近代日本美術の煌き! 1896年(明治29)
絵画には宗教画、歴史画、肖像画、風景画などいろいろなタイプの絵画が存在するが、人物画と風景画が合体した風俗画もそのひとつ。日本画にも様々な風俗画がある。
‘源氏物語絵巻’もこのカテゴリーに加えることができるし、応天門が炎上するのを大勢の人がみている‘伴大納言絵巻’も風俗画の傑作。また、この秋に清浄光寺で全巻公開される‘一遍上人絵伝’にも当時の人々の生活や村々の光景が仔細に描かれている。
東博の平常展にときどきでてくるのが富岡鉄斎(1836~1924)の‘旧蝦夷風俗図’、みてて楽しくなるこの風俗画は鉄斎61歳のときの作品、右隻はアイヌの熊祭りの情景で左隻には家を建てているところや機織りといった村における普通の光景がおおらかに描かれている。感心するのは鉄斎のポップな色彩感覚、黄色の明るさが目に焼きつく。
今尾景年(1845~1924)は京都の友禅悉皆業の家に生まれたことが幸いしたのか構図のセンスや色彩の組み合わせたが抜群にいい。これまで出会った作品の数は少ないが、一点々画面に吸いこまれるほど魅力にあふれている。松岡美でお目にかかった‘柘榴錦鶏図’は鮮やかな色彩と繊細な筆致で表現された錦鶏の姿が忘れられない。
1890年、第一回の帝室技芸員に任命された橋本雅邦(1835~1908)、宮内省から依頼されて制作した‘夏冬山水図’も思わず見入ってしまう一枚。やはり並の絵は天皇家におさめられない。
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