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2015.04.05

ズームアップ 名作の響き合い! 2009年

Img_0003     束芋の‘団地層’

Img_0002     束芋の‘悪人’

Img     十二代三輪休雪の‘龍人伝説 花園’

Img_0001     十二代三輪休雪の‘掌器’

元来人と話すことが好きなので、はじめて会う人でも気軽に話しかける。だから、アートフェアとかギャラリーへ出かければ今現在活躍中のア―ティストたちとも話がはずみ最新の美術事情についての情報が増えることはわかっている。

だが、今はそういう習慣がないので現在誰が美術界で注目されているのか、よく知らない。そういう人に遭遇するチャンネルはもっぱらTVで放送され美術番組。才能のある作家は自分が売り込まなくても周りがほっておかない。TV各局の腕利きプロデューサーが必ずフォローしてくれるので、毎年3,4人くらいは気になる作家としてインプットされる。

束芋(1975~)もTVで知ったア―ティスト。2009年横浜美で回顧展‘断面の世代’が開催されたときは、会場にいた彼女と遠慮もなくしゃべってしまった。小柄で感じのいい人、‘団地層’は3分弱のアニメのインスタレーション、団地という集合住宅は昭和の時代の風景、だからこれに焦点を当てるというのはノスタルジックな感覚、1970年代生まれの束芋はそこに昔住んでいたように団地の断面を切り出し、同じ間取りの部屋の中をなめつくすように細かく描き出す。まるで弁当箱は同じなのになかに入っている具が違う弁当をみているよう。

束芋は朝日の新聞小説‘悪人’の挿絵を描いた。新聞では縁がなかったのでその原画が非常に刺激的だった。言葉を失ってみていたのが女性の長い首をいくつかの手が重なり合うように絞めているもの。顔は唇以外は無く、右では気持ちの悪い口のお化けがなにかぶつぶつ言っている。シュール的でもあるしアンチンボルドが生み出した花や果物で顔を造形するグロテスクな人物画の香りもする。毒気がたっぷり入っており、‘悪人’のイメージにはピッタリ。

同じ手の描写でもぐっとエロチックなのが十二代三輪休雪(1940~)の‘花園’、これは‘龍人伝説’シリーズ(17点)のひとつで、龍人の手は愛欲のはじまり。休雪の陶芸における中心のテーマであるエロスがドキッとするほど生々しく表現されている。

‘掌器’はダブルイメージが使われた作品。手びねりで茶碗をつくる様子が想起され、そしてできあがった器を手に持って愛でている。シュルレアリスム感覚に誘われるといつも強く反応する。

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