巨匠たちのギリシャ神話!
ボッティチェリの‘ヴィーナスの誕生’(1485年 ウフィッツイ美)
ラファエロの‘ガラテアの勝利’(1511年 ヴィッラ・ファルネジーナ)
ブロンズィーノの‘愛のアレゴリー’(1545年 ロンドン ナショナルギャラリー)
ギリシャ神話とはある時期集中的につきあった。岩波文庫の‘イリアス’‘オデュッセイア’からはじまってトータルで100冊ぐらい読んだ、古本屋をまわり岩波文庫からでているギリシャ神話ものを手に入れた時はもう嬉しくてむさぼるようにして読んだことが昨日のように思い出される。
こうして名著といわれるものを多く読んだことが絵画や彫刻をみるときにとても役立っていることはいうまでもない。ところが、ギリシャ神話に登場する神々や英雄たちの物語がひと通り頭のなかに入る前に作品の魅力にとりつかれたものもある。その筆頭がボッティチェリ(1444~1510)の‘ヴィーナスの誕生’、小さい頃絵の本で感動したこの絵をはじめてフィレンツェのウフィッツイ美でみたときは200%参った。以来、愛し続けている。
ラファエロ(1483~1520)の‘ガラテアの勝利’との出会いも衝撃的だった。この絵が飾ってあるのはローマのヴィッラ・ファルネジーナ、視線が集中するのは風になびく赤の衣装をまとった中央のガラテア、その躍動的で生き生きとした動きが明るい色彩で明快に描かれている。この絵と遭遇したのは生涯の喜び。
ローマのボルゲーゼ美にあるティツイアーノ(1490~1576)の‘聖愛と俗愛’とブロンズィーノ(1503~1572)の‘愛のアレゴリー’は美術評論家たちにより絵の解釈をめぐっていろいろ議論が重ねられてきた。絵に描かれたものが一体何を意味するかあれこれ想像するのもおもしろいが、そういう知識なしにこの絵をみたとしてもその完成度の高さによって画面のなかに強くひきこまれる。美術館にとって自慢の傑作であることはまちがいない。
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コメント
ギリシャ神話を沢山調べてますのね。
具体的に100の数字は凄いとおもいます。
私は‘知らなくては・・・’ の気持ちから度々挑戦してます。
が、
いつの間にか挫折・・・!
その時、その場面、その感動 に切り替えてゆるく対応する事にしてします。
ですから、
ギリシャが登場すると
いつも何か物足りなく、どこかソワソワと落ち着きません。ローマとの関係もあるし、ローマになるともう少し魅力が増しますが・・・
挫折の原因が分からないまま今に至ります。
投稿: Baroque | 2015.06.10 21:35
to Baroqueさん
ギリシャ神話はライフタイムの楽しみですから、
個々の話をなんども反すうしてます。神々や英雄
たちの思いや行動が人間臭いので思わずのめりこ
んでしまい想像がいろいろふくらんでいきます。
深く掘り下げる価値のある偉大な叙事詩ですね。
投稿: いづつや | 2015.06.11 01:01
おおどかに個々のお話を楽しむのがいいのでしょうね。
なんせ、せっかちですので余裕がありません・・・。
数も多いし、多過ぎます・・・。
それでも、ここのところ古事記には何度目かの挑戦をしてます・・・(なぜか責任を感じて・・・・。人間臭さなど、ある意味共通するものがあるように思います。)
投稿: Baroque | 2015.06.11 13:00
to Baroqueさん
ギリシャ神話は神々、英雄、怪獣たち、とにかく
物語の数が多いですから、一歩一歩進むしかない
ですね。そのなかでおもしろいのはゼウスの女遊
びと英雄物語ですね。ゼウスの変身術には憧れ
ます。
投稿: いづつや | 2015.06.11 22:44