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2015.05.31

発見が加速する系外惑星!

Img_0001      ケプラー宇宙望遠鏡

Img_0002    発見が加速する系外惑星

BSプレミアムの科学番組‘コズミック フロント’は今年から‘コズミック フロント NEXT’に変わった。前のものは興味のあった2本を除いてほとんどみてなかったが、新しいシリーズになってからは月末に購入するTVガイドで念入りに番組の内容をチェック、関心の高いものはみるようにしている。

先月興味津々でみたのは系外惑星にフォーカスした‘ミステリー 地球に最も似た惑星’、太陽系以外の恒星をまわっている惑星が今加速度的に発見されているという。NASAは今年の1月、宇宙望遠鏡ケプラー(2009年3月打ち上げ)によって発見された系外惑星の数が1000を超えたと発表した。そして、4月現在で世界で発見された系外惑星は2000に迫っている。

この番組でわかったことで衝撃的なのはこの宇宙に地球型の惑星が数多く存在していること。そのなかで研究者たちがとくに関心を寄せているのは地球より数倍程度大きい岩石惑星、‘スーパーアース’、この惑星では地球と同じくらいの大きさの惑星より生命の存在に適している可能性があるという。

カナダのトロント大学の女性博士の行った分析がとても刺激的、スーパーアースでも地球と同じように地球内部のマントルが循環しておこるプレートテクトニクスがおきているという。

最近の研究ではこのプレートの循環が地表の温度を安定させ生命の維持に欠かせない物質、とくに炭素の供給をつかさどることがわかってきた。プレートテクトニクスのおかげで生命が進化できるだけの長い時間、地球は安定した環境を保っていられた。

スーパーアースでもこれと同じ条件が整っているという。となるとこの惑星にも生命が存在する?昔は火星に生命がいるかどうかを議論をしていたのに、今は太陽系をとびこえてほかの恒星をめぐる惑星における生命の存在の可能性が真剣に論じられるようになった。系外惑星発見のニュースが飛び込んでくると強く反応するようになりそう。

なお、‘ミステリー 地球に最も似た惑星’は6/4(木)午後3時に再放送される。

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2015.05.30

期待の浮世絵展はこれ!

Img  葛飾北斎の‘美人愛猫図’(1800~1810年 シカゴ ウエスト・コレクション)

Img_0001     勝川春章の‘美人鑑賞図’(18世紀 出光美)

ここ数カ月TVの美術番組や江戸時代をテーマにした番組では浮世絵がとりあげられることが多い。浮世絵版画の魅力が急に高まったということではないだろうが、番組をつくる側の人たちは北斎や広重の風景画の話をすると目標とする視聴率を達成できるので制作の企画をあげやすいのかもしれない。それほど浮世絵は多くの人々を魅了している。

熱心にみたものを思いつくままあげてみると、
★美の巨人たち(TV東京)  北斎の‘美人愛猫図’
★歴史鑑定(BSTBS)     北斎と広重
★日本美インパクト(BSプレミアム) 北斎の‘霧降の滝’
★大江戸ゼミナール(BSジャパン)  浮世絵

こうして浮世絵のことが日々の暮らしのなかで身近なものになっているので、いやがおうでもこれから美術館で開かれる浮世絵の展覧会にも心がむかう。期待できそうなのが続々登場する。

★‘フィラデルフィア美浮世絵名品展’ 6/20~8/16 三井記念美
★‘歌川国芳展’ 8/1~8/30  横浜そごう美
★‘春画展’   9/19~12/23  永青文庫
★‘ウエスト・コレクション 肉筆浮世絵ー美の競艶’ 11/20~1/17 上野の森美
★‘勝川春章展’ 2016/2/2~3/27 太田記念美
★‘勝川春章と肉筆美人画’ 2/20~3/27 出光美

直近のお楽しみは来月から三井記念美ではじまるフィラデルフィア美の浮世絵コレクション、狙いはチラシのキャッチコピー通り春信と写楽。

9月の春画展でクラクラしたあとは日本初公開のシカゴ ウエストコレクションの肉筆美人画が目を楽しませてくれそう。‘美の巨人たち’でとりあげられた北斎(1760~1849)の‘美人愛猫図’をしっかりみたい。

来年は太田記念美と出光美が手を組み勝川春章(1726~1792)の絶品の肉筆美人画を展示してくれる。長いこと待った春章の回顧展、今から開幕が待ち遠しい。

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2015.05.29

サヴァンの脳!

