るのがわかっているので、どの作品がもっともいいか見比べるため細部まで目に焼き付けた。

アメリカにあるゴーギャンのコレクションでワシントンのナショナルギャラリーと双璧をなすのがメトロポリタン。今回みた4点のうち圧倒的な存在感を発揮していたのがこれまでみたという実感がない‘二人の女’、昨年は汐留ミュージアムでもいいゴーギャンをみたからゴーギャンの当たり年だった。

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2016.01.05

質の高いロバート・リーマンコレクション!

Img_0002     アングルの‘ド・ブロイ公爵夫人’(1851~53年)

Img     ドンゲンの‘マリア’(1907~10年)

Img_0003     バルテュスの‘暖炉の前の人物’(20世紀)

Img_0001     ヴァラドンの‘横わたる裸婦’(1928年)

海外の美術館の場合、訪問の間隔があくと展示の場所やレイアウトが変わっていて戸惑うことがある。2013年に入館したときは1階にあるヨーロッパ彫刻と正面玄関をまっすぐ進んでいった奥のところにあるロバート・リーマンコレクションは改築中のため、期待していた作品がみれなかった。

ロバート・リーマンが蒐集した美術品は例外的に一か所にまとめられて展示されている。2008年のときどんな展示風景だった記憶が薄れているが、足を進めていくうちに古典絵画、グレコなど心惹かれた作品がまた目の前に現れた。

なんどみても感動するのがアングル(1780~1867)の‘ド・ブロイ公爵夫人、青いドレスの光沢のある絹の質感描写がもうクラクラするほど上手い。そして夫人の透き通るような白い肌、アンブル作品ではこの絵に特別な思い入れがある。

23年ぶりの対面となったのがバルテュス(1908~2001)の‘暖炉の前の人物’、はじめてみるのと変わりないのでとても新鮮だった。以前はバルテュスは鑑賞作品が少なくちょっと遠い存在だったが、今は2014年に開催された回顧展のおかげでその画風に目がだいぶ慣れてきた。

この部屋で大きな収穫だったのが関心を寄せているキース・ヴァン・ドンゲン(1877~1968)、赤の服と大きな目が印象深い‘マリア’、競馬場、そして海水浴の光景を描いた3点、ここでドンゲンをみたという記憶がないのでまったく想定外の展示、こういうサプライズに遭遇するのが美術館巡りの醍醐味。

ユトリロの母親で画家でもあったスザンヌ・ヴァラドン(1865~1936)、‘横たわる裸婦’のまえでは思わず足がとまった。これまでみたヴヴァラドンでは一番ぐっときた。

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2016.01.04

METのリカバリー作戦は上々!

Img_0001     レンブラントの‘アリストテレス’(1653年)

Img_0003     グエルチーノの‘ぺリシテ人に捕われたサムソン’(1619年)

Img_0002     プッサンの‘男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ’(1655年)

Img     ロランの‘船団に火を放つトロイアの女たち’(17世紀)

メトロポリタン美は巨大な美術館だから、東博のなかのようにお目当ての作品をめざして効率よく足を動かすことができない。日本語版の美術館案内パンフレットをじっくりながめている時間がもったいないので、今いる部屋がどの時代の作品かをまず1,2点みてあたりをつけ、次は横の部屋か前の部屋に進むかを決めていく。

なんとなく着いた部屋はレンブラント(1606~1669)がどどっと展示してあった。日本の京都で‘フェルメールとレンブラント’展が開催中のため、ここにあるレンブラントはその出品作分だけ少なくなっているのだろう。

METにあるレンブラントのベストワンはなんといっても‘アリストテレス’、このティツィアーノの‘粗い仕上げ’を意識した描き方は少し離れてみると極上の出来栄えになっている。目を奪われるのが金鎖の輝き、見事な金属の質感表現を息を呑んでみていた。

昨年、回顧展が西洋美であったグエルチーノ(1591~1666)、作品をたくさんみたお陰でMETにある作品にも事前のチェックが入るようになった。今回、この‘ペリシテ人に捕らわれたサムソン’とボストン美にある1点をリカバリーした。後姿のサムソンの足の描き方はまさにカラヴァッジョ風。

