« ズームアップ 名作の響き合い! 2004年 | トップページ | わかるマグリットと謎のマグリット! »

2015.03.25

大マグリット展に乾杯!

Img_0003     ‘ゴルコンダ’(1953年 メニル・コレクション)


Img_0002     ‘終わりなき認識’(1933年)


Img     ‘不思議の国のアリス’(1946年)

Img_0001     ‘自然の驚異’(1953年 シカゴ現美)

今日から国立新美ではじまった‘マグリット展’(3/25~6/27)を早速みてきた。前回みたマグリット(1898~1967)の回顧展は2002年、Bunkamuraで行われたもの。その前はというと、これは出かけていないのだが、27年前の1988年にもあった。場所は東近美、そのときの図録を古本屋で偶然見つけ手に入れた。

今回の回顧展は全部で125点でている。この特別展を監修したのはブリュッセルのベルギー王立美のなかにあるマグリット美(2009年オープン)、だから、出品作には現地でみたものが多く含まれているのだろうと思っていた。ところが、予想がはずれた。目立ほどでもない。

日本の美術館にあるものはシュルレアリスムというタイトルのつく展覧会ではお馴染みの定番作品がずらっとそろっている。これらををみると日本にある西洋絵画ではマグリットが一番充実しているかもしれない。オールスター級のラインナップだから見ごたえがある。

そして、海外からは12か国から美術館や個人が所蔵するものが並んでいる。このうち過去やってきたのは40点くらい。マグリットの作品を130近く集めてくるのだから、二度目のお目見えがこれくらいあるのは仕方がない。全体の2/3は新規の作品でしかもぐっとくるものがここにもあそこにもあるという感じだから、豪華この上ない一級の大回顧展であることはまちがいない。

まずは、これまで体験したことがなくマグリットワールドに200%魅了された作品から。‘ゴルコンダ’はアメリカのヒューストンにある有名なメニル・コレクションのひとつでTASCHENのマグリット本にも掲載されている。この絵をみると戦争映画に映し出されるシーンを連想する。それは兵士たちは空からパラシュートで落下している光景。

ここで空中を埋め尽くしているのはシルクハットを被りコートを羽織った紳士たち。みな同一人物で背丈が3つに分類されているだけ。地上近くにいるのは最も背が高いのと真ん中のグループ、そして上にいくにしたがって背の低い人物になっていく。この計算されたグルーピングにより空は無限に広がる感じになり画面は同じ人物が異様に密集するという不思議な世界に変わる。

ハッとする作品はいくつもあったが、最も驚いたのは‘終わりなき認識’、正面は部屋の壁のはずだが、ここだけは窓になり外の風景をみせている。その風景はすぐ近くにみえるものではなく遠くの峻厳な山々、そして谷間の上には白い巨大な球が浮かんでおりそのてっぺんに男性が立っている。どうやらそこからこちらを眺めているよう。これはおもしろい。

ニヤニヤしっぱなしだったのが‘不思議の国のアリス’、隣の女子大生も笑ってみていた。太い幹の一部は人間の顔になっているのはじつにシュール、この幹人間、あまり違和感がなくすっと近づいていける。そして、幹の色彩表現が目に焼きつく。ルノワールの筆致によく似ている。

この底抜けに楽しい絵に対して、ちょっと緊張感を強いられるのがシカゴからやってきた‘自然の驚異’、海上に浮かぶ帆船や空は晴れ晴れした明るい色調で描かれているのに浜辺では岩のベンチに不気味な姿をした魚人間が2人肩を寄せ合っている。このアンバランスな取り合わせが強く心に刻まれる。

|

« ズームアップ 名作の響き合い! 2004年 | トップページ | わかるマグリットと謎のマグリット! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大マグリット展に乾杯!:

« ズームアップ 名作の響き合い! 2004年 | トップページ | わかるマグリットと謎のマグリット! »