Img_0004     NHK出版 2015年2月20日発行

Img_0003    ミチオ・カク教授(ニューヨーク市立大学シティーカレッジ)

Img_0001     スティーヴン・ウィルシャー

Img     スティーヴン・ウィルシャーの‘マンハッタン・スカイライン’

ここ数年Eテレの白熱教室に特別関心を寄せている。今やっている‘ハリウッド’は2年前にみたのでパスだが、来週からスタートする‘宇宙’(4回)はすごく楽しみ。

今年の4月、ニューヨーク市立大学シティーカレッジのミチオ・カク教授が講師として登場した‘ニューヨーク白熱教室 最先端物理学が語る驚異の未来’(4回)に完璧にはまったので、‘宇宙’も好奇心をいたく刺激するし知識をまとめるのには理想的な流れ。

日系3世カク教授の最新作‘フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する’を今熱心に読んでいる。この本は4月の白熱教室で最終回に取り上げられたテーマ‘心・脳’を情報量を増やして一冊の本にしたものだから、脳への興味が継続するうえ理解がさらに進む。

このなかで脳が本気になっているもののひとつが特定の分野で類まれな才能をもったサヴァンという人たちの話。講義で紹介された人物で特に気になっているのが画家のスティーヴン・ウィルシャー(イギリス 1974~)、‘マンハッタン・スカイライン’はヘリコプターに1回乗っただけの記憶で描かれたというから驚き!同じような絵をロンドンや香港、東京でも描いている。

どうしてこんなことができるのか?これはサヴァンは写真記憶(映像記憶)という見たものを画像としてそのまま記憶できる能力をもっているため。この話を聞いてある画家の能力のことが思い出された。その画家とは藤田嗣治(1886~1968)

藤田は1937年、現在新秋田県美(2013年9月開館)に飾られている大壁画‘秋田の行事’を描き上げた。この絵を制作するにあたり、秋田の街の風景や人々の姿をみるためクルマで動き回った。それに同行した人の話では藤田はクルマの中から女性たちを見ただけなのに、彼女たちの着ている着物の柄を正確に覚えていてそれを壁画で細かく表現したという。藤田にも写真記憶の能力がそなわっていたにちがいない。

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2015.05.28

日光 霧降の滝!

Img_0002      日光 霧降の滝 上段の滝 下段の滝

Img_0003        下段の滝

Img        葛飾北斎の‘下野黒髪山きりふりの滝’(1833年)

Img_0001     渓斎英泉の‘日光山名所之内 裏見ヶ滝’(1843~1846年)

昨日夜、BSプレミアムで放送された‘日本美インパクト 北斎の滝 30人のツワモノ’に長年知りたかったことがでてきた。それは番組が焦点を当てた日光の霧降の滝。

日光三名瀑が華厳の滝、裏見の滝、霧降の滝というのは以前から頭に入っているが、実際にみたのは華厳の滝だけ。残りの二つもいつかこの目でという思いは強いが旅の実行計画をつくるのは遅れに遅れている。何年か前に渓斎英泉(1791~1848)の‘日光山名所之内 裏見ヶ滝’をアップしたとき、この滝に詳しい方から観光名所になっていることを教えてもらった。

この情報で霧降の滝もすぐ近くでみれるものというイメージができた。ところが、番組によると霧降の滝は向かい側の山にある展望台から上段の滝と葛飾北斎(1760~1849)が描いた下段の滝をながめることはできるが、下段の滝の近くには行けないことがわかった。滝壺までの道は整備されてなく、今は立ち入り禁止とのこと。

番組では釣りが好きな女性タレントと滝を専門に撮っている写真家が山岳ガイドつきという条件で通行が許可され1時間かけて滝壺の近くまで入っていった。だから、下段の滝の風景を映した映像はとても貴重なもの。これが北斎が描いた霧降の滝か!という感じ。いいものをみた。

北斎の絵では水が三角形の形をつくって勢いよく滝壺へ流れ落ちていく様子がじつにリアルに描写されている。北斎は実際この滝を見たのだろうか? 普通の絵師ならこの水しぶきが霧のようになってるところや滝壺の水滴を生でみないとこの絵は描けない。だが、北斎はスーパー想像力の持ち主、なにか参考になる絵をみて滝のリアルなイメージをつくったとも考えられる。だとすると、この滝もみないで描いたのかもしれない。

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2015.05.27

青森市の棟方志功記念館!

Img       青森市にある棟方志功記念館

Img_0001     ‘飛神の柵’(1968年)

Img_0002     ‘花矢の柵’(1961年)

Img_0004     ‘門世の柵’(1968年)

先週の土曜日に放送された‘美の巨人たち’は棟方志功(1903~1975)の‘飛神の柵’が今日の一枚だった。棟方志功の大ファンだからどんな話をしてくれるのかと期待していた。そして、このタイミングで志功を取り上げるということはどこかの美術館で回顧展が開催されているのかなと思ったりもした。

番組スタッフが出かけたのは青森市にある棟方志功記念館、今年は美術館が開館してから40周年という節目の年。だから、‘久しぶりに棟方でいこう!’となったのかもしれない。ちなみに2012年4月のときは‘富嶽頌’。

棟方志功記念館を訪問したのは弘前で奈良美智のA to Z展があった2006年、東北自動車道を長い時間走りはじめて青森の地に足を踏み入れた。青森市で一泊し翌日ここと青森県美、そして三内丸山遺跡に出かけた。奈良美智の作品をみたい一心で本州の北の端まで行ったが、おかげで大好きな志功の絵がみれ、縄文文化の三内丸山遺跡も体験することができた。今からふりかえると大変充実した青森旅行だった。

‘美の巨人たち’が制作した‘飛神の柵’誕生の物語はとてもおもしろかったが、この絵を9年前記念館でみたという記憶がなく、購入した図録にも載ってない。以前お目にかかったのは鎌倉の棟方板画美が所蔵するもの。
よくわからないが、現在は青森の記念館も展示しているのだろうか?

