夢の絵画 ミロの‘星座シリーズ’!
近代西洋絵画のなかで印象派とともに一生のつきあいと決めているのがシュルレアリスム、画面に描かれたものがわかろうがわかるまいがあまり気にしない。意表を突き発想でモチーフが組み合されたり不思議な世界がでてくるだけで心はハイになる。
若いころからずっと関心を寄せているミロ(1893~1983)、これまでバルセロナにあるミロ美へ足を運んだし、国内で行われた回顧展は見逃さず出かけてきた。だから、多くの作品が目に入ったはずだが、まだ縁のないものがある。それは23点描かれた‘星座シリーズ’、ミロ美でそのうちの1点をみたがほかは画集でながめているだけ。その多くはギャラリーや個人が所蔵している。
いつかこの目でと願っている‘真夜中のナイチンゲールの歌と朝の雨’と‘暁の目ざめ’はNYのギャラリー、個人のコレクション。ほかの作品もパリのギャラリーなどにある。対面できる可能性があるのはMoMAが所有する正面を向いたライオンの顔が印象深い‘恋人たちに未知の世界を明かす美しい鳥’。でも2年前MoMAへいったときこれは展示されていなかったから、次の訪問が幸運に恵まれるかどうかはまったく見当がつかない。この‘星座シリーズ’はタイトル通りはるかかなたの銀河のような存在であり続けそう。
マティス(1869~1954)が晩年に制作した切り紙絵で高い人気を誇るのが‘ジャズ’、その一枚‘イカロス’は忘れがたい作品。空から落下するイカロスのまわりを青に浮かびあがった星々がとりかこんでいる。黒で表現されたイカロスのシンプルな造形が目にやきつく。
アクションペインティングの旗手、ポロック(1912~1956)にも星の絵がある。抽象絵画全開の作品ではあるがなんとなくイメージできる‘彗星’、斜めに走る細長い白の線なら氷の塊の彗星とわかる。ポロックは星座や銀河をみるのが好きだったのかもしれない。
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