日本ではなかなか遭遇しないプッサン(1594~1685)とロラン(1604~1682)、プッサンはすでにみている‘日の出を探し求める盲目のオリオン’や‘サビニの女たちの略奪’はさらっとみて初対面の‘男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ’に鑑賞エネルギーの多くを注ぎ込んだ。動きのある人物描写に目がかっと開く感じ。

クロード・ロランの理想化された風景画が神話物語の背景になっている画風にとても魅せられている。以前読んだウェルギリウスの‘アイネイアス’の一節を思い出しながら画面の隅から隅まで丹念にみた。

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2016.01.03

テンションが上がりっぱなしのメトロポリタン美!

Img_0005     ベルニーニの‘バッコス祭’(1616~17年)

Img_0002     ラ・トゥールの‘女占い師’(1630年代)

Img_0001     ラ・トゥールの‘マグダラのマリア’(1638~43年)

Img_0004     カラヴァッジョの‘合奏’(1595年)

5度目の訪問となるメトロポリタン美、今回は館内には2時間くらいいた。3年前のときはアメリカ絵画と近現代アートに多くの時間を割き、ここにある絵画コレクションでみたい作品はだいたい目のなかにおさめた。そのため、手にもっている必見リストにリストアップしているのは数点だけ。

まず、むかったのは絵画ではなくベルニーニ(1598~1680)の彫刻、‘バッコス祭’。前回ヨーロッパの彫刻作品が展示されているところは改修工事中、そのためベルニーニの大理石彫刻はみることができなかった。展示されているのは1階、レイアウトが変わっているので案内係に飾ってある部屋をピンポイントで教えてもらった。

子供たちがファウヌスにじゃれつくところを描いたこの群像彫刻を図録でみてから20数年経つが、ようやく像の前に立つことができた。アメリカでベルニーニがあるのはメトロポリタンだけ。神業的な技の冴えをじっくりみた。

このメインディッシュをみれたから気分がぐっと楽になった。次に足がむかう先はラ・トウール(1593~1652)の‘女占い師’、23年前一度みたが、2008年、2013年の2回とも空振り、どういうわけか姿を見せてくれなかった。だから、2008年以降ずっと消化不良が続いていた。

今度はどうだったか、一度みたら忘れられないあの老婆(女占い師)がいました、いました!詐欺やペテンを主題にして描いた作品ではカラヴァッジョ(1571~1610)の‘いかさまトランプ師’とこの‘女占い師’がMyベストワン。好きな絵をみるときはワクワクする。ニヤニヤしながらみていた。

その隣にあったのがラ・トウールのもうひとつの作品、‘マグダラのマリア’、この主題で描かれた作品は全部で4点あるが、この絵ではろうそくの炎が二つある。暗い部屋で膝の上に髑髏を置いているマリア、ろうそくの光に照らし出されるマリアの横顔と胸元がまるで発光体のように輝いていた。

METにあるカラヴァッジョは3点、‘合奏’はどのカラヴァッジョ本にもでてくるが、あとの2点は真作かどうか意見の分かれるところ。横で熱心にみていた男性も同じことを口にしていた。

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2016.01.02

楽しかったニューヨーク名所観光!

Img     トップオブザロックからのNYの夜景

Img_0001     ワン・ワールド・トレードセンター

Img_0002     グランド・ゼロにできた池

Img_0003     リバティ島の自由の女神

3年ぶりのニューヨーク、前回とくらべ今度の市内観光はとても楽しかった。フィラデルフィアからはバスだと2時で着く。ホテルで夕食を食べたあと、人気の夜景スポット、トップオブザロックに出かけた。

ここからの夜景がいいことは前回現地ガイドさんから聞いていたが、自由時間はほかの場所で楽しんだのでお預けになっていた。展望台はロックフェラーセンター内のロックフェラー・プラザの67階~70階、写真の左がエンパイアステートビルで真ん中がワン・ワールド・トレードセンター。