お気に入りの一枚‘花矢の柵’は現地ではどういうわけか展示されてなく残念な思いをひきづっていたが、嬉しいことに2,3年前平塚美で棟方志功展がありリカバリーが叶った。まさに、待てば海路の日和あり。

記念館で目に焼きついているのが女性の赤いほっぺが印象的な‘門世の柵’、魅力にあふれるこの女性画シリーズを勝手に志功型美人図と呼んでいるが、対面するたびにいい気分になる。

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2015.05.26

ジャイアンツ青木 4打数4安打の大当たり!

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ジャイアンツの青木がブリュワーズとの試合でソロホームランを含む4打数4安打2打点の大当たり、チームの勝利に大きく貢献した。

青木はときどきイチローのようにヒットを量産することがある。昨年の後半にも3、4試合4安打とか3安打を続けチームの記録をつくった。一度いい感触でヒットがでるとバットを自在に操りヒットを続けるというのは打撃の技術が特別に高いから、前日のゲームで1番レストで先発し2安打を放ち、今日も4安打、これで打率は.312に上がった。

これだけ好調な打撃を披露すると監督はずっと先発で使ってくれる。ケガで休んでいた中軸選手のペンス(ライト)が復帰したので外野のポジション争いは厳しくなったが、ボウチー監督は青木をレストで固定する考えはもっているはず。三振は少なく、ボールを選び四球のとれる青木は一番にはベストの選手。だから、3割をキープすれば監督の期待はさらにます。

ジャイアンツは現在、ナリーグ東地区で首位のドジャースを2ゲーム差で追っている。最近10試合ではジャイアンツのほうが勝率は高いのでいずれ首位に立つ可能性がでてきた。人気者のペンスが戻り、捕手のポージーも3割を打って好調なのでチーム力がぐんと上がっている。青木が打ちまくればBS1でジャイアンツの試合を中継することが多くなる。3割打者青木をずっと見続けたい。

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2015.05.25

十年目をむかえた‘美の壺’ 七宝

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Img_0002     並河靖之の‘四季花鳥図花瓶’(1899年 三の丸尚蔵館)

Img_0004     並河靖之の‘桜花に蝶図皿’(京都・清水三年坂美)

Img_0001     涛川惣助の‘七宝花鳥図三十額’(迎賓館赤坂離宮)

美術品をいろいろ楽しみたいこともあって我が家では毎週TVの美術番組を数多くみる。そのうち工芸関連で定番になっているのがBSプレミアムの‘美の壺’(金曜よる7時半~8時)と‘イッピン’(火曜よる7時半~8時)。

俳優の草刈正雄が案内役をつとめる‘美の壺’はこの5月で10年目をむかえた。今や定番の美術番組のひとつ、毎週欠かさずみている人も多いのではなかろうか。時間は30分と長くなく、美術品をみるポイントを3つの壺で指南してくれるので気持ちが作品に集中できるのがいい。

先週取り上げられたのは‘七宝’、七宝では神様のような存在である並河靖之(1845~1927)と涛川惣助(1847~1910)の作品が登場したので息を呑んでみていた。二人はおもしろいことに字はちがうが同じ‘なみかわ’という苗字、2歳年上の並河靖之は京都生まれで、涛川惣助は千葉県の出身。

お気に入りの並河の‘四季花鳥図花瓶’と‘桜花に蝶図皿’は目のなかに入っているが、迎賓館赤坂離宮に飾ってある涛川の‘花鳥図三十額’は存在は以前から知ってはいるがまったく縁遠いもの。無線七宝だから小鳥や花をぼかしたりほわっと柔らかく表現している。まるで絵具で描いたような感じ。

迎賓館には一生縁がないから本物をみることは無理、ところで、ここは一般公開されているのだろうか?2,3年前からはじまった皇居の一般公開(人数が限られているので高い倍率)のように内部をみる機会があれば抽選に応募するのだが。

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2015.05.24

祝 照ノ富士 初優勝!

Img     初優勝を喜ぶ照ノ富士

大相撲夏場所は白鵬の7連覇がならず、関脇照ノ富士が初優勝を飾った。照ノ富士はこの優勝で来場所大関に昇進することも決まった。拍手々!

