名品がずらっと揃う‘藤田美術館の至宝’展!
サントリー美ではじまった‘藤田美術館の至宝 国宝曜変天目茶碗と日本の美’(8/5~9/27)をみてきた。藤田美が大阪のどのあたりにあったか忘れてしまったが、ここへは一度行ったことがある。お宝をいろいろみたが、はっきりと覚えているのは国宝の‘曜変天目茶碗’と快慶の菩薩像だけ、国宝の‘柴門新月図’もこのときみたような気がするが記憶はあやふや。
国宝を一点でも多くみたいと常日頃思っているので、絵画や工芸品、やきもので国宝に指定されているものがどこの美術館にあるかはおおよそ頭のなかに入っている。だから、藤田美が所蔵する国宝もすぐでてくる。でも、これらを一度にみる機会がやってくるとは思ってもみなかった。
9点ある国宝のうち8点が前期(8/5~8/31)と後期(9/2~9/27)に登場する。目玉の‘曜変天目茶碗’はやきものだから通期の展示、久しぶりにみた‘曜変天目茶碗’、夜空の星のように輝く瑠璃色の斑文にやはり心を奪われる。展示ケースを3回まわり角度を変えて星の煌きをいろんな角度からみてみた。この曜変が生まれたこと自体が奇跡だし、これがやかれた中国でなく日本にあるというのも不思議な縁。このところ宇宙の話に傾倒しているから、前回よりいっそう銀河のイメージが湧いてくる。
じつは今回のお目当ては尾形乾山と兄光琳が一緒につくった角皿、ここには10点もあるが、これまでみたのは布袋図と鶴図のみ、チラシに載っているのは梅図。これはずっとみたかったものだから、ひとつでもみれれば心は晴れる、楽しみにしていた。ところが、なんと目の前に10点全部現れた!天にも昇るような気分、なんという幸運、夢中になってみた。美術品を鑑賞していてこういう期待値を大幅に上回ることがおきると真に腹の底から感動する。
茶入にもいいのが揃っている。足が思わずとまったのは‘田村文琳茶入’、小さな茶入だが存在感のある丸い林檎の形に魅了された。また、‘古瀬戸文琳茶入 銘霜夜’にもぐっと惹きつけられる。
展示室に入ってすぐ快慶のすばらしい‘地蔵菩薩像’と対面した。この菩薩像が快慶の仏像に開眼させてくれた。だから、鮮やかな色彩を感慨深くながめていた。
| 固定リンク
コメント
おはようございます。
暑さも、ようやくピークを越えた感がありますね。
お盆休み中は、東京芸術大学大学美術館の妖怪画を見る予定ですが、サントリー美術館にも足を運んでみます。
藤田美術館の至宝展は工芸品、彫刻が中心の美術展なのでしょうか。絵画もありますか。
投稿: ケンスケ | 2015.08.10 07:57
to ケンスケさん
今日は絵画をupします。東京でこれほど充実した
美術品がみれるのは幸せなことです。後期も出か
けることにしてます。どうかお楽しみください。
投稿: いづつや | 2015.08.10 12:50
本日、サントリー美術館に行ってまいりました。
藤田美術館には行ったことがないのですが、期待を大きく上回る内容でした!
かなり以前に、確か『美の巨人たち』で『曜変天目茶碗』について見たのですが、実物は初めてだったので、じっくりと見ました。青や緑が黒地に現実離れした輝きを放っていますね。
快慶の『地蔵菩薩立像』は保存状態がいいので、色彩も大変美しいですね。彫りの技術は、さすがです。
たくさんの焼き物の中では、特に赤楽、黒楽の色に惹かれました。
投稿: ケンスケ | 2015.08.15 18:57
to ケンスケさん
藤田美ではコレクションを春と秋の2回公開して
ますが、今回のようにお宝全部見せます!という
感じの特別の展覧会が開催されるのは滅多にない
ことですから見逃せません。
曜変天目は静嘉堂文庫にある稲葉天目もすばらし
い星の煌きですが、ここの曜変天目もたっぷり
銀河を感じさせてくれます。言葉を失いますね。
投稿: いづつや | 2015.08.15 23:57