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2015.11.25

近代日本美術の煌き! 1931年(昭和6) その二

Img_0002     川合玉堂の‘鵜飼’(東芸大美)

Img_0004     小茂田青樹の‘虫魚画巻’(東近美)

Img_0001     安井曾太郎の‘外房風景’(倉敷 大原美)

Img     橋本平八の‘幼児表情’(東近美)

画家のなかには一つのモチーフを何度も描く画家がある。例えば伊藤若冲といえば、鶏の絵がいっぱいある。そして富士山なら横山大観、

川合玉堂(1873~1957)が数多く描いたのは鵜飼。過去2度大きな回顧展を体験したのでいい鵜飼の絵に出会った。ところが、追いかけていた鵜飼の絵は出品されなかった。それは東芸大美が所蔵するもの。この鵜飼の最高傑作といわれる作品に会えたのは8年くらい前、ようやく東芸大美で願いが叶った。

うわさに違わず感動する絵だった。鵜匠と鵜がぴたっと呼吸をあわせ一心不乱に魚をとっている。川の水面は大きく揺れ鵜はひっきりなしにもぐっといく、それを明るく照らすかがり火、その煙が小舟の上をゆらゆら流れていく様がどこか能の舞台の光景を思わせる。中央の大きな岩のむこうに目をやるとそこにもかがり火がたかれ真剣勝負の真っ最中。この絵は一生の思い出。

東近美でときどき全点展示され‘虫魚画巻’は小茂田青樹(1891~1933)の代表作。6点ある虫や魚のなかでもっとも夢中にさせるのはここにあげた2点。ともに夜の光景。上で描かれているのはあざみの花と蜘蛛の巣の組み合わせ、下は月明りで乱舞する蛾の群れが主役で脇をかためるのはアマガエルやバッタ。

小さいころ巣をはった蜘蛛をよくケンカさせて遊んだ。だから、この黒地に黄色の太い線が横にのびる蜘蛛をみると敏感に反応する。青樹は蜘蛛の歯がするどいことを知っているので、二匹の蜘蛛と赤紫の花は魅惑的だがとげがあるのでちょっと手にするのは敬遠されるあざみをコラボさせようと思ったのかもしれない。

来年1/20~4/4に国立新美で大原美コレクション展が開催される。楽しみにしているが、出品作のなかに入っていてほしいのが安井曾太郎(1888~1955)の‘外房風景’、みればみるほど安井はセザンヌが好きだったのだなと思う。もう何年もみていないので再会したい。

橋本平八(1897~1935)は三重県の伊勢市出身の彫刻家、これまでお目にかかった作品はほんの片手ほど、東近美でお馴染みなのが‘幼児表情’。このタイトルがいい。子どもはどうも機嫌がよくない感じ。自分のいうようにならなくのでお母さんに反抗しているよう。

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