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2015.10.11

近代日本美術の煌き! 1912年(大正1)

Img_0003_2     今村紫紅の‘近江八景’(重文 東博)

Img_0002_2     横山大観の‘瀟湘八景’(重文 東博)

Img_2     土田麦僊の‘島の女’(東近美)

Img_0001_2          萬鉄五郎の‘裸体美人’(重文 東近美)

東博の平成館で特別展があるときはその後本館へまわって平常展示をみるのがいつものパターン。必ず寄る部屋は決まっていて1階の日本画が飾ってあるところと2階の浮世絵コーナー。

今は東博の平常展示を見る回数はぐんと減っているが、以前は熱心に通っていた。東近美にある日本画も傑作ぞろいだが、ここにある作品の特徴は縦長の大きなものが多いこと。これはみごたえがある。だから一度にでてくる作品は10点くらいでも、いい絵をみたという印象が強く残る。

今村紫紅(1880~1916)の描いた作品で重文に指定されているのは‘近江八景’と‘熱国之巻’、いずれも東博の所蔵、東博によく足を運んでいたときはこの2点をみるのが大きな楽しみだった。琵琶湖周辺の名所を描いた‘近江八景’は天性のカラリスト、紫紅のすかっとした色彩表現が存分に発揮された作品。

右から‘唐崎’、‘粟津’、‘三井’、‘比良’と並んでいるが、とくに目に焼きつくのは‘比良’の青、雲などの白との鮮やかなコントラストをつくり海と山の美観を強調している。

1910年に中国を旅した横山大観(1868~1958)は北宋時代から多くの画家によって描かれた瀟湘八景に取り込んだ。8点あるなかでお気に入りは右の‘漁村返照’、ここには色彩があふれている。画面の多くを占める黄色、子どもと男たちの衣装の橙色、そして手前の緑の葉っぱ。従来の瀟湘八景のイメージとは趣が随分異なる大観流の瀟湘八景、絵画は時代の空気にあわせて変っていくものだということがよくわかる。

土田麦僊(1887~1936)の‘島の女’と萬鉄五郎の‘裸体美人’は東近美でお馴染みの名画。日本画家というのは伝統的な日本画ばかりみているわけではなく、西洋絵画の技法も貪欲に自分の作品に取り入れている。‘島の女’はゴーギャンの影響を受けている。わけもなく惹かれるのは右のしゃがんだ女、目と目の間が大きくあいたぺちゃんとした顔がほわんとしていい。

この女性に対して強力な磁力を放っているのが萬鉄五郎の‘裸体美人’、はじめてみたときはちょっと引いたが、どういうわけか何度も会っているうちに好きになった。強い母性愛とか生活力を感じさせる女性の体の力にいつも圧倒される。

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