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2015.10.30

近代日本美術の煌き! 1921年(大正10)

Img_0001     岸田劉生の‘麗子微笑’(重文 東博)

Img_0002     冨田渓仙の‘祇園夜桜’(横山大観記念館)

Img     小茂田青樹の‘出雲江角港’(東近美)

クラシック音楽に何度聴いても心がゆすぶられる名曲があるように、絵画の世界にもみるたびにいい気持になる絵がある。岸田劉生(1891~1929)の‘麗子微笑’はそんな名画のひとつ。

何点も描かれた麗子像のなかで‘麗子微笑’はほかとはまったく雰囲気がちがう。このときだけ劉生は美の女神ミューズにとりつかれ特別な状態にあったのか、麗子から神秘的な美しさをひきだした。こんなすごい絵が日本の画家の手によって生み出されたことが日本人としてすごく嬉しい。

とりわけ惹きつけられるのが涼しげな目ときれいな口、真正面ではなく斜めを向いたポーズはおかっぱの髪とバランスのとれた顔の美しさを浮かび上がらせ視線を釘づけにする。また、毛糸の質感が見事に表現された肩掛けの赤が強く印象に残る。この絵をみれることは大きな喜び。

横山大観が名画‘夜桜’を描くとき触発されたのが冨田渓仙(1879~1936)の‘祇園夜桜’、水墨表現の山を背景にして月の光に照らされた円山公園の枝垂れ桜は能の幽玄の世界を現出しているよう。2009年運よく茨城県近美で開催された大規模な富田渓仙展に遭遇し、渓仙の魅力を再認識した。

速水御舟(1894~1935)と親しい間柄であった小茂田青樹(1891~1933)は川越の出身、以前川越市美へ橋本雅邦展をみるために出かけたとき、ここにも小茂田の作品があることを知った。十数年前回顧展も行われている。30歳のとき描いた‘出雲江角港’は風景画のなかでは一番気に入っている。

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