迎賓館にある藤田嗣治の絵!
ヨーロッパの宮殿のなかをまわっているような気分にさせられる迎賓館、各部屋をひととおりみて1階の出口のところまできた。そこで、意外な絵との遭遇があった。それは藤田嗣治(1886~1968)がフランスの風俗をロココのヴァトー風に描いた作品2点、‘天使と女性’と‘母と子’。
迎賓館では涛川惣助の七宝にしか関心がいってなかったから、この藤田の絵にはちょっとドギマギした。そして、だんだん記憶がよみがえってきた。この絵は藤田が1935年銀座コロンバンの天井画のために描いた6枚のうちの2枚であることが。
2006年に東近美で大規模な‘藤田嗣治展’が開催された。それまで日本では藤田の作品をまとまってみる機会が長いことなかった。だから、この回顧展はひとつの‘事件’。ようやく実現した回顧展に多くの絵画ファンが足を運んだにちがいない。このとき迎賓館が所蔵する6点のうち2点が出品された。それが目の前にある‘天使と女性’と‘母と子’。
藤田の壁画が迎賓館にあるのは洋菓子店コロンバンの創業者門倉國輝が1975年に6点全部迎賓館に寄贈したから。‘葡萄の収穫’と‘野あそび’もじつは2009年の‘レオナール・フジタ展’(横浜そごう)に展示された。残る2点も気になるところだが図版の情報がない。気長に待つつもりだが、会えるだろうか。
涛川惣助のお宝七宝のおまけに藤田嗣治の壁画がついていたとは。抽選に当たってつくづくよかったなと思った。石野昭子さん、そしてミューズに感謝!
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コメント
藤田の絵は、全く気が付きませんでした。残念!出口にあれば、必ず通りますから。私が行きました2005年に展示してあったか、その時買いました迎賓館内部のポストカードを確認しましたが、小磯の大作はありますが、藤田はありません。珍しい画像を見せて頂き有難うございました。
投稿: 石野昭子 | 2015.08.22 07:55
to 石野昭子さん
藤田の絵は出口への導線を通って1階の入館口
へでてきたとき、左右の壁に飾ってありました。
豪華絢爛の各部屋のことでいい気持になってます
からここに絵画があることに気づかないで外へ
出てしまうかもしれませんね。
いつからここに展示されるようになったのかわ
かりませんが、6枚の壁画を2枚づつ定期的に
ローテーションしているのかもしれません。
投稿: いづつや | 2015.08.22 09:34
シェラトン都ホテルが、都ホテル東京 だったころのメイン食堂に とてもとても大きな藤田嗣治の絵が飾られてました。報道等で噂は耳にしてましたが、最近、行く機会がありましたので、ホテルで聞いてみました。「あ~、あの絵は実は行方不明になってます。」との事でした。たしか藤田のなかで一番大きな絵ときいてました。写真は写してました。
投稿: Baroque | 2015.08.22 20:52
to Baroqueさん
1933年の暮れに日本に戻ってきた藤田嗣治
は翌年の1934年から36年までの3年間に
壁画を多く制作してますね。
都ホテル東京にあったのはその一枚なのでしょ
うね。みたいですね、ウッドワン美が所蔵して
いる‘ブラジル珈琲店の壁画’は一度展覧会でみ
たことがあります。
投稿: いづつや | 2015.08.22 23:50
絵の雰囲気がよく似てるのでお写真拝見して思い出しました。時期も合いますね。さっそく、その時写した貴重な写真を捜しはじめましたが、行方不明です。
投稿: Baroque | 2015.08.24 09:30
to Baroqueさん
藤田の壁画を迎賓館でみて鑑賞欲がむくむくと
立ち上がってきたのが秋田県近美にある‘秋田の
行事’です。来年は出かけようと思ってます。
投稿: いづつや | 2015.08.24 23:50