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2015.12.19

琳派のDNAを受け継いだ画家たち!

Img_0004     今村紫紅の‘龍虎’(1913年 埼玉県近美)

Img     山口蓬春の‘扇面流し’(1930年 山口蓬春記念館)

Img_0003        福田平八郎の‘花菖蒲’(1934年 京近美)

Img_0001    前田青邨の‘罌粟’(1930年 光記念館)

2004年に東近美で琳派展が開かれたとき、最後の展示室に明治以降に活躍した日本画家の作品や海外のボナール、マティスやクリムトの作品などが一緒に並んだ。こういう構成は従来の琳派の展覧会にはなかったので、戸惑いを覚えた美術ファンからネガティブな声があがった。‘どうして琳派展にマティスの絵があるの?’

11年前この展覧会を担当した古田亮氏(現在は東芸大准教授)は今回の‘宗達展’の企画メンバーに名を連ねている。そのため、展示の最後の締めとして日本画家の作品が再度ラインナップされている。50ドルした図録(ハードカバーでないものは40ドル)には全部で14点載っている。だが、展示替えがありお目にかかったのは9点。

一部?があったが多くの作品は琳派のDNAがしっかり受け継がれているなと思わせるもの。ここにあげた今村紫紅(1880~1916)の‘龍虎’、山口蓬春(1893~1971)の‘扇面流し’、福田平八郎(1892~1974)の‘花菖蒲’は2004年のときも出品された。

‘龍虎’は宗達の‘風神雷神図屏風’のイメージと重なるし、‘扇面流し’は宗達の‘洗面散図屏風’(出光美)や光琳の流水模様がすぐ頭に浮かぶ。そして、平八郎の‘花菖蒲’は光琳の‘燕子花図屏風’が現代に蘇った感じ。歴史画を得意とした前田青邨(1885~1977)にも光琳の燕子花のもつ豊かなデザイン性とリズミカルな動きをよく消化した‘罌粟(けし)’という傑作がある。

こうした作品を描いた画家たちは現代における琳派の後継者のようにみえるが、画業のすべてが琳派の画風にどっぷりのめりこんでいるというわけではない。絵画の可能性をつきつめるなかで琳派にみられる色彩性とか装飾的な要素が画家の絵心を強く刺激したのである。

現代琳派の極め付きのような加山又造の‘千羽鶴’は残念ながらみれなかったが、この絵が展示してあったときの様子が目に浮かぶ。この絵をみたアメリカの人たちは宗達や光悦を祖とする琳派の美と精神は日本では脈々と現代のアーティストに受け継がれていることを深く感じたにちがいない。

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