天下の名碗 国宝 曜変天目茶碗!
昨年10月、ビッグな日本美術の展覧会がふたつ開催された。‘日本国宝展’(東博)と‘東山御物の美’(三井記念美)。こういうお宝がびっくりするほどたくさん集結する展覧会は一生の思い出になる。これと同じような気持ちにさせてくれるのが今、サントリー美で開かれている‘藤田美術館の至宝 国宝 曜変天目茶碗と日本の美’(8/5~9/27)
後期(9/2~9/27)に登場する国宝‘紫式部日記絵詞’をみるために再度出動することにしているが、会場でまた長いことみていそうなのが、今回のとびっきりの目玉である国宝 ‘曜変天目茶碗’、ご承知のように日本に伝来した曜変天目茶碗(建窯 南宋時代12~13世紀)は三つ。いずれも国宝に指定されている。
この天下の名碗を所蔵しているのは藤田美、静嘉堂文庫美、そして京都の大徳寺・龍光院。三つの茶碗の大きさを較べてみると、単位㎝
高 口径 高台径
藤田美 6.8 12.3 3.6
静嘉堂文庫美 7.2 12.2 3.8
龍光院 6.4 12.2 3.4
静嘉堂文庫の稲葉天目は見る機会が多く目に馴染んでいるので、今回久しぶりにみた藤田美のものについては稲葉天目よりはすこし小さいなという感じをすぐもった。曜変の美しさはみる人の好みだから、どっちがいいとかはいえない。
一番小さい龍光院のものは残念なことにまだ縁がない。これからも95%くらいお目にかかれないような気がする。1999年に‘宋磁展’ というすばらしいやきもの展が東武美(現在はなし)、大阪市立東洋陶磁美、山口県立萩美・浦上記念館で開かれた。当時、広島にいたので喜び勇んで萩までクルマを走らせた。
そのとき龍光院所蔵の曜変天目茶碗は東洋陶磁美だけに出品され、萩にはまわってこなかった。図録をみて残念でならなかったが、どうにもならない。この展示以降、龍光院の曜変天目がどこかの展覧会に登場したという話は聞いてない。だから、この名碗はこれから先も龍光院の外には出ないのかもしれない。
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