昨日、白鵬が稀勢の里に土俵際で手痛い逆転負けを食らったときはひょっとすると今場所は優勝ができないかなという気もしたが、最後はしっかり気合を入れて勝ち賜杯を手にするものと思っていた。ところが、今日千秋楽、同じ3敗の照ノ富士の自信満々の相撲をみて本割で照ノ富士が優勝をさらうのではないかと感じがしてきた。

結果はその予想が当たった。結びの一番、伊勢ケ浜部屋の兄弟子日馬富士がうまい相撲で白鵬を破り、照ノ富士を援護射撃してくれた。今頃部屋では大騒ぎだろう。

照ノ富士は今場所敗けた相手は平幕の二人と白鵬、白鵬に敗けた時点で来場所の大関昇進はなくなった。照ノ富士はとくにがっくりすることはなく、また10番以上勝てば大関になれると思っているから横綱戦のあとはいい相撲で白星を重ねた。そして、まさかの初優勝し大関昇進の夢を叶えた。強い力士が大ブレイクするときはえてしてこういう流れになる。

先場所白鵬に土をつけ13勝と大勝した照ノ富士、これでその強さは全国区になった。モンゴル出身の力士はみんな勝負どころでは緊張することなく持てる力を200%発揮し、夢を実現させる。この集中力は本当にスゴイ、照ノ富士は2場所で一気に大関へ駆け上がった。

体が大きく相撲は持ち前の負けん気の強さでどんどん前にでていく。白鵬の後継者は照ノ富士で決まり。大関でいる場所も短くなりそう。大相撲がおもしろくなってきた。ところで、この照ノ富士、隣の方がフランキー堺に似ているといいだした。確かによく似ている。そう、往年の人気コメディアン、フランキー堺、知っている人は知っている。

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2015.05.23

御舟の仲間 今村紫紅と小茂田青樹!

Img         今村紫紅の‘潮見坂’(1915年 横浜美)

Img_0001     小茂田青樹の‘横浜海岸通り’(1915年 横浜美)

Img_0002     小茂田青樹の‘漁村早春’(1921年 愛知県美)

Img_0003        小茂田青樹の‘梅花朧月’(1932年 川越市美)

速水御舟の回顧展に‘周辺’が付け加えられているのは御舟の師匠や仲間たちの作品が一緒に展示してあるから。チラシをみて期待していたのは今村紫紅(1894~1935)と小茂田青樹(1891~1933)、この二人と比べるとほかの画家はあまり心が動かない。

Myカラーが緑と黄色なので、紫紅の‘潮見坂’にはぐっと惹きつけられる。この絵の前年、紫紅はインド旅行の成果である‘熱国之巻’(重文 東博)を仕上げており、その鮮やかな色彩表現は絶頂期をむかえる。この縦長の‘潮見坂’も色彩の力が強く感じられ、天性のカラリストとしての才能がいかんなく発揮されている。

御舟にとって紫紅は兄貴格のような存在だったが、小茂田青樹はまさに同志の関係。年は青樹が3歳年上。小茂田青樹も長いこと気になる画家、でも残念なことに回顧展に遭遇していない。以前青樹の故郷である川越の市立美を訪問したとき、ここで一度回顧展があったことを知った。地元が生んだ有名な画家だから、名作を集めた展覧会が開かれるのは当たり前といえば当たり前。希望は例えば東近美あたりで行われる回顧展、期待したいが可能性は20%くらいだろうか。

青樹は全部で29点、ミニ小茂田青樹展といってもいいくらいのラインナップ。‘横浜海岸通り’には青樹の代名詞ともなっている細密描法がそれほど色濃くはでてないが、‘漁村早春’では精緻な描写がまさに全開という感じ。藁ぶき屋根を凝視するとその細かな線に目が点になる。畳のような質感がじつにリアルに表現されている。久しぶりの対面に体が200%フリーズした。

今回一番の収穫は御舟の‘夜梅’と対にして展示されている‘梅花朧月’、ぼやけた月を背にした梅の枝の圧倒的な存在感、このフォルムには参った。やはり小茂田青樹は並の画家とはちがう。なんとしても回顧展をみなくてはという気持ちになった。

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2015.05.22

7年ぶりの‘速水御舟展’!

Img     ‘横浜’(1915年 西丸山和楽庵)

Img_0001     ‘洛北修学院村’(1918年 滋賀県美)

Img_0003     ‘平野晴景’(1924年 西丸山和楽庵)

Img_0002     ‘白磁の皿の柘榴’(1921年 長谷川町子美)

現在、世田谷美で‘速水御舟とその周辺’展(5/2~7/5)が開催されている。年に一度くらいでかける世田谷美、気持ちがちょっと重くなるのはそのアクセスの悪さ、地下鉄田園都市線の用賀駅からでているバスのタイミングが悪いときは20分くらい歩くはめになる。今年は砧公園まで歩く番だった。

2008年平塚市美で速水御舟(1894~1935)の回顧展があった。これを含めて御舟の作品はかなり多く目のなかに入ったので世田谷美のものはパスしてもいいのだが、それをさせないのは御舟という画家がもっている磁力の強さ。まだみてないプラスαが目を楽しませてくれるのではないかという思いがつい足を運ばせる。

予想したことではあるが7年前のデジャブがおきている感じだった。今村紫紅の影響が強く見られるのは家の壁の赤が目を惹く‘横浜’、画面中央に工場の煙突から黒い煙が立ち上り、その黒が上部の港に停泊中の船に視線を誘導する。

