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2015.07.15

メトロポリタンから里帰りした暁斎!

Img     ‘大和美人図屏風’(1885年 河鍋暁斎記念美)      

Img_0001     ‘蛙を捕まえる猫図’(1888年 NY メトロポリタン美)

Img_0003       ‘群猫釣鯰図’(19世紀 河鍋暁斎記念美)

Img_0002         ‘柳に白鷺図’(19世紀 河鍋暁斎記念美)

三菱一号館美で行われている河鍋暁斎(1831~1889)の回顧展(6/27~9/6)をみてきた。強烈なインパクトを放つチラシ、‘画鬼 暁斎’ 黒の地に踊る赤ピンクで書かれたキャッチコピーは‘狂っていたのは、俺か、時代か?’さて、どんな作品がでているのか。

関心のある画家の場合、一度大きな回顧展を体験すると作品への思い入れがかなり強くなる。7年前京博でいい絵がどっと集まった暁斎展があった。それまで画集をみてなんとかお目にかかりたいと願っていたものがおおよそ揃った完璧ともいえる回顧展、流石、京博!

今回の期待は当然このときみたものとは違うプラスα、その目玉がちゃんと用意されていた。その前にまず最も魅せられている暁斎の最高傑作‘大和美人図屏風’から。視線が釘づけになるのが右の女性が身に着けている着物の柄、赤の生地に様々な紋様が金泥や鮮やかな色で精緻に描かれている。こんなに目を見張らせる美人画はそうそうない。だから、とてもいい気持になる。

2013年、メトロポリタン美を訪問したとき日本美術の展示室で印象深い作品に出くわした。暁斎の激しい花鳥画4点、鷹が兎や山猫、猿を襲うものと白鷲におそわれる猿と猫を描いたもの。これとよく似た絵が目の前に現れた。全部で12点、デジャブが起きているよう。

これらはアメリカのコレクターが明治のころ蒐集したもので100図を集めた画帖のなかの一部。ほかの画家のものの含まれており暁斎の絵が何点あるのかわからないが、現地で展示されていた4点を加えると16点あることは確か。勝手な予想だが25点くらいある?

3年前同様緊張感が走ったのが蛙を捕まえている猫。この猫はまるで虎のよう。もう一点、ぎょっとするのが蜥蜴を食べる兎、腹がすけばあのおとなしいう兎だってなんでも食べることは頭では理解できるが、こういう絵はみたくない。

暁斎は国芳と同じくらい猫が好きだったのかもしれない。作品には猫が何度も登場する。はじめてお目にかかった‘群猫釣鯰図’、この猫たちが上から鯰を狙っている構図に思わず足がとまった。暁斎の戯画はどれも本当に楽しい。鳥獣戯画を描いた昔の絵師たちの魂がのりうつったような感じがしてならない。

水墨の‘柳に白鷺’や山水画の‘秋冬山水図’の前にも長くいた。プラスαが予想より良かったので満足度は高い。なかでもメトロポリタンのコレクションが大きな収穫だった。

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コメント

三菱一号館での暁斎展を楽しく鑑賞しました。

暁斎は狩野派のしっかりした素養があるので正統派の作品も見事ですが、やはり個性豊かな戯画性の強い作品が魅力ですね!

ご紹介の猫を描いた二作品の前で、私も足が止まりました。猫に捕まった蛙が大口を開けて断末魔のような叫びをあげているところは、いかにもマンガで、エンターテインメント性がありますね。

それにしても画技の幅は半端ではありません。あらゆるジャンルの絵をいろいろな技法で描き分けて。。。洋の東西を問わず、天才の証でしょうか。

暁斎に弟子入りしたコンドルの作品も興味深く見ました。

投稿: ケンスケ | 2015.07.16 23:19

to ケンスケさん
京博であった大暁斎展をみましたので前のめりと
いう展覧会ではないのですが、METの暁斎がお目
当てで出かけました。まるで虎の姿をした猫が蛙
をつかまえるのがよかったです。新規作も増え
ましたから上機嫌です。

兎をあんな風に描くのは暁斎の頭のなかに鳥獣戯画
の兎があるからでしょうね。暁斎の魅力を戯画と
大和美人図に強く感じてます。

投稿: いづつや | 2015.07.17 01:01

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