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2015.09.08

近代日本美術の煌き! 1890年(明治23) その二

Img_0002       橋本雅邦の‘白雲紅樹’(重文 東芸大美)

Img_0001          小堀鞆音の‘那須宗隆射扇図’(山種美)

Img     浅井忠の‘収穫’(重文 東芸大美)

いい絵に一点でも多く出会いたいと常日頃思っているが、好きな画家のベストラインナップ、例えば5点が目のなかに入れば200%満ち足りた気持ちになる。そして、そのなかに最高傑作が含まれていればもう安心してその画家には済マークがつけられる。

橋本雅邦(1835~1908)の場合、傑作中の傑作は‘白雲紅樹’と‘龍虎’(静嘉堂文庫美)、ともに重文に指定されている。中国の影響を受けた山水画をはじめ日本画には数多くの風景画が存在する。そのなかで、雪舟は別格なので横に置くとして心に響く風景画がすぐ浮かんでくるのは円山応挙、橋本雅邦、川合玉堂の3人。

雅邦の大作‘白雲紅樹’は東芸大美に出かけているとちょくちょくお目にかかれる。この絵がすばらしいのは滝から落ちる水の白さ、胡粉の白がこれほど印象深く感じられる作品はなかなかない。そして、滝の上の楓の赤と木々の緑にも目を奪われる。奥行きのある構図、風景画の魅力をいっそうひきだす色使い、どこからみても一級の風景画である。

小堀鞆音(こぼりともと 1864~1931)が描いた歴史画のなかでお気に入りは‘武士’と‘那須宗隆射扇図’、平家物語にでてくる那須与一の話は小さいころインプットされたが、棹に掲げられた扇を見事に射落とすという場面を絵画でみたのは大人になってから。山種美でこの絵と対面し小堀鞆音という画家の存在を知った。

農民画というと西洋画ではミレーとゴッホがまず浮かんでくるが、洋画家浅井忠(1856~1907)の‘収穫’も二人に劣らぬ名画。今ではこういう稲を刈る農村風景は古い映画のなかでしかみることはできないが、ミレーの絵同様日本ではこの絵のおかげでノスタルジックな気分になれる。

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コメント

橋本雅邦の『白雲紅樹』は、私も大好きな作品です!
こうした光と大気の表現は、印象派ともまた違っていて、魅力的です。

それにしても鮮やかな色彩ですね。川合玉堂の師であったというのもうなずけます。

投稿: ケンスケ | 2015.09.09 23:02

to ケンスケさん
中国の山水や雪舟の水墨画は縦に長い掛け軸なの
に対し、橋本雅邦の風景画は同じ山水を横長の
画面や縦に長いときは幅も大きくしますから、山
や岩の位置関係は広々としている感じです。

爽快な感じのする山水はそうないですから息を呑
んでみてしまいます。

投稿: いづつや | 2015.09.10 01:05

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