近代日本美術の煌き! 1886年(明治19)
狩野芳崖(1928~1888)の作品は回顧展などを体験して画集に載っているものがかなり目のなかにはいった。幸運には貪欲にライドするというのが美術鑑賞の基本的な心構え。だから、これからも一点でも多くみたいという気持ちに変わりない。
これまでお目にかかったもので特に思い入れの強かったのは芳崖が晩年に描いた‘仁王捉鬼図’。念願がかなったのは2006年東近美であった展覧会、、そのあと2008年の回顧展で再会し、昨年は東近美でも遭遇した。以前は個人蔵だったが東近美が購入していた。これからは平常展示でこの絵をみる機会が増えそう。
魅せられているのは鬼のユーモラスなj表情と目の覚めるような鮮やかな色彩。強烈なインパクトをもっている薄ピンクや明るい青や緑、こういう伝統的な日本画ではみられない色はフェノロサが西洋から輸入した絵具から生みだされたもの。この絵が当時の日本画壇に大きなショックを与えたことはまちがいない。
小林永濯(こばやしえいたく 1843~1890)の描いた菅原道真の絵は2度里帰りした。この戯画チックな道真をはじめてみたのは‘仁王捉鬼’と対面したのと同じ展覧会。それまでこの画家の存在を知らなかった。今年の4月‘ダブルインパクト 明治ニッポンの美’に再び‘七福神’と一緒にやって来た。芳崖といい永濯といい、日本画家の硬いイメージはこういう絵をみると一変する。そして、思う‘この絵すごくとんでない、こんなくだけたものも描けるんだ!’と。
原田直次郎(1863~1899)の情報をひとつ、来年2月埼玉県近美で‘原田直次郎展’(2/11~3/27)が開催される。いかにもドイツ人らしい人物を描いた‘靴屋の阿爺’とも久しぶりに会えるだろう。この肖像画をみるといつもワイエスの人物画がダブってくる。
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