近代日本美術の煌き! 1897年(明治30)
黒田清輝(1866~1924)の‘湖畔’は日本の洋画の記念碑的な作品、西洋の肖像画のスタイルをそのまま踏襲すると室内にいる女性の肖像となるが、黒田が選んだのは箱根の芦ノ湖。
湖と山々を背景にして石の上に座っているのは黒田の奥さん、この絵に強い衝撃を受けるのはこの照子夫人の美しさが尋常ではないから。まるで銀幕のスターが新作映画の撮影のため芦ノ湖でロケをしている感じ。とびっきりの美人が浴衣姿で団扇をもち涼をとっている、まさに日本人の琴線に響く理想的な人物画。
武士の鎧兜姿が目に焼きつく絵ですぐ思い浮かぶのは小堀鞆音(こぼりともと 1864~1931)の‘武士’と安田靫彦の‘黄瀬川陣’、安田が14歳のとき弟子入りしたのが小堀鞆音。‘武士’のモデルは源為朝、弓を持つ姿がじつに凛々しい。戦闘真っ最中の武士の姿を至近距離から斜めの視線で描くというのは並みの画家の頭の中からはでてこない。
和田英作(1874~1959)にはお気に入りの絵がある。夕暮れ時、川べりに集まった家族を素晴らしい構図で描いた‘渡頭の夕暮’、腕を組んで川のむこうをじっとみている少年になぜか強く感情移入してしまう。
明治の金工界における中心人物のひとりが加納夏雄(1826~1898)、その彫金の高い技術が認められ1890年、第一回帝室技芸員に任命された。満月を背に羽を大きく広げて飛ぶ雁が中央にどんと描かれた‘月に雁図額’は最晩年の作品。
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