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2015.06.29

里帰り浮世絵展の楽しみ!

Img     喜多川歌麿の‘歌撰恋之部 稀ニ逢恋’(1794年)

Img_0001     葛飾北斎の‘東海道五十三次 蒲原’(1808年)

Img_0002     歌川国芳の‘かごのとりすずめいろどき’(1846年)

Img_0003     歌川広重の‘諸国名所 宇治川ほたるがりの図’(1836年)

浮世絵の里帰り展はここ数年1回ないし2回くらい行われている。やって来る作品が全部が全部摺りの状態が最高ということはないが、日本の美術館にあるものとくらべると、大英博、ギメ美、ボストン美、メトロポリタン美、シカゴ美、そしてフィラデルフィア美といったブランド美が所蔵しているものはワンランクもツーランクも上のものが並ぶことが多いのは事実。

こうした特上の色彩の浮世絵が楽しめることは里帰り展に必ず足を運ぶ大きな理由。そして、もうひとつ心をかりたてることがある。それは手元の美術本に載ってない初物の浮世絵との出会い。浮世絵に限らず、関心を寄せている絵画のジャンルや好きな画家の画集などは頻繁にページを開いているので、今目の前にあるものがはじめてみるものかどうかは直感的にわかる。こうした足のとまる初物が楽しみを倍増させてくれる。

喜多川歌麿(1753~1806)は今回6点、このうちあまりなじみのないのが‘歌撰恋之部 稀ニ逢恋’。一度みたことがあるような無いような、、、おもしろいのは袖口にちらっとみえる手。この手が若い女の心のなかをうつしだしているかのよう。

浮世絵が好きなのはこれが風俗画だから。葛飾北斎(1760~1849)の‘東海道五十三次 蒲原’も夢中にさせる。描かれているのは二人の男女が天秤棒をかついで潮汲みに精をだしている場面。波の動きにあわせて海水をすくう桶の形がとてもリアル。しばらくながめていた。

大きな収穫だったのが歌川国芳(1797~1861)の動物戯画‘かごのとりすずめいろどき’、これまで雀を主役にしたものは2点お目にかかった、三枚続の‘里すずめねぐらの仮宿’と‘雀の百狂 鳥さし’、そしてまだみてない雀の絵がひょいと現れた。鳥籠が遊郭の格子になっている。そこにいる雀たちは客に愛想をする遊女という設定。昨年あった‘大浮世絵展’(江戸東博)ではベルリン国立アジア美が所蔵する‘魚の心’が出品された。今回また、貴重な雀絵に遭遇した。これだから里帰り展はやめられない。

宇治川は蛍狩りで有名なところ。歌川広重(1797~1858)が描いた‘諸国名所’も楽しくみた。小さい頃夏は蛍をよくみたし、かごにいれて家でもみていた。山より海が好きなので蛍との縁がなくなって久しい。こういう絵をみると蛍のあの明るい光が無性にみたくなる。

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