‘洛北修学院村’はお気に入りの一枚、何度見てもこの深い青が心を揺すぶる。青の画家というとすぐ東山魁夷いを思い出すが、御舟は光を感じさせる神秘的な青の世界を描き出す。画面に目が慣れるのに少し時間がかかるがやがてここには村の人々が描かれていることに気づく。そして、この村には神秘的な物語が隠されているのかなと勝手に想像してしまう。

スッキリした構図に魅了されるのが風景画の‘平野晴景’、モチーフとしておもしろいのは畑の一角から空にのびる白い煙り、こういう光景が描かれるのは珍しいが絵になると思わず足がとまる。御舟の自然をみつめる豊かな感性が見慣れた光景を詩情あふれるものに変えている。

今回静物画が2点でている、そのひとつは初見の‘白磁の皿の柘榴’、静物画をみると御舟が天才的な写実力の持ち主であることがよくわかる。柘榴の皮の質感描写は見事というほかない。まるで本物が目の前にあるよう。

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2015.05.21

再度足を運んだ‘鳥獣戯画展’!

Img_0001     国宝‘鳥獣戯画 甲巻’(12世紀)

Img_0002     国宝‘鳥獣戯画 乙巻’(12世紀)

Img_0003     国宝‘華厳宗祖師絵伝 元暁絵 巻一’(13世紀)

Img        ‘元暁絵 巻二’(13世紀)

上野の東博で行われている‘鳥獣戯画展’は後期(5/19~6/7)に入ったので、再度足を運んだ。10時に平成館の前に着いたが、すでに大勢の人、この時点で入館するのに50分、さらに‘鳥獣戯画’で人気度抜群の甲巻の後半部分をみるのにさらに120分。

5/1のときは外での待ち時間はだいたい同じだったが、中は倍待たなければみれない。この調子だと月末から最後の週はトータル4時間待ちになりそう。とにかく、兎や猿や蛙の人気は絶大!8年前サントリー美で鳥獣戯画展があったときとは大違い、あのときはこんなに並ばなかった。

後期の目的は‘華厳宗祖師絵伝 元暁絵’(全3巻)をみることだから、最初から甲巻の蛙が兎を投げ飛ばす場面はパス。館のなかにはいると‘元暁絵’へ急いだ。この絵巻は一度、東博の平常展示でお目にかかったが展示されたのは一部のみ。今回は物語の最初から最後まででているので目に気合を入れてみた。

冒頭の場面は元暁(がんぎょう)と義湘(ぎしょう)が新羅の山中で大雨に遭遇したため、やむなく墓とわかった塚に泊まるところ。手前の明恵みたいな顔をしたのが元暁で夢枕に赤鬼が立っている。鬼にうなされ夢から覚めた元暁はすべては心のもちようであると悟り、入唐を断念する。

この絵巻の最もおもしろいところは龍宮へ向かう使者たちが海にできたブラックホールのような穴へ吸い込まれる場面、海面がぐらぐら揺れまわりには摩竭魚(まかつぎょ)が元気よく飛び跳ねている。この高僧伝に惹きつけられるのは人物や風景が比較的大きく描かれているため。波の動きが細かい線描でリアルに表現され海の薄青が目にとても心地いい。

思いの丈が存分に叶えられたのであとは‘鳥獣戯画’の乙、丙、丁巻を列の流れるままにみた。足がとまったのは乙巻で獅子が息をふきかける先に描かれた蝶。どうして獅子と蝶の組み合わせなの?こういう意表をつくモチーフの登場は強く心に残る。3巻をみおわって甲巻の列をみるとさらにのびなんと140分になっていた。この状況では並ぼうかという気持ちは完全に消えた。

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2015.05.20

定番になりそうな新美術・歴史番組!

Img_0001

TV局にとって4月は番組が変わる時期、これによりこれまで楽しくみていたものが無くなる一方で興味を惹く番組も新たに登場する。

残念だったのが片岡鶴太郎が案内役をつとめる‘江戸のススメ’(BSTBS 月曜よる10時~11時)、3年くらいやっていたが3月で終了となった。この番組のおかげで江戸時代における人々の日常生活や娯楽・芸能、行政システムなどを広く知ることができた。

新番組で毎回みそうなのがでてきたので紹介したい。
★ ‘円楽の大江戸なんでも番付’ BS朝日 木曜よる10時~11時
★ ‘にっぽん! 歴史鑑定’ BSTBS 月曜よる10時~11時
★ ‘時代劇が楽しくなる 大江戸ゼミナール’ BSジャパン 火曜よる9時~10時

いずれも月に2回しか制作されず後半の週は再放送したりほかの番組をやっている。BS朝日の案内役は円楽、そしてゲストは中尾彬と池波志乃、解説は歴史家の加来耕三さん、‘歴史鑑定’は俳優の田辺誠一、そして‘大江戸ゼミナール’は俳優の国広富之が進行役で生徒がパンチ佐藤、先生は江戸史の研究では名が売れている大石学教授。

このなかでとくに面白そうなのが‘大江戸なんでもランキング’、日本人はなにでもランキングをつけるのが好き、食べ物、日用品、職人技、初回は羊羹や歯磨き粉、そして2回目は漆器や魔鏡がでてきた。江戸時代、人々の心を強くとらえたのはどんなものだったのか、好奇心にまた火がつきそう。

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2015.05.19

世界の住みやすい都市ランキングTOP10!

