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2015.07.02

待望の‘田能村竹田展’!

Img_0001           ‘梅花書屋図’(重文 1832年)

Img           ‘山陰訪戴図’(1826~30年)

Img_0002     ‘琵琶行図’(部分 1833年)

Img_0003          ‘春園富貴図’(1801~1818年)

帝国劇場の隣にある出光美はサントリー美同様、今年から来年にかけて訪問する回数が多くなる美術館。2月‘小杉放菴展’を楽しんだが、回顧展の第二弾は‘田能村竹田展’(6/20~8/2)。

田能村竹田(1777~1835)の作品が出光に沢山あることは昔から知っているが、これまでは散発的な鑑賞にとどまっていた。だから、18年ぶりに開かれる回顧展は竹田に最接近する絶好の機会となった。作品は全部で54点でている。頁替えは数点あるが会期中いつ行ってもすべてみられる。こういう展示方法は美術館への好感度が増す。

竹田の絵は中国の文人画を踏襲している。そのため縦長の掛け軸が多い。最初に展示されているのが代表作の‘梅花書屋図’、亡くなる3年前の作品。縦に長い画面だから視線は当然下から上にあがっていく。S字をふたつくらい意識するともこっとした山に遭遇する。

この絵で圧倒的な存在感をみせているのは騾馬に乗った3人の旅人が進んでいく道を覆うようにのびる木々、丁寧に描かれた細い枝が変幻自在に曲がる姿はまるで生き物が小さく暴れているような感じ。このちくっと痛みを覚えるような木の動きが穏やかな山村風景にうまく溶け合っているのがこの絵の最大の魅力。

もう一点画面に惹き込まれるのがやはり木が主役になっている‘山陰訪戴図’、雪が降り積もった切り立った山々を背景にして力強く立つ木が雄々しく縦にバランスよく配置されている。

池大雅(1723~1776)の愛嬌のある人物像を彷彿とさせる‘琵琶行図’の前にも長くいた。そして、波を表す小さな山形が繰り返されるのをみてふと思い出したのが今村紫紅の‘熱国之巻’に描かれた海、紫紅は文人画に惹かれていたから大雅や竹田の画風からも影響を受けたにちがいない。

異色の作品が一枚あった。それは極彩色で描かれた‘春園富貴図’、中国の絵にでてくるモチーフ、牡丹と太湖石がうすピンクと強い緑青で彩られている。描くのが難しいといわれる牡丹をこれほど質感豊かに表現できるのだから竹田の画技は抜きん出ている。

待ち続けた田能村竹田の回顧展、それが叶い満ち足りた気分で館を後にした。

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