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2015.10.02

近代日本美術の煌き! 1907年(明治40) その二

Img     青木繁の‘わだつみのいろこの宮’(重文 ブリジストン美)

Img_0001     小林萬吾の‘物思い’(東芸大美)

Img_0002     和田三造の‘南風’(東近美)

Img_0003     大下藤次郎の‘穂高山の麓’(東近美)

絵画を西洋画、日本画、浮世絵などいろいろみてきてふと思うことがある。それは日本人が絵を描くことが非常に得意な民族だということ。とくにそれを感じるのは漫画の原点ともいえる鳥獣戯画、印象派に影響を与えた浮世絵、そして明治時代に描かれた洋画。

その洋画のなかで突出しているのが2人いる。青木繁(1882~1911)と岸田劉生(1891~1929)。青木の作品で心に強く残るのは人物描写、重文に指定されている‘わだつみのいろこの宮’で視線を釘づけにするのは奴婢と一緒に壺をもち木の枝に腰掛ける山幸彦をみつめる豊玉姫。

青木が人物を描くときの特徴はこの絵でも‘海の幸’でも‘大穴牟知命’でもそうだが、一人の女性に強い磁力をださせほかの男女は存在感をうすめて描くこと。そして、その女性が現在みているTVのドラマやCMにでてくる俳優やタレントを連想させるほどリアルで生の感覚があるためコロッと参る。青木の絵が長く愛される由縁である。

画家のなかには作品を数多くみているのではないのに一枚とても気になる絵があり、その名前が心にずっととどまっている画家がいる。小林萬吾(1870~1947)の‘物思い’はそんな一枚。この絵を実際にみたのは1回か2回だが、画集で何年もおつきあいしているから、この柱にもたれかかっている少女には親しみを覚える。本を手にしてじっと前をみつめる姿はタイトルそのもの。まるで映画のワンシーンをみているよう。

東近美へでかけるとよく出会うのが和田三造(1883~1967)の‘南風’と大下藤次郎(1870~1911)の水彩画の傑作‘穂高山に麓’、強烈なインパクトをもった筋肉隆々の男性が印象深い‘南風’は勝手にジェリコーの‘メデュース号の筏’の日本版と思っている。

海に比べると山とは薄い人生を送ってきたので山の美しさが体に多くしみこんでないが‘穂高山の麓’みると、もっと山歩きをしておけばよかったなと後悔する。はじめてこの絵をみたときの感動が今でも忘れられない。

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