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2015.11.23

近代日本美術の煌き! 1930年(昭和5) その三

Img_0002          小茂田青樹の‘春の夜’(埼玉県近美)

Img_0001     小川芋銭の‘狐隊行’(茨城県近美)

Img     バーナード・リーチの‘鉄絵組合せ陶板・獅子’(倉敷 大原美)

美術の書物が並んでいるなかでとりわけ手に取るのが楽しいのが一人の画家の作品をどっと集めた画集。その大半は美術館で開催された回顧展の図録。お気に入りの画家についてはこうした図録が一通り揃っているのが理想。

今年つけ加わったピースは日本画では小杉放菴、田能村竹田、久隅守景の3人、今日とりあげる小茂田青樹(1891~1933)と小川芋銭(1868~1938)はまだここに入ってない。

小茂田青樹は5月世田谷美で行われた‘速水御舟とその周辺’展でお目にかかる機会があり新規に10数点みることができた。速水御舟(1894~1935)と同じような細密描写もあれば琳派的な作品もある。御舟と青樹の作品をみていると太陽の周りをまわ双子の惑星のように思えてならない。

埼玉県近美にある‘春の夜’はとてもユーモラスな絵。猫が獲物をつかまえようとしのび足ですすんでいるところを木の枝にとまったみみずくがじっとみている。空間構成が巧み。ぱっとみると猫とみみずく、そして梅の木のシールをぺたぺたと貼ったようにみえるが、地面に散らばった花びらによってみみずくのいる木は猫のいる地点からだいぶ離れたところに立っているようにみえる。でも、みみずくは猫の真上にいる感じ。これは一種のだまし絵。

芋銭の‘狐隊行’には口元が思わずゆるむ。狐火をくゆらせながら湖畔を進んでいく狐たち、先頭の狐がちょうど真ん中にいるので画面のなかに動きができている。狐たちは水平に進み、野の草のなかにのびる道はくの字に曲がっている。なんとはない光景だが長く心に残る。

倉敷にある大原美には民藝派の陶芸家のいい作品が数多くある。そのひとつがバーナード・リーチの獅子を描いた陶板。こんな口裂け女みたいな口をした獅子はみたことがない。そして、手足を四方にくねらせる姿は獅子がもっているパワーを全開させている感じ。元気をもらう作品とはこのこと。

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