近代日本美術の煌き! 1879年(明治12)
明治という時代に日本は近代化の道を大急ぎで突っ走っていくが、産業の発展とともに江戸や横浜は近代都市へと生まれ変わっていく。そして、明治5年(1872)には日本初の鉄道が開業し蒸気機関車が新橋と横浜の間を走った。
小林清親(1847~1915)はこの蒸気機関車を近代化を象徴する格好のモチーフとして描いている。この絵を歴史の教科書でみたのはもうずいぶん前のことだが、本物の作品をみたのはつい4か月前。練馬区美で開催された‘小林清親展’に運よく遭遇し、ようやく絵の前に立つことができた。
驚いたのは描かれた機関車が新橋・横浜間を実際に走っていたものとは違っていたこと。本来なら使われていたイギリス製を描くべきなのに清親は絵のインパクトを強めるためにアメリカ製にとりかえた。こういうところが絵画の力。これで都市が近代化していく様子が十分に伝わってくる。
香川の金刀比毘宮へは一度行ったことがある。長い階段を登るのはかなりしんどかった。急な階段や傾斜のきつい坂を往復するときつつくづく思うのは‘苦あれば楽あり’、ところがよく覚えているのは往きの苦ばかりで帰りはすいすい下ったことを忘れる。
金刀比羅宮には高橋由一(1828~1894)のいい静物画はいくつもあるが、‘鯛’はその一枚。竹内栖鳳が描く鯛も目の前にいるような感じだが、この由一の潮の香りのする鯛のリアルな描写にも目が点になる。金刀比羅宮には‘鮭’と同じ年に描かれた‘豆腐’があり対面を長いこと待っているが、まだ縁がない。いつかこの目でと願っているのだが。
河鍋暁斎(1831~1889)の‘鳥獣戯画 蛙の蛇踊り’は恐るべき絵。こういう絵をみる‘暁斎親分、本当に参りました!’という感じになる。豊かな絵心とそれを表現する技術の高さ、すごい絵師である。
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