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Img_0001  ゴーギャンの‘花をもつ女’(コペンハーゲン ニュ・カルスベア美)

Img_0002ドラクロアの‘ジョルジュ・サンド’(コペンハーゲン オードロップゴー美)

英国の情報誌モノクルが発表した2014年版の‘世界でもっとも住みやすい25都市ランキング’のベストテンに興味深い都市がならんでいた。

1位  コペンハーゲン (デンマーク)
2位  東京 
3位  メルボルン (オーストラリア)
4位  ストックホルム (スウェーデン)
5位  ヘルシンキ (フィンランド)
6位  ウィーン (オーストリア)
7位  チューリッヒ (スイス)
8位  ミュンヘン (ドイツ)
9位  京都
10位  福岡

こういうランキングをつけるときはどんな指標を使っているのか気になるところだが、犯罪率、医療制度、公共交通機関、緑地スペース、文化への取り組み、スタートアップビジネスの容易さなどにより多角的に評価されているとのこと。

意外だったのが、日本の都市が3つ入っていること。2位になった東京は巨大都市として経済面と文化面で双方の恩恵がありながら、街の荒廃がない、また食文化、ショッピング、アートといった側面は魅力的になっており、大都市であるにもかかわらず人々に親切心がある点が評価されている。

注目されるのは北欧の3都市、デンマークのコペンハーゲンが1位でスウエーデンのストックホルムは4位、そしてフィンランドのヘルシンキが5位に入っている。コペンハーゲンは2013年も1位だった。この街は人々の生活のためにデザインされた街であることが大きく評価された。地下鉄や市バス、水上バスなども完備されアクセスも良い、そして近代的なものと自然との調和がはかられている点でも高く評価されている。

これまで足を踏み入れたのはヘルシンキだけ、コペンハーゲンとスウエーデンはまだ縁がない。コペンハーゲンには一度訪問してみたい美術館がある。ゴーギャンの‘花をもつ女’を所蔵しているニュ・カルスベア美と20数年前日本でコレクションが公開されたオードロップゴー美。フィヨルドをみるために北欧を旅行しようと思っているので、そのときはコペンハーゲンの街も楽しみたい。

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2015.05.18

ホイッスラー VS 小林清親!

Img_2 ホイッスラーの‘ノクターン:青と金色’(1872~73年 テートブリテン)

Img_0002     小林清親の‘開花の東京両国橋之図’(19世紀 太田記念美)

Img_0003 ホイッスラーの‘艀(はしけ)’(1861年 フィッツウイリアム美)

Img_0001     小林清親の‘待乳山雪の黄昏’(1896年)

昨日まで練馬区美で開催されていた小林清親(1847~1915)の回顧展は予定通り2回足を運び、全部で280点くらいの作品を楽しんだ。以前から気になっていた画家だからこれだけ多くの魅力的な光線画や肉筆画が目の中にはいると満ち足りた気分になる。しばらくは図録をめくる日が続きそう。

練馬区美とコラボして所蔵する清親の作品を展示したのが浮世絵専門美術館の太田記念美、ここには清親の忘れられない絵がある。それは‘開花の東京両国橋之図’、この絵、誰かの絵とよく似ている。そう、昨年横浜美に出品されたホイッスラー(1834~1903)の‘ノクターン:青と金色 オールド・バターシー・ブリッジ’、ホイッスラーがこの絵を描くとき参考にしたのは広重の‘京橋竹がし’だが、この絵より清親の絵とのコラボぶりのほうが際立っている。

清親が‘両国橋’を描いたのはホイッスラーのノクターンより後、二つの絵に直接関連性があるかどうかわからないうが、ひょっとして清親はホイッスラーの絵をみたのだろうか?

もうひとつ、二人には似た絵がある。ホイッスラーの‘艀(はしけ)’と清親の‘待乳山雪の黄昏’、ホイッスラーも清親も広重の作風から大きな影響を受けている。このため、画面手前に舟とこぎ手を大きく描くというきわめてよく似た構図の絵ができあがったのかもしれない。

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2015.05.17

来年4月 ルノワールの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場’がやって来る!

