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2015.10.07

近代日本美術の煌き! 1909年(明治42) その二

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Img_0001     菱田春草の‘落葉’(重文 永青文庫) 上が右隻で下が左隻

Img        横山大観の‘流燈’(茨城県近美)

Img_0003     涛川惣助の‘七宝花鳥図三十額 駒鳥に藤’(迎賓館)

菱田春草(1874~1911)の‘落葉’は明治以降に描かれた日本画のなかで最上位にランクされる絵のひとつであることは間違いない。作風のちがいはあるものの、絵のもっている雰囲気は長谷川等伯の‘松林図’と似ており、いつも特別な思いでみている

この絵をみると心がすごく落ち着くのは林のなかを落ち葉を踏みしめながら歩いているような気分になるから。琳派のたらしこみの技法で描かれた木々はよく計算されて配置されているため、この静かな空間をついぶらぶらと奥のほうに進んでみたくなる。同じような感覚は‘松林図’でもおこる。東博でわりと頻繁に展示される‘松林図’のように‘落葉’とのつきあいが何度もあると心はとても豊かになる。

横山大観(1868~1958)が春草と一緒に旅したインドでの体験をもとに描いたのが‘流燈’、大観は不評だった朦朧体から脱却して色彩の美しさをだしたこの絵にきっかけに新たな日本画を切り開いていく。描かれているのはベナレスを流れるガンジス河で見た光景。

盛装した未婚の女性は石段から降りてきて燈がついているかわらけをガンジス河に流す。そのかわらけはみている間に沈まなければ前途は幸運に満ちている。真ん中と左の女性は美しい表情をみせているので幸せになれそう。

1909年に完成した迎賓館の部屋に飾る七宝の制作を依頼されたのが無線七宝で高い評価を受けていた涛川惣助(1847~1910)、今年その‘花鳥図三十額’をようやくみることができた。‘花鳥の間’でうけた感動の余韻が今も残っている。

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