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2015.10.15

待望の‘久隅守景展’!

Img     国宝‘納涼図屏風’(17世紀 東博)

Img_0001     ‘鍋冠祭図押絵貼屏風’(17世紀)

Img_0003     ‘四季耕作図屏風’(右隻部分 17世紀 東博)

Img_0004     ‘賀茂競馬図屏風’(部分 17世紀 神奈川・馬の博物館)

先週の土曜日からサントリー美ではじまった‘久隅守景展’(10/10~11/29)は今年行われる日本美術関連の展覧会ではもっとも期待していたもの。チラシには代表作の国宝‘納涼図’のほか鑑賞欲を駆り立てる作品が載っているから、東博の平常展とくらべたら楽しみは大きい。

風俗画はとても好きなので‘納涼図’や初見の‘鍋冠祭押絵貼屏風’を夢中になってみてしまう。瓢箪の下で両親と子供が夕涼みをしている光景を描いた‘納涼図’、視線がながくとどまっているのは右手の肘を筵につけほおずえをついている男の姿。この格好があまりに印象深いので女と後ろにいる子どもの存在感がだいぶ薄くなる。

今回もっともみたかったのはおかめ顔の女が気を引く‘鍋冠祭図’、15年くらい前、サントリー美がホテルニューオータニの近くにあったころ行われた展覧会に登場した。ところが運悪く、展示替えで見逃した。それから、リカバリーを望んでいたが、その機会に恵まれずこんなに時が流れた。そして、奇しくも同じサントリーが主催する久隅守景展でお目にかかれることになった。素直に嬉しい。

これは絶対外せないので前期に出かけたが、もうひとつみたくてしょうがない鷹狩の絵は残念ながら後期の(11/5~11/29)の展示、一回で済ましたいがなかなか思い通りにはいかない。この‘鍋冠祭’、左の女はおもしろい恰好をしている。一体どうして鍋をかぶっているの?しかもひとつではなく五つも?

女たちはいい仲になった男の数だけ鍋を被って神社に参詣する。もし偽って数を申告すると神様からひどく怒られる。女の顔はみえないが鍋が五つもあるから男がほっておかないほどいい女なのだろう。それにくらべみじめなのは器量の悪い右の女、毎年鍋は必要ないかもしれない。

‘四季耕作図’は今回全部で7点でてくる。東博蔵のものはときどき平常展示でお目にかかる。時間は左隻から右隻に流れていて、これは右隻の皆で行っている脱穀などが描かれた部分。こういう農村の風景を目にするのはじつに楽しい。

はじめてみた‘賀茂競馬図’も目に力が入る一枚。後期に登場する大倉集古館にあるものと比べると疾走する馬の数が多く、レースの最後のところで二頭は後ろ足を大きくあげ激しく前のめりになっている。馬の絵はみているとこちらの体もつい左右に動く。

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コメント

守景の作品を初めてまとまって見ることのできた貴重な展覧会でした。ユーモアもあるせいでしょうか、全体として、なんかほっとするような、肩の力が抜けるような作品群でした。

前日に三菱一号館美術館の『プラド美術館展』に行っていたせいか、西洋絵画との違いを特に強く意識しました。余白のない(隙のない?)西洋絵画に比べ、久隅守景のたっぷりとした余白。『四季耕作図』で犬の喧嘩が描かれていたり、主題自体が面白い『鍋冠祭図押絵貼屏風』など遊び心も随所に見られますね。淡彩の微妙な色合いも癒されるような思いでした。

投稿: ケンスケ | 2015.10.16 20:53

to ケンスケさん
四季耕作図は時間がたつのも忘れて画面の
隅から隅までついじっくりみてしまいます。

風俗画は農村の絵にしても洛中洛外図のような
街の賑わいを描いたものでも、人々の暮らし
の様子を知ることができるのでみてて楽しい
ですね。

久隅守景は狩野派に学びながらその枠をはみ
だして、鍋冠祭みたいなおもしろい絵を描
くのですから、魅力のある画家ですね。
後期は鷹狩をじっくりみようと思います。

投稿: いづつや | 2015.10.18 01:13

守影の農村を表した絵は、西洋でいえばピーテル・ブリューゲルの作品にも通じるものがありますね。

ところで、いつづやさんはBunkamuraの『風景画の誕生展』には行かれましたか。16世紀のレアンドロ・バッサーノの『月歴画』が展示されていて、そちらは北イタリア・ヴェネト地方の麦の収穫やバター作りなどの農村風景が描かれていて、守影の『四季耕作図』での田植えなど米作りに関する農村風景と重なります。時代もほぼ同じで、興味深く感じられました。

投稿: ケンスケ | 2015.10.18 09:22

to ケンスケさん
風景画の誕生展はパスし、そのあとのラファエロ
前派に期待しています。ヨーロッパの風俗画は
ブリューゲルとルーベンス、シャルダン、ルナン
には魅了されてますが、オランダの画家の作品は
昔から心が動きません、ハルス、フェルメールは
例外として。とくにブリューゲルはいいですね。

風景画の誕生展は目玉がないので今回はやめました。

投稿: いづつや | 2015.10.18 17:43

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