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2015.10.21

近代日本美術の煌き! 1917年(大正6) その二

Img_0003     板谷波山の‘葆光彩磁珍果文花瓶’(重文 泉屋博古館分館)

Img_0004     板谷波山の‘葆光彩磁チューリップ文花瓶’(石川県美)

Img_0001     松岡映丘の‘道成寺’(右隻 姫路市美)

Img     関根正二の‘天平美人’(大阪市近美準備室)

美術家の多くは完璧主義者。明治以降に活躍した作家でとくにそれを感じるのは美人画の上村松園(1875~1949)と陶芸家の板谷波山(1872~1963)。

これまでみてきた二人の回顧展でちょっと出来が悪いなと思わせるものはほとんどない。とにかくどの作品も完璧に仕上がっているという感じ、松園は思い通りの線が引けなければ何度も描き直したというし、波山はやきあがった花瓶にちょっとでもひびが入っていたら家の裏にいき割ってボツにしたという。

波山の作品で重文に指定されているのは2点あり、そのひとつが泉屋博古館分館が所蔵する‘葆光彩磁珍果文花瓶’、昨年同館で開催された没後50年の記念展で久しぶりに会った。波山の代名詞となった葆光釉が全体に完璧にかけられ、吉祥の果実の桃や枇杷、葡萄の文様が端正に品よく描かれている。

同じ年につくられたチューリップの葆光彩磁も目を楽しませてくれる。見惚れてしまうほどいい形をした花瓶でチューリップがアールヌーヴォー調にS字の曲線で描かれている。やさしくて洒落た感覚の意匠は波山の精神の純粋さがそのまま表れている。これをみるたびに波山に惚れ直す。

松岡映丘(1881~1938)はやまと絵の美を伝統を受け継いだ画家。兵庫県の生まれで民俗学者の柳田国男は実のお兄さん。今村紫紅の‘護花鈴’がダブってくるのが安珍・清姫伝説を画題にした‘道成寺’、描かれているのは清姫の怨霊が道成寺の鐘の再興供養に白拍子に化身して現れる場面。鐘のなかに入り、蛇に戻っていく。

20歳の若さで亡くなった関根正二(1899~1919)、残された作品をみるたびに天才だなと思う。肖像画だけでなく青木繁を連想させる‘天平美人’のような歴史画も描いていた。

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