なかなか会えない乾山の絵画!
‘定家詠十二ヶ月和歌花鳥図 薄・鶉図 九月’(18世紀 根津美)
今年は企画展のなかに琳派展を加える美術館が多いので、手元の‘琳派追っかけリスト’に載せているものが少しは消えるかなとひそかに期待している。だが、そう思い通りにはいかないもので、尾形乾山(1663~1743)については今のところゼロ。
サントリー美の乾山展で登場することを願っていた2点ともダメだった。個人が所蔵する‘八橋図’(重文)と根津美にある‘定家詠十二ヶ月和歌花鳥図 薄・鶉図 九月’、このあとの展覧会で乾山がみれることがわかっているのは同じくサントリー美で行われる‘藤田美名品展’だけ、光琳と合作でつくった角皿が一点展示される。
そして、可能性がちょっとあるのは11月京博で開催される琳派展、どんな構成になるのかわからないが宗達や光琳が軸になるのは間違いないので乾山の作品が何点も入り込む余地はないような気がする。だから、乾山の収穫は一点だけに終わり、また長いウエイティングタイムにはいることになりそう。
名品との対面には概して長い時間がかかる。‘八橋図’は2006年京博であった‘京焼展’に出品されたが、京都へ出かけたときは展示替えでみれなかった。11月の琳派展にでてくるだろうか?そして、‘薄・鶉図 9月’、この絵を長いこと追っかけているが、根津美はよほど大事にしているのかなかなか展示しない。
出光美の‘乾山の芸術と光琳’(2007年)にも東博で行われた‘大琳派展’(2008年)にもでてこなかった。また、根津美の企画展で関連するものには期待しながら足を運んでいるがまだ姿をみせてくれない。なぜ展示されないのか不思議でならない。
NYのメトロポリタン美にある‘蔦紅葉図’もいつかこの目でという思いが強いが、海外の美術館のコレクションだから遠い存在。運に恵まれることもある。METを再訪したとき日本美術の展示室に飾られているのを夢見ることにした。
サントリーにでていた‘紅葉に菊水流図’は東博でこれまで数回みたのだが、絵葉書は残念ながら用意されてなく記憶が薄れがちだった。でも、図録を手に入れたからじっくり楽しめる。今小さな喜びを噛みしめている。
| 固定リンク
コメント