Img_0001     ‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場’(1876年)

Img_0002     ‘ピアノの前の少女たち’(1892年)

Img     ‘浴女たち’(1919年)

GW中に大変嬉しいニュースが入ってきた。来年4月、国立新美で‘ルノワール展’が開催されるという。ここ数年西洋美術ファンの期待に応え続けている国立新、このルノワール展もスゴイ!なんと代表作中の代表作、‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場’がオルセーからやって来る。

新聞記事によると、作品はオルセーとオランジュリーにあるルノワール(1841~1919)で構成されるという。作品の数は100点。その目玉が‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場’、こんな傑作の出品が実現するのだから日本はやはり美術大国、オルセーにしてもルーヴルにしてもフランスのブランド美術館は本当に気前がいい。名だたる傑作が日本にいながらにして鑑賞できるのだから、アートライフはさらに充実したものになる。

お気に入りのルノワール作品はいくつもあるがそのなかで最も愛しているのは‘ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場’とワシントンのフィリップ・コレクションにある‘船遊びをする人たちの昼食’、10年前‘船遊び’が公開されたが、‘ムーラン’もまたパリからお出ましいただけることになった。この絵の前に大勢の人が群がる様子が今から目に浮かぶ。

このほかには‘ピアノの前の少女たち’や最晩年の傑作‘浴女たち’や‘田舎のダンス’も展示される。2008年、Bunkamuraで行われた回顧展のときはオルセーから‘田舎のダンス’や‘ブランコ’など15点が出品された。来年はこれを大きく上回る作品がどっと東京に集結する。会期中(4/27~8/22)は多くの美術ファンを集めるにちがいない。

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2015.05.15

ビッグニュース! 来年3月‘カラヴァッジョ展’

Img     ‘エッケ・ホモ’(1605年 ジェノヴァ パラッツオ・ロッソ)

Img_0002    ‘慈悲の七つの行ない’(1606年 ナポリ ピオ・モンテ・デラ・ミゼリコルデイア)

Img_0001     ‘ラザロの復活’(1909年 シチリア メッシーナ州立美)

年初‘夢の展覧会’と題してカラヴァッジョ展のことを書いたら、なんと!来年3月本当に実現することになった。場所は西洋美、会期は3/1~6/12、この話は4月にケンスケさんから教えてもらったが、今は西洋美のHPにも載っている。

来年は日本がイタリアと1866年に修好通商条約を結んでから150年にあたる。これを記念してイタリアが生んだ大画家カラヴァッジョ(1571~1610)の回顧展が開かれることになった。今のところ情報はこれだけ。どんな作品がやって来るかはまったくわからない。ただ、ケンスケさんによると‘ロレートの聖母’(ローマ サンタゴステイーノ聖堂)が展示される可能性もあるらしい。

日本で2度目となるカラヴァッジョ展は一体どんなものになるだろうか?2001年東京都庭園美と岡崎市美で開催されたときはカラヴァッジョの作品は8点出品された。いずれもイタリアにあるもの。来年もやはりイタリアの美術館や聖堂に飾られているものに絞られるにちがいない。

数は7~8点を期待したいところ。10点は欲張りすぎ、西洋美が主催するといってもこれは無理だろう。カラヴァッジョの回顧展が日本で行われること自体、大変なこと、だから5点であっても大満足。そして、そのなかにまだみていない作品が入っていれば申し分ない。

狙っているのは‘エッケ・ホモ’、‘慈悲の七つの行い’、‘ラザロの復活’、1点でも実現すれば嬉しいのだが、はたして。カラヴァッジョをコンプリートするのが生涯の夢。日本でそのピースが一つでも二つでもうまることになればこれほど幸せなことはない。出品作が発表されるまでミューズに祈り続けることにした。

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2015.05.14

人気沸騰の‘鳥獣戯画展’!

Img     国宝‘鳥獣戯画 甲巻 弓で的を射る兎’(13世紀)

Img_0001     国宝‘鳥獣戯画 丙巻 首引き’(13世紀)

Img_0003     国宝‘華厳宗祖師絵伝 義湘絵’(13世紀)

Img_0002     国宝‘仏眼仏母像’(12~13世紀)

現在東博で開催されている‘鳥獣戯画展’(4/28~6/7)は開幕以来連日大勢の人を集めているようだ。猿や兎や蛙がでてくる鳥獣戯画は美術の教科書で一度は目にしたことのある絵巻であり、漫画の原点みたいなものだから特別親しみを覚える。だから、長い行列ができてもこの絵だけはみておこうという気になる。

GWの前に足を運んだが、甲巻の前にたどり着くのに2時間かかった。この絵巻が修復によりきれいによみがえったことを日曜美術館で詳しく取り上げていたから、以前より目に力が入る。もっともひきつけられるのはやはり甲巻。兎と蛙が弓で的を射るのを競う場面をしっかり楽しんだ。勝負ごとはどの種目でもそれをやっている者は神経をピリピリさせるもの、兎と蛙の動きにはそれがよく現れている。

人物が登場する丙巻は風俗画の魅力が満ち々ている。思わず口元がゆるむのが若い僧と年とった尼が行っている首引き、綱引きなら小さいころ学校の運動会でやったが、こういう首にひもをひっかけてやるものはいつごろまで行われていたのだろうか、

今回会場で展示を知ったのが‘華厳宗祖師絵伝 義湘絵’、4巻が全部でているのだからびっくりした。これは数ある絵巻のなかでもMyお気に入りのベスト3に入れているもの。これまで3回お目にかかったが、最初から最後までみたのははじめて。すばらしい!

