カズオ・イシグロの文学白熱教室!
10日(金)に放送されたEテレの‘文学白熱教室’で講師を務めたのは作家
カズオ・イシグロ、この作家の名前は以前ビデオでみた映画‘日の名残り’(1993年)でインプットされていたが、どんな風貌の人でどうしてカタカナの日本人になっているのかについてはまったく情報が入ってなかった。勝手にイメージしていたのは細身で女性的な作家。
実際の印象は大ハズレ、長崎県人のもっている優しいイメージとちがい、ちょっと薩摩隼人を連想させる意志の強そうな人だった。番組のおかげで作家の年齢やこれまで書いた作品のことがひととおりわかった。1955年生まれで今年60歳、生まれたのは長崎市(たぶん)、5歳まで長崎で育ち、そのあと両親、一人の姉とともにイギリスに移住。また日本に帰ると本人は思っていたようだが、再度日本の地を踏むことなくイギリス人になった。
カズオ・イシグロの本をこれまで読んだことがない。だからどんなスタイルの小説なのか想像しようがない。ただ、世界的にその名が知られるようになった‘日の名残り’は映画で観たので、名優アンソニー・ホプキンスが演じた執事の物語であることは強く心に刻まれている。イシグロは多作の作家ではないらしく、今年3月10年ぶりに出版された長編小説が欧米で話題になっている。本のタイトルは‘忘れられた巨人’、日本でも早川書房から翻訳本がでている。
この日本語版の発売に合わせて本人が来日したので、番組のスタッフがすばやく動き白熱教室に引っ張り出したのだろう。このところ白熱教室は充実した内容を連発しているが、プロデューサーは相当優秀な人物にちがいない。
イシグロが語ってくれた小説論はとても刺激的だった。新作の‘忘れられた巨人’を読んでみようと思う。
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