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2015.10.25

近代日本美術の煌き! 1919年(大正8) その一

Img_0001          竹久夢二の‘黒船屋’(竹久夢二伊香保記念館)

Img_0002          村上華岳の‘日高河清姫図’(重文 東近美)

Img     松田権六の‘草花鳥獣文小手箱’(東芸大美)

美術本や画集かなにかで気に入った絵があったとする。それをみる機会というのは普通は美術館で開催される企画展とか回顧展。作品を所蔵しているのが美術館でも個人のコレクターでもこういう展覧会をじっと待っていると願いはまあまあ叶えられる。

ところが、美術館のなかには所蔵している作品を自館でしか公開しないことを決めている美術館があるので、それをみるためにはどうしてもその美術館を訪問しなければならないことがある。典型的な例が熱海のMOAにある尾形光琳の‘紅白梅図屏風’、この傑作は春の時期にしか展示されない。

また、例外的に事前に予約をして対面する絵がある。それは竹久夢二(1884~1934)の代表作‘黒船屋’、展示されるのは年一回、9/16を中心に二週間、10年くらい前、事前に日時を決めて伊香保にある記念館を訪問した。予約をしていたのはわれわれともう一組の4人、この絵は20年前特別につくられた和式の部屋に飾ってあり、畳に座ってみるようになっている。そして、ここでしか聞けない話ををふくめて学芸員が丁寧に解説してくれる。予約までしてみるなんてことは他の絵ではない。大好きな絵だからこそ特別な手続きをして伊香保まで出かけた。一生の思い出である。

村上華岳(1888~1939)が安珍清姫物語を題材にして描いた‘日高河清姫図’は鈴木春信の美人画の雰囲気が重なってくる作品。目を閉じたやさしくてか細い感じの女の姿からは蛇になって安珍を追っかけるところはちょっと想像しにくい。華岳はそのイメージのギャップをあえて使って女心の激情さを表現したかったのかもしれない。

漆芸家のスーパースター、松田権六(1896~1986)の‘草花鳥獣文小手箱’は東芸大の卒業制作で満点をとった名品。ぐるっとまわってみると跳びはねる鹿や兎の躍動感が目に飛び込んでくる。こういう目を見張らせる蒔絵をみていると本当に楽しい。

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