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2015.06.07

体がフリーズするギリシャ神話絵画!

Img_0001 グレコの‘ラオコーン’(1614年 ワシントン・ナショナルギャラリー)

Imgジョルダーノの‘ピネウスと闘うペルセウス’(1680年 ロンドン ナショナルギャラリー)

Img_0002   ドラクロアの‘狂乱のメディア’(1838年 パリ ルーヴル美)

Img_0003  モローの‘オルフェウス’(1866年 パリ オルセー美)

ボルゲーゼ美にあるベルニーニの彫刻作品のようにギリシャ神話の緊迫した場面が画面の中に豊かに表現されている絵画も数多くある。体全体が一瞬フリーズしてしまうものをいくつか並べてみた。

グレコ(1541~1614)の描いた‘ラオコーン’は2年前、ワシントンのナショナルギャラリーでみた。2008年にこの美術館を訪れたときはなぜか展示されてなく残念な思いをしたので、久しぶりの対面がありがたかった。この絵は何度見ても緊張する。ヴァチカン宮殿にある古代ローマ時代につくられた彫刻と甲乙つけがたい見事な作品。

この場面では神官ラオコーンが恐怖におののきながら獰猛な蛇をつかんでいるが、ジョルダーノ(1634~1705)の作品では英雄ペルセウスは顔をそむけるようにしてメデューサの首を敵に向けている。このメデューサの顔は絶大な魔力をもっており、まともにみると皆石とかす。すでに敵兵の体の一部が白くなっている。この絵はとても大きな絵ではじめてみたときは体が震えた。そして、即ジョルダーノに開眼した。

女性をこけにすると恐ろしい目にあうという話がギリシャ神話にもでてくるが、ドラクロア(1798~1863)は恩知らずなイアソンの行動に怒り狂うメディアが彼とのあいだにもうけた二人のわが子を殺害する場面を描いている。金羊皮をメディアの魔法の力を借りて首尾よく手に入れたというのにイアソンはそのことをけろっと忘れほかに女に熱を上げてしまう。やはり魔女を怒らせるのはまずかった。

モロー(1826~1888)の‘オルフェウス’は竪琴とオルフェウスの首をもっているトラキアの女性の姿があまりに美しいのでよけいに怖さを感じる。オルフェウスは意図してトラキアの女たちを無視したわけではないのに、彼女たちの怒りを買ってしまう。妻を生き返らせられずその悲しみのため女性の顔もまともにみれなかっただけなのに八つ裂きにされたオルフェウス。これではオルフェウスが可哀想。

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コメント

ご紹介作品は、幸運にも現地で実見することができましたが、中でもグレコの『ラオコーン』とモローの『オルフェウス』はお気に入りです。

不思議なもので、ともすれば忘れてしまいかねないギリシャ神話のエピソードも、絵画のイメージで長期記憶に残ります。

吉田敦彦氏の『名画で読み解くギリシャ神話』を持っていますが、他には中野京子氏の『怖い絵』や『名画の謎ギリシャ神話編』なども図書館で借りて、楽しんできました。

ドラクロワの『狂乱のメディア』は、中野氏の『怖い絵』に叙述されていて、よく記憶に残っています。

主題は別としてもドラクロワの色の使い方は、大変魅せられます!

投稿: ケンスケ | 2015.06.08 20:41

to ケンスケさん
ギリシャ神話にはおもしろい話が沢山あります
から、その場面が迫真の描写で絵画化されますと
強く心に刻まれますね。

絵画を楽しむことが無かったらギリシャ神話との
縁はたぶん薄いものになっていたと思います。
ドラクロアはロマン派だけあってみるものの心
を揺すぶる描き方をしますね。とにかく魅力が
あります。

投稿: いづつや | 2015.06.08 23:35

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