最大の見どころは義湘に恋した善妙が海に身を投じて龍になり義湘の乗った船を支えて新羅まで行くところ、見事な線描と明るい彩色により表現された海原をダイナミックに進む龍の姿と波のうねりが心を強く打つ。後期(5/19~6/7)には‘元暁絵’がこれまた全部展示される。こちらも見逃せないので再度足を運ぶことにしている。

もうひとつ仏画の傑作がでている。‘仏眼仏母象’(前期4/28~5/17)、とにかくこの展覧会は高山寺の至宝があそこにもここにもあるという感じ。鳥獣戯画だけみておわりではもったいない。甲巻だけで体は疲れるだろうが、これをみたあと少し休憩をとりほかの作品にも目をむけてみると楽しみがさらに増す。

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2015.05.13

尾形光琳に乾杯! 燕子花と紅白梅

Img       国宝‘燕子花図屏風’(18世紀 根津美)

Img_0001     国宝‘紅白梅図屏風’(18世紀 MOA美)

Img_0002      ‘雪松・蔦図団扇’(18世紀)

Img_0003     尾形乾山の‘銹絵染付金彩絵替土器皿’(重文 18世紀 根津美)

今年は尾形光琳(1658~1716)の300回忌という節目の年にあたるので、東京や京都の美術館では琳派展が数多く開催される。根津美の特別展(5/17まで)の最大の呼び物は‘燕子花図屏風’と‘紅白梅図屏風’の同時展示、ともに国宝であるこの光琳の代表作が一緒に楽しむことができるのは日本文化のなかに琳派がしっかり根をはり多くの人に愛されていることの証でもある。だから、傑作が左右に並ぶ風景を目に深く焼き付けた。

‘燕子花’をみるたびに思うのは光琳の卓越したデザイン感覚、呉服屋に育ち幼いころから着物の柄に目が慣れているので、意匠が持っている魅力をどう表現したらいいかというのが自然と身についたのかもしれない。

これに対し晩年に描いた‘紅白梅’は人間味が感じられる作品、左の老木の白梅は下に垂れる細い枝が人生の黄昏を思わせ、右の若々しい紅梅は生の喜びを両足を地面にぐっと踏ん張って立つような姿で表している。そして、中央の川には時の移り変わりを象徴するように自在に出来上がる流水模様が現れそして消えていく。息を呑んでみていた。

今回初見の作品は雪松と蔦が描かれた団扇。これは手元の画集のどれにも載っていないので大きな収穫。‘浜松図団扇’(5/4~5/17)もまだみていないものだが、もう一度出かけるかは微妙。

光琳の弟、乾山(1663~1743)のやきものでプラスαを期待していたが、これは一点もなかった。でも、お気に入りの‘銹絵染付金彩絵替土器皿’とまた対面したので満足度は高い。なにしろこの揃いものは滅多に展示されないので、一皿々心を揺すぶる絵柄をじっくり味わった。

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2015.05.02

お知らせ

拙ブログはしばらくお休みします。

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2015.05.01

アートに乾杯! 虹を描いた画家たち(5)

Img_0004     絹谷幸二の‘時の舟・慈愛Ⅲ 悠久の都’(2006年)

Img_0002     福田平八郎の‘紅葉虹’(1947年 大分市美)

Img     中村岳陵の‘雨霽’(1964年)

Img_0001     池田遙邨の‘伐られた株’(1923年 倉敷市美)

デパートで現役の作家の回顧展が開かれる場合、開幕初日に本人が会場にいることがある。こういうときはいい機会なので気軽に話をすることにしている。2006年日本橋三越であった絹谷幸二さん(1943~)の展覧会は念願の絹谷作品をみることができたのでおおいに話がはずんだ。

このとき展示されていたのがその年に描かれた‘時の舟・慈愛 Ⅲ 悠久の都’、ローマの風景が目の覚めるような赤や青で描きあげられそこに名所観光地のパネルや絵画、彫像などがコラージュ風に張り付けられている。時刻は雨上がり、空には強烈な虹がかかっている。この虹はこれまででてきた虹のなかで一番正確に色がつけられている。忘れられない一枚。

天性のカラリストである日本画家の福田平八郎(1892~1974)にも強く心に残る虹がある。終戦前後京都の竜安寺にいた時代の印象を作品にした‘紅葉虹’、きれいに咲き誇る紅葉のむこうに虹がみえる。こういう作品をみると絵の魅力は色彩によって決まるということを再認識する。

中村岳陵(1890~1969)の虹は実際の印象に近い。虹は上の二つのように色がくっきりあざやかにみえることはまずなく、色はこの絵のように薄くみえる。虹の向こうに山が透けてみえる感じがとてもリアル。ぱっとみるとおとなしい感じがするが、じっとみていると絵のよさがわかってくる。

シュールっぽい虹の絵を描いたのは岡山県出身の池田遙邨(1895~1988)、これは遙邨28歳のときのもの。中央に伐採された株があり、それを黄色の虹が宗教画の円光のように照らしている。株の生命力を強調するために虹を使うという発想が前衛的。

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