グランドゼロにできたワン・ワールド・トレードセンターは前回はまだ建設中だった。すばらしい夜景の一角をなしていた新ビルは天にのびるような細長い二等辺三角形の面が目を惹くスッキリデザインの造形物だった。崩壊したビルの跡地には四角の池ができ、水面を見下ろすようになっている。そして、池をとりかこむ部分には犠牲者の名前が刻まれている。

25年前NYにはじめて来たとき、リバティ島に上陸しあの自由の女神をまじかでみた。それから時が流れ、再度近くまで行くことになった。バッテリーパークからフェリーに乗ると15分で着くのに、フェリーが出発するまで乗船客は入念に持ち物チェックをされる。ベルトをはずしたり、コートを脱いだり空港の検査と変わりない。

自由の女神の像の高さは46m、まじかでみるとその大きさにびっくりする。この大きさを体験した隣の方も満足した様子。絵でも彫刻でも巨大なものは見る者を圧倒する。像の大きさ、その象徴性により自由の女神はNYの街にとって特別な存在となっている。

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2016.01.01

謹賀新年 2016年前半展覧会プレビュー!

Img      伊藤若冲の‘猿図’(18世紀)

今年も拙ブログをよろしくお願いします。わが家の1年はここ10年展覧会の鑑賞計画づくり、TVの美術番組のカレンダー記入、そして大リーグの応援でまわっている。だから、これから行われる展覧会へ出かける段取りをきめることは生活のリズムをつくるうえで大切なルーティン。手元に入っている情報をもとに気になる展覧会をまとめてみた。

★西洋美術
 フェルメールとレンブラント  1/14~3/31 森アーツセンター
 ボッティチェリ展       1/16~4/3    東京都美
 大原美展           1/20~4/4    国立新美
 原田直次郎展         2/11~3/27   埼玉県近美
 モランディ展         2/20~4/10 東京駅ギャラリー

 カラヴァッジョ展       3/1~6/12    西洋美
 黒田清輝展          3/23~5/5    東博
 ルノワール展         4/27~8/22   国立新美
 カサット展          6/25~9/11   横浜美
 オルセー蔵ガレ展       6/29~8/28   サントリー美

★日本美術
 福井県美展          1/16~2/16   横浜そごう美
 勝川春章展          2/2~3/27    太田記念美
 勝川春章展          2/20~3/27   出光美
 宮川香山展          2/24~4/7    サントリー美

 江戸絵画 夢と空想      3/12~5/8    府中市美
 ボストン美国芳・国貞展    3/19~6/6    Bunkamura
 安田靫彦展          3/23~5/15   東近美
 若冲展            4/22~5/24   東京都美

(注目の展覧会)
昨年、西洋絵画が好きな人と会うたびにPRしていたのが‘カラヴァッジョ展’と‘ルノワール展’、15年ぶりに開かれるカラヴァッジョの回顧展、出品されるのは10点。西洋美の主催といっても10点は無理だろうと思っていたが、二桁にのせるとは!これは嬉しい誤算。2001年の12月、岡崎市美でみたときは7点、西洋美のがんばりは特筆もの。10点全部の情報はまだないが、追っかけ画の‘エッケ・ホモ(この人を見よ)’が入っていたので安堵している。新規作品のプラスαがまだあるのか、期待して待ちたい。

ルノワール展は本当にすごいことになりそう。オルセーとオランジュリーにあるルノワールを全部みせちゃうというのだから、多くのルノワールファンの心を鷲づかみすることは間違いない。その目玉があの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’、この絵とワシントンのフィリップスコレクションにある‘舟遊びの昼食’がルノワールの最高傑作、開幕が待ち遠しい!

日本美術で最も期待しているのは太田記念美と出光美で開催される‘勝川春章展’、勝川春章の名は美人肉筆画の名手として、粋な江戸っ子たちには知れ渡っていた。どれだけ揃うか楽しみ。

昨年に引き続き回顧展が行われる若冲、今度は単独興業、まだみていない作品に何点出会えるか。‘動植綵絵’がメインデイッシュとなると、あまり出てこないかもしれない。はたして?

今年の干支は猿、若冲にいい猿の絵があった。

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