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2015.10.18

近代日本美術の煌き! 1915年(大正4)

Img_0004     下村観山の‘弱法師’(重文 東博)

Img_0002     今尾景年の‘花鳥之図’(左隻 三の丸尚蔵館)

Img     岸田劉生の‘道路と土手と塀’(重文 東近美)

Img_0001     山下新太郎の‘端午’(ブリジストン美)

下村観山(1873~1930)は菱田春草(1874~1911)よりひとつ年上で春草が37歳で亡くなった4年後に最高傑作‘弱法師’を描いた。この絵は重文に指定されていることもあって、東博の平常展で展示されることが極めて少ない。だから、以前足しげく通っていたときみたのか記憶があやふや。

最近では2年前横浜美の大規模な回顧展でお目にかかった。印象深いのはユニークな構図。すぐ目に飛び込んでくるのが左の大きな太陽、西方浄土に沈む太陽ということでこういう低い位置に描かれているが、ほかの作品ではあまり見ない。画面の多くを占めるのが咲き乱れる梅、その枝ぶりに視線が釘付けになる。そして、右にいる盲目の俊徳丸。顔がまるで老人。悲しい弱法師物語が見事に絵画化されている。

今尾景年(1845~1924)の作品をみた回数は多くないが、いつもぐっと引き込まれる。それくらいこの画家の技術は卓越している。三の丸尚蔵館にある‘花鳥之図’も立ち尽くしてみていた。端正な構図といい、色彩の強さといい一級の花鳥画である。

岸田劉生(1891~1929)は洋画家のなかでは青木繁(1882~1911)とともに特別な存在、この二人はヨーロッパへ行って本物の西洋絵画を目にするという経験がないのにすごい油絵を描くのだから、その才能はとびぬけていたというほかない。

‘道路と土手と塀’は自然の質感が完璧に表現された驚くべき作品。でこぼこの赤土の道路、そこにある小石や草は今まさに現場にいてじっと眺めているような気分になる。どうして対象をこんなにリアルに描けるの、デューラーの絵の図版をみてその細密描写を再現してみせる技はどんなものだったのか、一度きいてみたい。

ブリジストン美は洋画家のいい絵を沢山所蔵しているが、山下新太郎(1881~1966)の‘端午’も忘れられない一枚、窓の向こうで鯉のぼりが勢いよく風に吹かれているのがとてもいい。もちろんMy好きな子ども絵にしっかり登録されている。

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